対戦フォーマット『虚無(BadEnd)』
対戦フォーマット『虚無(BadEnd)』
「困りましたね、正直手詰まりです」僕の相棒である頭がどピンククソ女、簑笠府イリスは珍しく真面目な表情でぼやく。明晰な彼女の頭の中では既に対策を打っているのだろう。
「そこをなんとかならないかな?」そして彼女の契約して主従契約を結んだ、僕こと新庄幸人は彼女と引き離された時に致命的な失敗をやらかした。格好悪いが彼女の思惑から外れないようにしたい。
「あんな事言っていますが、頭の中はスケベでいっぱいですよ」頭の中の仮想イリスは乙女心の発揮した偽装を意に介せず容赦なくネタバレをする。
この妄想イリスは本物のイリスではなく、僕の脳内でのみ活動できるエミュレーターである。僕のエゴの強さを利用した、とイリスが語った(騙った)それはイリスと同じ結論を離れていても出せると言う。
しかし、このイリス、その異能の名前はリリス。名付けたのは僕だが、仕様を切ったのはイリスである。
寄生型の異能は、自身を他者に付与する。その際に相手の異能の保持枠を強制的に1つ専有する。
その際に既に異能が有った場合は入れ替わる形に近い状態で憑依し、乗っ取られた枠に在った異能は物理的距離の近い人物に収まる形で移動する。
荒井幸三の保有する異能置換の上位互換である。
「私、本体と記憶と思考を同期する場合、リリスである私は本体に戻りますがその際に幸人さんとのこの脳内会話で知り得た事を新たな事実として持ち帰れませんので安心して下さい。
最も私も『こういう時は』ってのを話せますが、中には話せないこともあります。勿論、幸人さんに不利益となる、知らない方がいい事になりますね」
「本当に?僕の脳内から知り得ない情報を、イリスが知ることは有り得ない?」
「基本的には……知性場というものがあります。既に私と幸人さんは同じ知性場を共有しています。
そして契約上共闘関係にある、山乃原、沖ノ島君あ、それと梓梢達とも、同じ知性場を展開しつつあります。
なので集合的有意識において厳密な秘密とはは成立しません。これは回避できない問題です」これはイリスが飛び級で大学に進学した時の卒業論文の研究テーマだった。
人間というのは知性を獲得したが、これは人間だけの特権ではない、という理論を扱った仮説である。大雑把にまとめると「知性の高さと、知性体の頭数は基本的に1:1対応する。
だが、知性というのは劇的に増えたりしない。そして知性より頭数が増えるほうが容易い」ということだ。
そうなると人間の知性というのはまるでネット上のクラウドのように知性場として振る舞う。一人あたりの知性は知性場の内部では保存則のように一定量から増えない。
すると知性体は頭を失っているように集団として愚かに振る舞うのだ。
個体一人あたりの著しく知性が下がる。このせいで知性体というのはある程度から知性の高まりは激しく鈍化する、これがイリスの研究における結論だった。
この場合、人間の脳と、知性場の序列が下がるのだ。個人のエゴよりも、集団のエゴが勝る。
このエゴの総量で知性の低い集団が勝利した場合、その知性場での個人は知性場の全体の支配下に配置されると予測される、という俄に信じがたい振る舞いが知性の結論である。
その逆、知性が維持されたまま集団数が減ると、適切な量まで減ると知性場は健全化する。此れこそがDeadEndという逃れられないこの世界の滅びから逃れる、イリスの狙い最後の希望であった。
「なので、十二奥家の権能として伝統的な力を守り続ける保守派、力を増したい改革派。改革派の中でも過激な武断派、そして何もかもぶち壊す虚無派。最悪なのは最後の奴らが今の十二奥家で最も活発だったのがとても痛恨のミスです。私の見通しの甘さが露呈しました……」イリスは嘆くように呟く。
「イリスちゃん……」僕は彼女の悩みの一端に関わっている。力になりたいと思った。何時もははた迷惑なセックス依存症みたいなドスケベど淫乱クソ女だが、彼女に待っているであろう最期は情けに掛けるに値すると思った。
「いやいや、何同情的に解釈しているんですか?私の意図を汲むなら、此処はドギツイ性的虐待レベルのお仕置きですよ。御主人様の非は奴隷が受け持つものです」脳内の淫魔は僕の考えを一笑に付した。
「待てよ、今そんなことしてる場合かよ?一刻も早く、BadEndが敵勢力の思惑通りに討伐された以上、次のDeadEndではイニシアチブを取るためにも、解決策を講じなきゃ、だよ」僕は頑としてそう主張した。だが。
「いえいえ、そうではなく。今の私は幸人様の言う通りにしたいんですが、実際には今の私は身体の秘奥が疼いて、疼いて、考えが何もまとまらない酷い状況です。
それにはまず一発ヌイてスッキリさせる必要性があります。こんな事言うとセクハラおっさん臭いですが、可能であれば私を散々に嬲って上げれば、解決案も直ぐに閃くと思いますよ。さあ、さあ、早くレイプしてあげて下さい」淫魔は無責任に言う。
「えー。イリスはそんな事を望んでいるの?」僕は狼狽する。彼女と再開した時の態度を考えたら彼女は割と真摯にこの自体に臨んでいるのだ。それを踏みにじって良いのか?
