表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

甘々短編集

溜息の行方

作者: 衣谷強

ゲスい連載を書いていたら突発的に書きたくなった青春短編です。


ドタバタなラブコメをお楽しみください。

「せんぱーい! またフラれましたー!」

「あー、わかったわかった。今度は誰に告ったんだ?」

「サッカー部の本多先輩……」

「また競争率高いところ行ったな。あいつ確かめっちゃモテるけど、『今はチームを全国に連れて行く事しか考えられない』って、告白全部断ってるらしいな」

「……はい、そう言われました……」

「お前さぁ……。とりあえず外見だけで好きになって、告白するのやめないか? もっと相手の事よく知ったりとか、接点を持ったりしてだなぁ……」

「そんな悠長な事してて、他の子に先を越されたらもったいないじゃないですか!」

「ほーう。では聞こう。その戦術での勝率は?」

「……ゼロです……」

「だーかーら! やり方を見直せって言ってんの! 毎回毎回フラれるたんびに俺のところに泣き言言いに来やがって……」

「あ! ご、ごめんなさい! 迷惑でした!?」

「迷惑とかじゃなくて、何て言うか、その……、せめて告白する前に相談に来い! 相手がろくでもない男だったら危ないからな!」

「わかりました!」

「全く……。それにしてもお前立ち直り早くないか?」

「先輩に話すと、フラれた悲しさがふって無くなるんです!」

「俺は回復ポイントか……」

「だからまた好きな人ができたら告白できるんですよ!」

「無謀な告白の理由に俺を絡めるな! 『生き返れるから死んでもいい』理論が許されるのは、フィクションの中だけだ!」

「今後ともよろしくお願いします!」

「よろしくしたくねぇー……」

「そーだ! 先輩がフラれた時は私が相談に乗りますよ!」

「フラれる前提で話するんじゃねぇよ!」

「ごめんなさい! じゃあ好きな人がいたら、相談に乗ります!」

「……お前には相談しない」

「な、何でですか! あ! さては役に立たないとか思ってますね! 心外です!」

「どーせお前のアドバイスは『告白です! 当たって砕けましょう!』くらいだろうしな」

「……そ、そんな事、ありませんし……」

「目ぇ逸らすくらい自覚してんなら改善しろ。ま、元気になったんならいいや。飯食いに行くぞ。どこがいい?」

「おっとくラーメンで!」

「お前あそこ好きだなぁ」

「だって五百円で替玉二個無料ですよ!? 行くしかないじゃないですか!」

「わかったわかった。じゃあ部室閉めて鍵返してくるから、校門のところで合流な」

「はーい!」







「……はぁ……。今日も言えなかった……」

読了ありがとうございます。


さて、最後の溜息はどちらのものでしょうねぇ。


お楽しみいただけましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の溜息、本当にどちらとも取れるのが良いですね! 後輩ちゃんはわざとフラれる確率の高いところに行って、先輩のところに泣き付きに行く理由にしているようにも見えますし、先輩は恋愛相談を出来…
[良い点] ステキ!! 1000文字以内で爽やかニマニマでした♡ ふたりの今後に期待です\(^o^)/
[良い点] 上手い!! どちらともとれる絶妙な展開!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