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異能生産(Dehumanize)  作者: 赤石学
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この宿命、永久に


この宿命、永久に



簑笠府イリスと、新庄幸人は契約関係の間柄にすぎない、出会って好意が生まれた訳でもない。ある人物の策謀に因る関係である。災厄とも言っても良い。

彼と彼女を結ぶものに、何一つ、あらゆる決まりごと、この世界に於ける7つの規定における正当性はなかった。それもその筈である。


新庄幸人は暴力によって死に、簑笠府イリスは理不尽に消える終わりこそが正しいのであった、だからこそ二人に取って良識というものは打開も進展を何一つ与えない。

佐爾波鏡子さにわ きょうこという名前だけでのみこの世界に在ることを許容された者は、彼らが良識人である以上、この規定コードを護って世界に殉死する、と予測していた。


だが、其処に穿孔が穿たれた、1つ目は倫理規定モラルコード、人々の良識という幻想に因る世界を縛る1つ目の紐。この世界は7つのコードで出来ていて堅牢である。だがそれは解かれた。

2つ目は法理規定(エルツリーコード)であった。人間の歴史に因って最適化の過程のものであるが、この時空の人間には十分に働いている。これを解く度量と信頼が二人を繋ぎ止め、代わりにこの紐を解くことになる。



二人の間にはルールがある。それは、か細い地獄の道連れらが僅かな光を灯しながら前に進む時にそれを犯すと覚悟した事である。

力、もしくは異能アビリティーとは、人の接触により伝播もしくは、移動する。その法則性を、その理不尽さを認めた上で行使していくと、言う事が唯一の決まりごと。


だからこそ、二人の今日の契約延長儀式は簡易型で、正攻法(性交しない)の契約儀式はしないオフ日である。

これは幸人がイリスへの契約と称して、交わることに自発的でなく、義務感のみで、積極的でないからだったからである。

しかし、この関係も長く続き50日を越えようとするとなるくらいにはまた意味合いが変わってきた。

イリスは敏い娘である、故に心理的負担と取り除こうと、あえて淫乱であり、積極的に動いてくれる。だがその本音はどうなのか?という疑問が幸人には生まれてきた。

だが確かめる術がない。なんならイリスは契約儀式を性交と歪めてしまう位、行為自体に忌避感はないのだ。好きな事を自発的にやっていると言われればそれ以上問う必要性がなく、そして彼女の真心隠蔽の態度は、彼女の異能アビリティー精密雁札(Supernote)でなくとも完璧であった。


今までのオフ日はそうでない日とは違って、イリスはまるで性行為をしたいという性欲を微塵と見せない、完全に休日と職務を切り替えている。

このオフ日のイリスが幸人は大変気に入っている。幸人はどうも「自分のものに絶対にならない」という女性に惹かれる嗜好なのではないか?という考えが頸を擡げて来ていた。


新庄幸人は四ノ原早紀が好きであった、だが彼女が親友の婚約者だというのは最初から知っていた。

だが、その後その親友の真行院幹雄が、四ノ原早紀とはどうも実の兄妹らしいと判明してからは彼女への想いというのが薄れていくのを感じていた。

その原因が、幸人に身体を開いたドスケベ淫乱クソ女こと、簑笠府イリス。彼女にも婚約者が居て、それが実父らしい、という因習がこびり着いた呪われた一族の十二奥家じゅうにおくけ憑物つきものなのだろう。


二人の関係は刹那のものであった筈だ、快楽と打算の産物のはず。だが最近はイリスが幸人を見つめる視線に熱を帯びてきている、と思うくらいには二人は交わりを繰り返してきた。イリスも幸人も、お互いが何処を触れば良いのか?まで把握している。

こうなってくると、幸人はやはり「手の届かないものより、手の届く相応のものが良いのだ」と思っていたのだが、今のイリスは完全なオフであり、十二奥家の陰謀の侵攻度の検討など、色気などは全く無い。フラットな関係。