「いえ、私はずっと幸人様から契約を結ばれた時から、無理矢理に犯されるみたいなシチュエーションを待ちわびてました。ですが幸人様は基本的に良識的な人ですからそれは叶わない。
そこへ異能としてリリスである私が幸人様と秘密裏に相談できる機会を得られました。ならば、私の願望を正確に把握して可能な範囲で実行してもらえませんか?」
「……具体的にどうやったら良い?思いつかない」僕は白旗を上げた。イリス出会った時は彼女の命を救うためにも時間がなかったので我武者羅に何かをした。だが今ではそんな事はない。向いていないのだ。
「私の服装、一見パンツルックで脱がしにくい格好ですが、よく見るとベルトは緩々にしているだけなので、そのままちょいと引っ張ってベルトを取ったら引き下ろしてしまえば、私が準備万端なのが理解ると思いますよ」
「信じて良いのか?」
「どうぞ。私が悲しむというのは在りえませんよ」とリリスが断言する。
「私は本体と既に最新版に同期済みですので、99%くらい意見は一致してます。幸人さんは優しいので確認を取らないとこういうのは絶対にないでしょうし、かと言ってサプライズエッチはささやかなモノになりそうですし。勿論嫌いではありませんが」淫魔は無垢な微笑みで表情と似つかわしくない事を言う。
「……」
「それで、虚無派が……幸人さんどうしました?」イリスは此方を心配して伺ってくる。
「……」僕はそのまま、彼女のズボンのベルトに手を伸ばすと引っ張って外す。すぐにベルトは外れ、それを掴んで力任せに脱がす。淫魔の言う通りというか此処までして抵抗らしきも、本気ではなさそうだ。
「……」僕は下半身を脱がして驚いたのは彼女が殆ど、隠すものがないくらいの布地の下着を身に着けていたからだ。
「そのまま、無造作に股間に指を差し込んでかき回してあげて下さい。それでもう言い繕ってきた仮面は剥がれますよ」淫魔は容赦なくさらに攻め立てろという。
僕はその布地の少ないショーツの中に手を伸ばし、指を二本、いや三本で彼女の秘処を力任せにかき回す。この面倒くさくて実のところ奥ゆかしいイリスという少女の正体を濃厚な2ヶ月程度で大体理解していた。
切っ掛けが有れば彼女の想定している、していないが最も望む行為を察するまでそれほど難しくない。
「……ッ!ァァァ……」イリスは声が漏れるのを必死に抑えているが、明らかに歓喜に震えた嬌声を隠しきれていない。
「……!……!」僕は此処まで確信できた以上、手加減するほど日和ってないし、甲斐性がないわけではなかった。華奢な彼女の身体が壊れると錯覚しそうなくらいに更に力を加えて、彼女の秘処の天井を叩きつける。
イリスは力尽きた。過呼吸に近い吐息が明らかにそれを物語っていた。ビクビクと痙攣しながらオーガズムに浸っている。
彼女のショーツを完全に脚から引き抜こうとして掴むと、イリスは腰を浮かせてみせた。明らかにこの行為の続きを望んでいる。
僕は股間から性器を取り出し、彼女のスリットに当てる。完全な勃起には至らなかったが精神を集中して血流を海綿体に送り込む。
異能で不自然なサイズまでバンプアップした逸れの硬度が最高に達するまで3秒はかからなかった。
こういうシチュエーションでなければ、お互いが初めての時も勃起するのに苦労した。彼女の事情を、彼女の命がけの覚悟を知るにはその時には時間が足りなかった。
今は、濃密な時間が『お互いが望むモノが噛み合わない』と知るに至っている。でもこうでも無ければ今の危機的状況でのんきにまぐわっている気にはなれないのだ。
リリスの無駄な肉がないが、痩せ過ぎの印象がない程度には柔らかい肢体はよく見ると劣情を催すが、それと同時に気持ちの悪い背徳感も僕は感じていた。
彼女が本当の娼婦であれば良かったのに、と言う気持ちになるくらいには運命が交わりそうにない、淑女、侵しては成らない神聖な領域に見える。
