個別学習002 (tutorial2)
チュートリアル2
「どうするね、荒井くんが黒幕なのは分かったとしてどうやって彼に勝つ?」
「この世界の神として、その権能で僕をこの世界から放逐した存在に必要な対処、ですか?もう既に終えているのでは?」
「どういう意味かな?」というザッハークは不意を突かれたと言うより我が意を得たり、という様子だ。
「貴女方にとっても、荒井耕造は厄介な敵であるということです」新庄幸人はそのレベルの敵ではないと言った。これはもっと超巨大な勢力が敵に回ると言うことだとごく真っ当な事を言った。
「話が早くて助かる~そうだね、目に見えていたから入った時点で対処したよ、と言っても私の仕事ではなかったですが」大きい方に、と言ってウィンクした。茶目っ気が在るのがザッハークだと理解っていたが言っていることは可愛くない。
「そういえば、直後に何某さんが出てきたような」と幸人は事件の最初の出来事を思い返して、言った。その時から既に人間の範疇でどうにかなるようにされていたのだ。
「とはいえ、荒井君と遭遇時にはどうなっているか、理解らないがね、と理解出来てているカナ?」
「えーと、この世界の規定を一つ破る度に力のスキルの枠が増えていき、同じレベルのものを二度やってもそれはカウントされない、と。つまり倫理だったり法理だったりを破ってもスキル枠マックスには出来ないという事を聞き及んでいます。
ですが荒井はスキル7枠以上。これは重複せずに人の認知できる規定の極小から極大を超えていることを意味します。僕を神として異世界に飛ばそうとした事が出来ることからほぼ間違いないと言える、かも知れませんが」出来ますよねと暗に聞くとイエスとザッハークは言った。合っていたらしい。
「そういう事だね、彼のこの世界の、つまりは2021年以降に居て、そこで規定を全て超えた。故にその権能で以て君を放逐し、知性場というこの世界の物理法則の範囲内で2020年以前の世界を左右する異脳を貼った訳だ。
このまま時間切れを狙えば労せず勝利をもぎ取れるって訳だね」
「厄介な、因果関係のみをもって時系列がそれに従わないってのが厄介だな、そんなの対処できるのか?」嘆息してボヤく幸人。
この歴史の時間が2019年というのは確定として、早くても半年近い長さの時間が距離として横たわっているのは非常に厄介だ。その間ずっと介入できるとなると守勢に回り続けるのは勝てないに等しい。
だが、ザッハークは「其処ではない」と言う。
逆に生温い迂遠な、直接攻撃できない、というのがデメリットという。
デメリットなのでしょうか?と尋ねると「まあ、相手も理解っている、だが理解りすぎているのが君らにも影響している」と言った。
何故か?と問うと「彼が兄妹のために参戦している、と言ったろうが」と言った。そうか、今この期に及んで荒井耕造の弱みである所の彼の兄妹に直接排除する発想はないのだ。