昨日までの情熱的な誘惑を仕掛けてきたイリスこそが虚構ではないか?と思えてきてならない。だが、今のイリスも幸人と彼女が生き残るために真摯に頭を働かせている。

いつものように「脳の90%がスケベに割かれて手が付かないので一発出してから続きを再開しませんか?」と言った彼女とかけ離れている。


頭のおかしい、ドスケベド淫乱淑女、一貫した性への探究心、どんなプレイでも大喜びで腰を振るイリス。

そんな彼女を悪態をつきながらも好意的に見てきた、それを本性と思いつつ在った幸人であったが、たった50日で人の本性など理解できるのか?と不安になってくる。

オフ日にもなんとか言いながら線を踏み越さえせるような誘惑をしてきそうなのがイリスの普段の振る舞いであったが、まるで性欲など解脱して持ち合わせていない今のイリスこそが彼女の本性の様に見える。そうとしか見えない。

こうなると、幸人には疑心暗鬼に駆られるのだ。これを確かめたいが、出来ない。そういう懊悩に苦しまされるのがオフという禁欲日を過ごしてきた。今日は今までとは違う禁欲日になりそうだ。


無警戒なイリスの背後に幸人はそっと回り込み、三重身(アジダハーカ)を発動、幸人と瓜二つの2体の分身体が出現する。そして幸人の本体はイリスの背中を強く押す、というより組み伏せる。

フィジカルを強化した筋力を所持した今の幸人はイリスと初めて出会った時と違い、暴君のように振る舞うことが出来た。

細い運動不足の腕ではなく、筋トレを熟した肉体と同じの強さで、幸人より体重の軽い彼女をたやすくベッドの上でうつ伏せに組み伏せた。


「え?」イリスの真に迫った困惑の声が発せられる。そこに期待の声はない。真に迫った恐怖の色を多く滲ませた物であった。だが辞める理由がない。幸人はずっとイリスの本心を知りたかった。

「……」幸人はそのまま異能アビリティーで作った自身の分身体が彼女の両手を拘束して、彼女の下半身、もっとも深部の股間に手を伸ばし、身につけた下着を剥ぎ取る。


そのショーツには何時ものように滴っていた体液の付着はなく、ほんのわずかの汗が染み込む程度である。

イリスの股間は正直である。彼女は本当に今日は禁欲日だと認識していたことだ。幸人の知りたかった本性がまた一つ分かった。


そのまま、スカートを捲りあげて、股間のスリットに己の逸物を密着させる。それに血液を充填して最硬度、最長度にまで膨張させる。幸人はこんな状況にも関わらず、興奮していた。自分でも嫌になるが己にも雄の本性が合ったのだと言う事を知った。


「いや……、今日は幸人さん、そういう日じゃないって、ダメ」イリスが拒絶の意を表明してしまった。ここは何時も通りに歓喜の声を上げるべきだった。そうすれば冗談で済んだ。

「……」幸人はそこで初めて己の感情を知った。嘘の寛容より、現実の拒否が、本音こそが尊い。イリスの本音が聞きたい。完璧な彼女のブラフ、地獄の道連れまでは信用できる。最悪を避けるためのベターな選択肢が幸人であろう。ただし本心に蓋をして生涯を侍ることなど出来ない、ならば道を違う瞬間をお互いに知っておきたい。


「……!!……!?」イリスの声はもう聞かなくて良いとして完全に塞いだ。こっちを困惑の眼差しで見る眼差しだけでイリスの真意は伝わってくる。混乱と言う瞳。

「……」安堵の息が幸人から漏れる。幸人の逸物は全然ほぐれていない、彼女のとても短い膣を奥底まで蹂躙できていたのだ。


イリスは、幸人の異能アビリティーで延長された男性器を全てギリギリで飲み込めるまで深いのだ。彼女がヤる気であれば貪欲に全てを望んで飲み込めたのだ。

だが今は彼女の何も期待してなかったそれは男性器を1/3をようやく挿入できる程度であった。イリスの下半身の本心も知り得た幸人は本当に嬉しかった。

そのまま、前戯もなく単純な抽送を始める。イリスの両手は引き裂くかのように左右に広げられて、口も、手で塞ぐ代わりに彼女の下着を突っ込まれて、声も出せない。喉の動きから既に非難の言葉を出すのも諦めたかのように呻くだけしか出来ていない。


