#3~ユロイア王国王都~
ガンスさんと共に馬車に乗ってから数時間。
ユロイア王国の王都に到着した。
「ここがユロイア王国の王都か」
「ひびぱい君はユロイアの王都来るの初めてか?」
「はい」
「では少し王都を案内をしてやろう。そうだな...東地区の方に進もう。」
ガンスは少し考える素振りを見せてから、東地区に向かうことを提案してきた。
「えっと...」「ガンスさぁ~ん」
ひびぱいの声にかぶせるように数人の鎧を着た青年達がガンスの名前を呼びながら近づいてきた。
「チッ」
ひびぱいはガンスの方から舌打ちが聞こえ、ガンスの顔を覗いたが青年達に笑顔を向けている。そのことからひびぱいは気のせいだと思うことにした。
「ガンスさんお勤めご苦労様です。」
青年達のうち一人がそう言った。
「ああ。」
「ところでそちらの方は?」
「ひびぱい君だ。彼はラトロー団の一人を倒している。」
「えっ!あのラトローを!?...ということはこれから城へ向かわれるのですね」
青年達は動揺した。ラトロー団は基本的に複数人で行動するからだ。しかし、ガンスさんが一緒いたのなら余裕だっただろうと思い、冷静さを取り戻した。
「...そういうことだ。これから城へ向かい、城でひびぱい君には詳しい話を聞こうと考えるいる。」
ひびぱいはどう説明しようか悩んでいた。自分でもなぜ盗賊に風穴が空いたのか分かっていなかったからだ。
「お忙しいところ申し訳ありませんでした。私どもは仕事に戻ります。」
青年達は去っていった。
「ガンスさんは随分慕われているのですね。」
「ああ。俺はユロイア王国の騎士団長だからな。」
「え~!」
「はっはっは。そうは見えないか?」
「いえ、そんな...」
そんな他愛のない話をしながら城へと足を進めた。
そして...
「着いたぞ」
ひびぱいとガンスは城に到着した。