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α性はほかの第2性と比較して、全ての能力が突出している。
そしてカリスマ性とも言えるオーラを生まれながらに持つ。
(お兄様は王様だし、確かにそうかも)
αだと言われて納得する。
そしてαは稀少種で滅多に生まれない。
「歴史に名を残す才気ある芸術家も、実はα性だったのかも知れないね」
自分自身が気づいていないだけで。
数の比率は、αが一握り……いや、一つまみすらいない。砂漠で砂金を探す程だと言う。
全てと言って良い程ほとんどがβ。
Ωは存在しない。
「そう言われてきた」
含みのある言葉。
「これからは、この人口比率が変化するだろうね」
「どういう事……ですか?」
「君が人類初のΩになるんだよ」
Ωって?
「さぁ、ここからが重要だ。第1性と第2性の関係性について話すよ」
ドキドキ、ドキドキ
(何だろう?胸の奥が)
ザワザワする。
「第1性である雌雄の区別に基づき生殖するのがβ性だ。大多数のヒトがこれにあたる。これに対してα性は、雌雄両性共に孕ませる側になる。雄も雌も精子を生産できるんだよ」
「エエェェエーッ!!」
「フフ、驚くのも無理ないね。そしてΩ性だが、Ω性はα性の逆だと考えれば分かりやすいだろう」