第4話 兎には声帯も肉球もありません
どうも、甘味の苦労詐欺です。
「やっと入れた………………」
『ヒェ……』
『ヤ、ヤバ…』
『は…早く…、………報告…』
『ぷぅー(うーわwww子供にビビってやーんのwwwマジだっせぇwww草www)』
(だいぶ体力を消費したな……どこかで休むか……?魔物?)
そういえば、魔物を観るのは初めてだ。魔族や魔物はここ数百年、姿を現していない。文献では凶暴な絵が描かれてあったが…………………ちっさ……。
【聖女 は なんとなく スライム を ブン殴った !】
ドカァァァァァァァア!!!!!!!!!!!!!
スライムが聖女に殴られて遙か彼方の壁に吹っ飛ぶ。
【スライム は 聖女 に 殺された !】
『『『『『『スライムーーーーーーーーーー!』』』』』』
【ミッション 〔はじめてのひと(?)ごろし〕 達成 !】
【報酬】
【・銀貨一枚】
【・ヌンチャク(銅製)】
『ドウシヨドウシヨドウシヨ』
『コイツヤバいって!』
『ヒィィィー!殺されるぅ!殺されるぅ!』
『ぷー?(報酬がヌンチャクって微妙すぎん?)』
『てか、コイツ聖女って表示されなかったか?』
(はぁ……うるさいし、疲れた。…………………よし)
『な、なんだ!?殺る気か!?』
【聖女 の 奥義 !】
『みんな!逃げろ!』
【 立ち寝 !】
すぴぃーーーーーーーーーーーー
『は?』
『え?は?』
『え?寝てる?』
『え?これが奥義?』
立ち寝。それは、ろくに睡眠が取れない聖女が身につけた技能。大臣やメイドにばれないよう、会議中に眠るため開発した。上位互換、【目を開けたまま立ち寝】も存在する。また、派生として【座り寝】も存在する。この時の聖女は意識と無意識の境界線を彷徨っているため、周囲を関知して意識的に目覚めることも可能。
『ねぇ………』
『なんだ、ゴースト?』
『オチ、どうする?』
『夢オチならぬ寝オチ?』
『韻も踏んでないし、意味が分からないし、面白くもない。うざい。ボケるならもっと面白くボケて。きもい』
『ぷー(ほんそれ)』
『…スクロールバー見ろよ。まだあるだろ……』
『……』
『……』
『……』
『……』
『ねぇ!報告しなきゃ!』
『そうだった!魔王クラスの人間が侵入してきたって!』
『人間!?人間っておとぎ話の世界の話じゃないの!?』
『バカ!実在する!』
『いや!ダンジョンの壁をあんな壊しといて人間なの!?』
『いや、種族はこの際、どうでもいい!兎に角、一角兎!お願いだ!』
『…ぷ(……しゃーねぇなぁ)』
『マジで!?ありがとぉぉぉ!!!!』
『おい、お前!はしゃぐな!コイツが起きたらどうするんだよ!』
『ゴメンゴメン』
『…ねぇ…………』
『なんだ、ゴースト?』
『兎って……声帯あるの……?』
『ぷ(ある訳ねぇだろ)』
『だよねぇ!!!!!!!!!!!!!』
『じゃあなんでオレたちは分かるんだよ!』
『作者がガキでご都合主義者だからだろ!じゃなきゃ【もう面倒いから行間最大限カットでモブたちで状況説明(笑)】なんてやらねえよ!』
『おい!どうする!』
『……紙とペン!誰かもってないか!?』
『はぁ?そんなのダンジョンにある訳な――…』
【聖女の羽ペン】
【聖女の白い紙】
【聖女のインク(黒)】
『あった…………』
[壁]_-)…今、見ましたね。こっち、見ましたね。……いいねして頂けると光栄です。