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「あぁ〜、そんな事か」
(そんな事って……)
王家の血が途絶えるのは一大事じゃないのか。歴史の長いアルファング王国ならば尚の事。
「君はそんな事を心配してたんだね」
(またそんな事って言った!)
そんな事じゃない。
「最重要事項ですよ!」
「些事に過ぎない」
極めて冷静なお兄様だけど。
「お世継ぎは?」
「君が産めばいい」
…………………………へ?
「いま、なんて?」
「君が産めばいい、と言った」
仮面の下の唇がクスリと笑った気がした。
「エエエェェエエーッ!?」
「これでお世継ぎ問題は解決だ」
「ちょっと待って!俺、男です」
「知っているよ」
「男は子ども産めません!」
世界全人類の常識である。
「それも知っているよ」
「もしかしてお兄様はお姉様?」
でも、それじゃ俺に子どもを産めとは言わないな。
「私も男だよ。そしてαだ」
「αって……」
なに?