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聖女は頭が終わってる〈仮〉  作者: 甘味の苦労詐欺
8/8

第6話 スライムの憤怒とゴーストの笑顔

(火の粉………)


ゴーストAは灰になった火の粉たちにそっと手をあわせる。スライムたちの情けない泣き声が耳に入る。やがて、すすり泣くようにしていたスライムは徐々に落ちついてきた。


『…感傷に浸る時間はないよ。早く中層部に報告しよう』

『でも…どうやって?』


『…ゴースト、お願い』

『分かった』


先程の声とは違い、ゴーストA・B供に冷静な声。ゴーストBはロウソクを円形に並べていく。


『ゴースト…』


スライムたちがゴーストAを呼ぶ。


『…言いたいことは分かる。』

『………スライム、お前らはさ』


押しこめてきた感情と言葉が、喉から溢れ出てくる。


『マッッッッッジでムカつくンだよ!』

『はぁぁぁぁぁ?なに恰好つけてんのぉ?お前らは魔物だろ?蘇生されるだろ?生き返るだろぉ?』

『お前らの!せいで!こっちは!天使様に!事情説明!しなきゃ!いけないの!』

『天使様って!すぐキレるし!タバコ臭いし!何より怖いし!愚痴吐かれるし!』


『『そして怖いし!!!!!!!!!!!!!』』


『あーもぅやだ!もーやだ!』

『お前らの蘇生にいくらかかると思ってんの?天使様は!天使の癖に!金取るから!』

『集団で死ぬなよ!めッッッッちゃくちゃ金かかるだろ!スライム一匹くらいならまださ!まださ!4人(?)で割り勘したら何とかなったのに!お前ら何十匹いんだよ!フザケンナぁ!』

『【最上階にて侵入者、】ってさ!【、】要らないだろ!【、】さえ無ければ死ななかったダロ!なんだよ【、】って!』

『せめて!せめて!アイテムドロップぐらいしてから死ねよ!なに勝手に死んでんだ!』


『そんなに嫌なら逃げればいいじゃん』


ゴーストBが五芒星を描きながら言う。


『逃げる?はっ!オレらが?天使様から?無理に決まってんだろ!』

『蘇生なんて頼んでないっていうとさ、俺らのこと殺して!蘇らせて!そんで、「頼んでねぇか」つって!また殺してくんの!怖ぇぇよ!サイコ!』

『しかも!ぼったくり価格で!運送費が高すぎんだよ!』

『いやさ!蘇生魔術って魔神様しか!使用許可!でてないから!蘇生業務が!混雑するのは!分かる!オレらでも分かる!天使様は!蘇生できるけど!使用許可がないから!蘇生しないのも!分かる!でもさ!でもさ!運送費であれほど請求するのはクソじゃない?ゴミじゃない?』



『タイヘンだねぇ~』


ゴーストBが赤いドロッとした液体を五芒星に流しながら言う。


『おいゴースト!なに他人ごとみたいに言ってんだ!』


『だって実際他人事だから、ゴースト』

『はい、』


ゴーストAがゴーストBに火をつけたロウソクを手渡す。


『まぁ、天使様なら法外な金額は要求するだろうね』


淡々とした口調でゴーストたちは言う。


『お前らやけに落ちついて……?そいや、一角兎ってどこ行った?報告書を運んでもらいたいんだけど』

『一角兎なら中層に逃げたよ。近未来視であんたたちが天使様にしばかれるのを視たんだって』


『…………は?』

『え…は?』


呆気にとられたスライムを気にもとめずゴーストたちはロウソクに灯をつける。


『じゃあ、値下げ交渉、頑張ってね(^^)/』

『バイバイ(^-^)/~~』


ゴーストたちは笑顔で手を振る。


『せーのっ』

『『 【転移】!』』








ビュンッ…………………………















人(?)物紹介


ゴーストA


区別のためにAと名乗っているだけの名無し。いつも冷静で理系。丸眼鏡をかけている。ゴーストBと仲が良い。スライムよりは強い。一人称【僕】


ゴーストB


区別のためにBと名乗っているだけの名無し。普通系女子で文系。ゴーストAと仲が良い。スライムよりは強い。一人称【私】


スライム(A)


聖女にブン殴られた奴。口が悪いが根は悪くない。金はそこそこにある。


スライム(B)・(C)


万年金欠。いつもゴーストたちの被害を受ける。苦労キャラ。

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