平民の僕には永遠に手が届かない天上の星、それが簑笠府イリスであった。色素のない髪と瞳と肌。しかし、夏に海に行って健康的に焼けた日焼けの跡が「手の届く」家のように思わせる。錯覚だと心が声を上げるが今は無視する。
長大な、極太の虚栄の形をした逸物を、淑女のスリットに無理やり捩じ込む。イリスはそれを拒むことを一切せずに受け入れる。
強張ると挿入が妨げられるので脱力して甲斐甲斐しいイリス。今まで何夜も何度もまぐわっても彼女の胎内の広さに比べて規格外のサイズを、無抵抗で最奥をノックするまで飲み込んだ。
「……」彼女のそれはまだ限界まで解れてないので、2/3も入っていない。だが容赦せずに抽送を開始する。引き抜かれると彼女の内部がめくり上がる。それが彼女が今犯されている証明である。
「ッ!ッ!」引きずり出される己の内臓が生み出す痛みと快楽に、耐えきれずに背筋が反り返る。
「幸人さん、一番奥へ突っ込んだらそのまま限界まで押し付けて、私の内臓が引き出す気持ちで抽送を力の限り速めて上げて下さい」淫魔はそう囁く。
「壊れちゃわない?」僕は今でもイリスが限界ギリギリで耐え忍んでいる様に見えるのだ。
「"壊して下さい"。私が望むのはお腹いっぱいの単品オーダーしてお代わりし放題、ですから」
「壊して下さい、ときたか。苦手というか気が進まないなあ」と言いながらも要求通りに応える。
ずっぷずっちゅ、パンパンパン、と腰を打ち付ける音が響く。
それの激しい突き上げにイリスはもう既に焦点の合ってない目で中空を見るのみ。既に彼女は10回くらいのオーガズムを迎えて、絶頂への時間間隔がどんどん短かくなっている。
遂には完全に失神して、ガックリと完全に力尽きた。僕も体力の、いや射精感の我慢の忍耐でそのまま彼女の最奥で果てた。
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しばらくして目が冷めたイリスはもうそれは顔を真赤にして照れている。今までの二人にこんな荒々しい一夜はなかったのだ。
「大丈夫だった?」
「はい、それはそう!もうなんというかラーメン屋で替え玉炒飯餃子全部頼んだみたいな感じで私大変満足してます!」イリスは満面の笑みで言った。
「今回は参ったよ。なんで君の事をレイプしないきゃいけなかったんだって、謎だよ本当に」
「そこは、私が犯して欲しいって言っても、言葉にしたら合意の上での和姦になっちゃうじゃないですか?私の事をただただ性の捌け口として、自分勝手にただの肉オ○ホとして扱われたかったんですよ」
「なんでそんなことになるの?」
「あの、それはですね」とイリスを少し照れた顔をしながら言った。
「とにかく下半身が疼いて、性欲に頭を支配されてしまっちゃったんですよ!これが痒みのように、自分でどうにかしても解消できないんですよ!よくあるじゃないですか『背中を掻いて』って言ったらそこがドンピシャだったとか。その場合めちゃくちゃ気持ちいいですよね?それと今回も同じです。お陰様で今は脳内がとてもクリアになっています」
「じゃあ、これからの展望とか、相手の出方とか理解ってきたってことでいい?」
「はい!そこは私にお任せを。アクメ中に意識が飛んで衛星軌道上まで飛んでいたんですが、そこで彼らの目論見を見つけられた、と断言しても良いかも知れません」とイリスが服を着ながら言った。
「十二奥家は、おそらく彼らの誰か『虚無派』なのではなく、十二奥家の党首らの連合が『虚無派』、すなわちその知性場に飲み込まれていると考えていいでしょう。だからこそ、それに気づかず地上の知性場を掌握するために、其処から離れた場所で観測を行うはず。敵は衛星軌道上の軌道エレベーターを占拠したはずです」




