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序章《エーデルフリューゲル》1


秩序は死に絶えた


この世界に昇る太陽はない


かつて、そう云われていた世界に火は灯った

火は世界を照らした 火は明るく燃え上がり、太陽を呼んだ


世界に太陽が昇った


太陽を呼び起こした火の名前を人は思い出した


その名を、 希望


希望を世界に灯した者の名を……




「ゆーしゃさま!」

「わっ」

「ゆーしゃさまですよね?」

 つん、と小さな指が高く透き通る蒼穹を指した。

 蒼穹を背にした俺を。

「そのけん、しってるよ」

「あぁ、そっか」

 平和を取り戻した街中で、この武器は目立つ。

「ぼくもね、おおきくなったらゆーしゃになるんだ」

 うん、

「大切な人を守るんだよ」

「はーい」

「大きくなって勇者になったら、また会おうね」


  街は賑わいで溢れている。もうすぐパレードが始まるんだ。

 こんな人だかりで、俺が勇者だと知れたらパニックになってしまう。

「その時まで、俺に会った事は秘密にしてくれるかな?」

「うん、やくそくね」

「約束だよ」

 小指を差し出す。

「まねっこして」

「あい」

 少し首を傾げたけど、元気に小指を出してくれた。

「指切りげんまん」

「ゆび……きり?」

「そう、指切りげんまん。約束の証だよ」

「ゆびきりげんまん!」

「うそついたら、はりせんぼん飲ーます」

 ゆ〜びきった!


 未来へ約束するんだ。

 街は、世界は、人は、未来へ続いていく。


 魔王は滅んだ。 一人の勇敢なる者によって。

 そして、世界は未来へ歩み出した。

 太陽が照らす明日へ


「あれ?ゆーしゃさま?」

 俺も歩き出す。


 これは勇者が魔王を滅ぼした物語

 終焉を迎えた物語から、新たな物語が始まる。


「ヒイロ様」


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