Happy Endへの道のり
Happy Endへの道のり
「真の敵は、荒井耕造。僕を虐め抜いて殺した奴が真の黒幕、と言う事実が語っている……はず」
「はず?という疑問形なのは?」
「ザッハーク、貴女が悪の殿堂と自身らをそう僭称している、から結論が悩むのです」
「ああ、なるほど。私達が全員の敵と、つまるところ悪の理想を、殿堂入りを体現しているならば君たちの敵でもある筈だと。確かにそうだが、実はそうではない。思い出して欲しい、君は我らの同胞だったと言うことを」
「そう言えば、そんな事もありましたね」
「なので、元同胞がやり直せる合理的な機会を獲たという事で、これを応援する気持ちで一杯なんだ。その点では同胞を愛しているし、その感情を応援したい気でいるのは間違いがない。その点でも紛らしかった、とも言える」
「なので、この点では既に我らは目的を達している、とも言える。この黒幕の荒井耕造は処理済みだ。だけど、君は自分の手でヤりたいと言い出した。なのでその成果を譲る気が合った、ただソレだけだ」
「まさかの、黒幕有情論だったとわ」
「優しいでしょう?」
「優しいなー棒読み」
「棒読み止めなさいな」
「まあ、実際には感謝してますよ」
真相
「じゃあ、何を持って君を救済するというのか?だね。残る謎というか課題は」
「イリスの渾名は関係がありますか?」
「あるわね、鏖殺ちゃんの方にも関係があるとも言える」
「早紀さん、鏖殺すると言いますが何を鏖殺するんですかね?それをいうと幻想ちゃんこと、イリスも何が幻想なのか?もしかして僕にとっての?」
「待ちなさいよ。君が鏖殺されたり、君の幻想であると言うようなコンテンツではないよ。このクアドラレンマの怪物は」
「何が」
「幻想ちゃんは自身を幻想にする。鏖殺ちゃんは自身を鏖殺する。これはすなわち?」
「クアドラレンマの怪物の頚の名前?とか」
「概ね、その通りです。何故か幻想ちゃんは幻想になったりするし、鏖殺ちゃんは自身の子孫を一匹残らず消してしまうんだよね、何故か。それだからこそ人間の知性に対立する怪物と呼称する存在と言えるかも知れませんね」ザッハーク
「早紀さんは、自身の子孫を殺しちゃう?どうして」幸人
「ならば、それと相対しているイリスが幻想に消えるのは何故なんだろう?」
「簑笠府の名がそれを明らかにしている、何故司っているのがミノカサなのか?」ザッハーク
「天狗の蓑笠だっけ?」
「天の犬、が天狗の語源だが、此処では姿のみがその謎の検討ヒントでもある。烏天狗の姿形から発想するのは何があるかな?」ザッハーク
「烏天狗、所謂有翼の人。いや羽の有る蟲」
「そうだね、鳥のトーテム、太陽に関わる動物のカラス、彼女が日の明かりに弱いというのはその関連性を否定するものではなく、その信仰によるものだからだね。太陽は彼女の命を脅かすのは、此処の太陽が本物ではない、という事によるからですね」
「陽の光に受け入れられないからこその、現実否定で彼女が歴史の虚構として消え去ると?」
「そうだけど、そうじゃない。単純に君とは無関係に歴史を歩めば、私達の庇護を失い、歴史へのアプローチが無くなるからこの世界は存在を許容されないから消える、と言うだけだよ」
「……太陽って一体何なんですか?」
「それは、もう私達には関係のない事になるね。それよりかは」
イリスとの和解
「……仇名、醜聞の事ですね。それを良い意味に取るのは気が引けるというか」
「そういや、そうとも言うね。アダナって確かにそうだよね」渾名とはゴシップの事だ。
「幸人さん、早紀さんではなく、私で本当に良いんですか?」
「いや、君が良いんだ。とは言っても恋愛で君が一番ではなく、計算の上で君が良いんだけど」
「どうしてでしょうか?」
「理由は、特に無いよ。あえて言うなら早紀さんは結局僕からのアプローチ待ちをしながら、僕から手を出させないようにした、と言う矛盾から選ぶと」
「まあ、私からは幸人さんの意見など聞いてない、私の思うがままに振る舞っただけ、とも言えるんですが」
「酷かったよね、初夜とか。自分の命を交渉材料にして死ぬぞ、契れ、ってやつ」
「本当に。生きるためには仕方なかったとは言え、あれが受け入れられるとはどうしても思えなくて。しかも両思いだとバレたら生き残れる目すら消えちゃいますし、本当にどうにかならないか?と思ってましたが、こんな私でも幸人さんは良いと言ってくださるなんて、私には到底思えなくてこれがかなり回り道をしてしまいましたね」
「そうだね、君の含みのある態度が、色々と遠回りさせたよね。もっと早くに腹を割って話すべきだったね」
「幸人さん、この先どんな醜態をさらしたとしても私から目を背けないで下さいね」
「余所見はしないよ」




