第5話 みんななかよく、まものたち
どうも!甘味の!苦労詐欺!です!
【 聖女の羽ペン 】
【 聖女の白い紙 】
【 聖女のインク(黒) 】
『あった…』
『マジかよ……』
『……よし!じゃあ早速、ゴーストたち!書いてくれ!』
『『え?』』
『『…え?』』
『僕たちってゴーストだよ……?』
『通り抜けるよ……?』
『うん、スライムたちが書いてよ』
『『は?』』
『オレらスライムだぞ?』
『半液体だぞ?』
『お前らが書けよ』
『だから、通り抜けるんだってば』
苛立ちを覚えたゴーストは手(?)を羽ペンに近づける。ゴーストが羽ペンを掴もうとするとスカッ通り抜ける。
『オレらだって手足がないんだ。書けるわけねぇじゃん……………』
すぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
『なぁ、どうする!?』
『コイツが起きたらこのダンジョン終わるぞ!』
『いや……それどころじゃないかも……最悪…魔王様のお命が危ういかも……!』
『『そんな……!』』
『…僕たちに出来るのは上に報告する事だけだよ』
『……早く報告しなきゃ!』
『でも、どうやって!?』
『フッフッフッ……話は聞いたぜ』
『『『『火……火の粉!』』』』
『盗み聞きは良くないと思いまーす』
『居るならさっさと出て来て。火の粉、何行目から居た?吐け(真顔)』
『吐いて、その方が楽になれるよ(笑顔)』
『え……いや…』
『もう格好つけるとかどうでもいいから(呆れ顔)』
『はい、協力してくれんのね、方法は?(まだ顔すら無い)』
『え……ええと、オレたち火の粉が合体して…紙を焦がして文字を書く…』
『紙、燃えない?』
『そんな…威力はないから大丈夫……』
『…威力じゃなくて……火の粉たちは大丈夫なのかよ?』
『無理にやると………よくて魔力切れ、悪くて死亡だぞ。』
『ああ、でもオレらみたいな下っ端でも魔王様をお守りできるって証明したいんだよ!!!』
『一寸の虫にも五分の魂!!!!!!』
『『オレらみたいな下っ端?アンタたちみたいな虫と一緒にしないで。私たちもう直ぐ進化して下に行くから』』
『お、お前ら……まだ進化できないって……それまで下っ端同士…一緒に頑張ろうねって……!』
『……なぁ、お前ら、もうちょっと感動してくれない?命と引き換えに魔王様をお守りしてるんだぞ?』
『それは直属の騎士とかがやるやつでしょ、顔すら無い下っ端が何言ってんのよ』
『グハァ!!!!!(流れ弾)』
『まぁいいや……みんな、いくぞ!』
『せぇーの!!!』
『『『『『『『『合体!!!!!!!!!!』』』』』』』』
『合体!……あれ……?』
【火の粉 たち は 火の大玉 に なった !】
『ねぇ、もしかしてみんなで練習とかしてた?僕、誘われてないんだけど……』
ジジジジジジジジジジ……
そんな一つの声をシカトして火の大玉が紙を焦がしていく。
『火の粉……!』
『お前らのことは今日の晩ご飯まで忘れない!』
【最上階にて侵入者、】
『これで…充分に伝わるだろう……!』
力尽きた火の粉が言う。その眼(?)は達成感に満ちていた。
【火の大玉 は 燃え尽きて 死んだ !】
ボンッ……
静かに音を立てて、火の粉たちは死んでゆく。
『火の粉……!』
『ねぇ、僕誘われてないんだけど、ねぇ』
『どこから居た?吐け』
『僕、さっさと吐くんだ。ね?』
『えっと……第3話の五行目……です。』
『算用数字と漢数字、揃えろ。気持ち悪い』