たとえ、同意を得ない行為だとしても、刺激を与えることで反射反応として、潤滑の為の液が分泌される。ただの粘膜の擦れる音ではなく、水音がどんどん大きくなってくる。

イリスの表情は幸人からは見えないが、それを確かめるのは後で良いと思われた。もう腰を強く固定する左右の手も外した。


するとイリスは自由になる下半身だけで、挿入されたモノから逃げようとして膝で立とうと足を曲げて、中空に浮いていたつま先も布団の上に付く。両手を広げられている以上逃げられないのに、だ。

幸人はそういう行動を嘲笑うように上から押しつぶす角度で打ち込む。

イリスが背中を折れそうなくらいに剃り曲がる。たとえ、本意でなくてももっとも快楽を得られるポイントを正確に、幸人の体重を載せた上で突かれたのだ。


ぐっちょぐっちょっと。水音が、粘度の高い物へと変わっていく。

腰を打ち付ける少年と、それに為す術もなく翻弄される少女。

少女には哀れな構図だが、だがその音が明確に歓喜の声を上げていた。


「~~~~~!!」イリスは本意でない行為で絶頂に達した。悲しいかな、毎日性行為を行っている淫女いんじょならば避けられない結果であった。どれだけ抗議しようとも精確な場所に、十分な刺激を与えられれば、達することは避けられなかった。

「……」幸人はベッドの布団に突っ伏して埋もれた彼女の口から、彼女の下着を取り出して呼吸をスムーズにする。イリスには悪いがこの屈辱的な行為が彼女を傷つけたとしても、幸人には避けられなかったと思ったのだ。普段ならこんな事すらイリスに望まれそうと思ったのだ。



「……ぁぁァ、ああ。はぁ。」イリスが言葉にならないうめき声から、きちんとした意味のあるため息を吐いた。


幸人がどうやってイリスの非難を受け止めるか?と苦悶していたところに、絶頂から失神していたイリスの意識が戻ってきたかのようで彼女から両手が幸人に強い力で絡みついてきた。

罵声、糾弾の声を待っていたが、何時まで経ってもイリスから言葉が出てこない。聞こえるのは呼吸の音だけ。

イリスは普段性行為で喘ぎ声は出さない。何時か疑問に思って聞いてみたら「はしたないから」と一蹴された記憶が幸人にはあった。それに似ていると気づいて幸人はようやく罪悪感でそらしていた視線をイリスに向けた。


「……」イリスの眼差しには何一つネガティブなモノを読み取れなかった。何時もの淫蕩なイリスの目である。

「~~~!!」何故そんな目が出来るのか?と幸人が逆にイリスに眼差しで問うたのだ。


「はしたないので。何時かも言いましたが」イリスは幸人に馬鹿だとでも言いそうな、慈悲深い目で幸人を見返した。

「なんで?」幸人は言葉に出した。ここまで言わせておいて。だが言わずにいられない。


「……そりゃ、もう、その幸人さんには、言えませんので。わたくしが、その、意思から蹂躙されて、どん底まで汚されたいたいタイプの嗜好性を持つなどとと言えないじゃないですか」イリスはぼそぼそと名家の令嬢の名折れだとか、本当に己の性的指向にウンザリするように呟いた。

「……言えばいいのに」幸人は唖然として言った。今までの酷い行為すらも許容できるなんて。そりゃもう本当にど淫乱ドスケベクソ女じゃないか、と思わず言ってしまった。


「もう!!それが嫌なので!!ずっと本当の欲望をひた隠しにしておりましたのに!!何度も言いますがわたくしは確かにドスケベで、ど淫乱で、淫女、淫魔と罵られるのは事実ですので!甘んじてその言葉を飲み込むだけですが!!それを吐き出すのは解釈というか、譲れません。たとえわたくしが!!」

「相手が誰であろうと、組み伏せられて、奥まで捻り込まれたら、達してしまう、そんな股の緩い少女だから?」幸人はイリスの最も恐れる状況を言い当てた。


「……はい、わたくしはずっと思ってました。家の因習を、呪っていても、母と同じく、脆弱に屈してしまうのでは?と。なので幸人さんがわたくしに優しく接してくれて、本当に有り難いのです。そこは本当に感謝しています。

と同時にわたくしのナカに、下腹部なかの疼きもまた事実でした。これがわたくしを苛むのです。わたくしに貞節は誓え無いと言うのは薄々と感じておりましたが、今日ので痛感しました」イリスの眼差しは憔悴している。そしてそれでも悦びに打ち震えていた。

