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聖女は頭が終わってる〈仮〉  作者: 甘味の苦労詐欺
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第2話 フザけてる?

(ここが……全ての始まり【始まりのダンジョン】――)


聖女の目の前に広がるのは人類と魔族の全ての始まり【始まりのダンジョン】。何億年も前から半永久的に続いてきた魔力の結晶。


(なんか……フザけてる?)


まあな、確かに、確かに、フザけている。看板らしきものには幼い字で【はぢまりのだんじよんえ、よおこそ】と書かれている。


(字が汚いし、誤字も多い。…まあいいや、入り口を探そう。)



【・右に回る】

【・左に回る】


【▶️左に回る】




数分後……




【聖女 は 始め の 場所 に 戻ってきた !】


「ハァ…ハァ……!」



(なんだ…このダンジョン!…魔力が吸い取られる!…………凄い疲れた…少し休もう…)


そう思った瞬間だった。


【・右に回る】

【・左に回る】


疲れて憔悴した聖女に容赦なく【】が出現する。


(そうだった。フザけてるのは【】も同じか。)


【▶右に回る】




数分後…





【聖女 は 始め の 場所 に 戻ってきた !】




「……フゥーーー………フゥーーーー!」




ドオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


聖女の拳が轟音をたててダンジョンに腕ごと突っ込む。


「……」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………


聖女はゆっくり腕を抜いてその場に座り込む。


(フザけてる…!入り口が無いなんて……!ダンジョンの中に入ったらクレーム入れてやる!!!)


聖女は旅人風の鞄から地図と白紙の紙を取り出して羽ペンをそっとインクに付ける。


(このダンジョンを2周したことでおおよその地形は把握した。このダンジョンの地形は歪んだ星形。)


白紙の紙に早くかつ正確に歪んだ星形を描く。……何だか幼児の落書きのようだ。


(そして、この星形に沿って歩くと約8分。よってこの星形の線の長さは約32キロメートル。この地図の縮尺は……)


地図を造ること1分19,443757100862秒



【聖女,作 地図 の 完成 !】


我ながらよく描けている。誇らしげに地図を眺める。


(…入り口…………どこ?)


何だか頭が回らなくなってきた。よし、状況整理だ。


【入り口を探す→無い】


うん、簡潔!

入り口が無い。即ち、造ればよい。


       .

聖女は、そっと穴を見る。聖女はそっと拳を見る。聖女は静かに微笑んだ。


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