???(再生シーン2)
「我々が真に理解り会うためには、"時系列を無視して因果関係だけを考慮した上でこの事件の黒幕が誰か?"と云うのを最も重要な前提条件としなければいけない、と主張したいが如何だろうか?新庄幸人君と、簑笠府卿碁君?」佐爾波鏡子はそう言って手を組んでその上に顔を乗せた。
「既に黒幕が全ての計画を詳らか(つまび)にした上で計画目的に到達するように"未来で方法論など準備を終えて決定し過去から工作員が活動している"、そういうことですか?」と新庄幸人は
「話が早い。そう云う前提で話を聞いてくれ給え。流石に佐爾波家の代理とはいえ家長の当主をやっているとはいえ、一から全てを説明しろというのは他の参加者に申し訳ないからね」と佐爾波家と当主かつ、怪物達の繰り手らしきザッハークはニヤニヤと嘲笑いながらも首肯した。
「厄介だな、未来に居ながら黒幕が計画を立てて、其奴に出会うためにこのまま時計の針を進める、未来へ行くとしても、過去へ行っていて其処から計画が始まっては……止めようがない」簑笠府卿碁は呻いた。
「……どうしたものですかね?」佐爾波鏡子は卿碁のぼやきを聞いて、何か反論しようとしたが辞めた。
「これは誰が誰の影響を受けたと言いますが、簡単に除外しても良い人達が居ますよね?」と幸人はそこを指摘した。
「新庄君、どういう事かな?まず誰が排除できると言える?」卿碁は幸人に問うた。
「まず、この事実を開陳した人物は除外して良い、筈です。例えば、佐爾波家の当主とか、その代理人とか」と幸人は説明する。
つまり、これは世界を殺す、終わりの怪物が居るとして、その怪物には頭が複数あるのだ。
さらに全ての怪物の首を切り落としてはいけない。頭がない、ゼロ個の頭の怪物になる。偶数であれば世界を滅ぼすのだ。ゼロも偶数だからだ。
それを考慮して、この怪物が住まう世界そのものを滅ぼしてしまえば良いのだが、何某と呼ばれている怪人物は何故か巧くやればこの世界を見逃してくれるとした。
それならば、世界を残すと何某に決心させた人物が黒幕なのか、それとも何某の意図とは別にやはりこの世界を滅ぼすとした人物が黒幕なのか?ここが理解っていないのである。
世界は、此の世界が、他の世界にとって存在そのものが悪ではない限り、存在の是非を問うこと自体はまず気にしないで良いはずだが。
「おやおや、新庄君はなにか余計なことに気を取られているようだが、そんなのは気にしないで良いよ」
「どうしてですか?」
「私達、ダエーワは存在すること自体が悪なので。そんな輩が滅ぼそうとするならそれには抵抗するのが正しい、として宜しいでしょう。まあ気まぐれに善行を積みますがね」
「今回のこれはその気まぐれではない?」
「ダエーワは、そうでしょう、何時もの通り。そしてアジ・ダハーカ、ザッハークとしても平常運転。何某さん、此の人にとってはどうでしょうか?意図は理解りませんが」
「佐爾波鏡子さんにも理解らない?」
「いえ、今の現状自体が私のリクエスト通りなので、これを辞めろと言われると私が困ってしまいます」
「じゃあ、貴女のリクエストは一体何なんですか?それを教えてもらっても?」と新庄幸人は問うた。
「言えますよ。私は貴方が、新庄幸人と言う新しい首、つまるところは三都首の怪物の新しい頭を望んでいない、と言ったわけです」
……新庄幸人にとっては想定外過ぎて言葉を失ってしまった。