「君は、たとえ命《異の血》を懸けて忠誠を、貞節を主人に掲げても、快楽を貪って自己嫌悪に陥って……」幸人はイリスの本当に恐れる事を察した。本当にイリスは今日はその気ではなかった、それなのに最低な形であっても、だ。相手が契約者以外でも同じ結果になるのだ。


腕を回す相手が、行きずりの相手だろうとも、こうやって抱き合う事後を迎えていたのだと。


「はい、なのでわたくしの腐った売女の性根を証明してくれたのが、アナタ……幸人さん本人で本当に良かった。アナタを守れず死ぬのがわたくしの最期ですが、それすら至れずに死ぬのはもっと嫌でした」彼女の無敵(アイギス)は致死性の全てを無効化する。

恐らくはこの過剰な防衛能力は傷を負うのを恐れるのではなく、彼女の意思が逆らえない非契約者の侵入を物理的に不可能にするのが彼女の本当の意図したところなのだろう。

「まあ、結局は君の望みは、」


「あのわたくし提案が在るのですが、まずはわたくしの魂を救ってくださったアナタに贈答品が在るのですが、どうか受け取ってくれませんか?」

「いや、そんなに重いものではなければ、別に構わないけど」幸人は嫌な予感がした。イリスはチョロい女であり、股座を穿れば相手がどんな男でも構わない女だが間違いなく鈍重な愛の持ち主だ。何しろ幸人を心の底から御主人様と盲信するタイプだ。


「このホテル、一棟。受け取ってくれませんか?」イリスの眼差しが怪しく光る。もう、我慢の限界という風体だ。股をモジモジと擦る仕草が出ている。今までは精神力全てを費やして、発情しないで居たのだろうが、もう全て曝け出して我慢も必要なく相互理解を得られた。彼女は今ので確証に至ったのだ。幸人こそが魂から盲従すべき相手だと。

「いや、待って。タダでもお金がかかるじゃないか?贈答か、寄付か、相続か何かが」と理性でようやく言い訳を出したが、イリスには既に想定内だったようで、すぐにカウンターが打たれた。


「法律を今破ります。法理規定(エルスリーコード)を犯して、わたくしのスキル枠を拡張します。なぁに、わたくしの股座よりかは緩くは有りませんわ」とイリスはチロリと妖艶に唇を舐めた。間違いなく捕食者の目だ。

「スキル枠を拡張して、何をするの?」幸人はそれこそどうするんだ?と言わんばかりである。


異能生産(Dehumanize)の最悪のデメリットの『1日異能アビリティーを作らないと正気を失う』、という幸人さんが負ったリスク。コスト、デメリットをわたくし無敵(アイギス)で踏み倒します。移植成功すればもう煩わしさから逃れられますよ?」イリスはチェックメイトと呟いた。初めて在った時と同じ。あらゆる行為が全て飲むしか無くなっている。間違いなくイリスの仕込みだった。何時からだ?

「移植って、それは君が提唱した、『血と臓物による契約と、力の継承』だよね?男から女への移動を今やるの?でも既に君のその腹の中には既に初夜で契約は結んだよね?」幸人は導き出される結論に恐れおののいて震えながら言った。


「アハッ!幸人さんももう"理解ってますよね?"もう一つ、契約の臓器には、もっと深い所に残ってますよぉ?」甘えたような、幼い子供のような拙いような口ぶり。これも初夜の日のイリスのようだ。

「それはまさか」


「子宮挿入、は無理として、中の中に注ぐくらいはデキそうじゃないですか?」イリスはもう幸人の逸物に跨がろうとしている。そしてズプッっと飲み込み始めた。幸人の先端がプリッとした部分のど真ん中を捉えた。

「あの、これスルリと挿入ったみたいな感触がしたんですが」幸人は震えた。彼女の精神は何者も侵入を許してしまう。それが契約者と成れば今度は肉体が全ての侵入を許してしまう。そういう契約であった。


「申し訳ありません、わたくしの身体が、はしたなくて。それからずっと黙っていたんですが」イリスはニヤリとしながら腰を振って幸人のそれを搾り取るように腰を振り始めた。こうなると時間の問題である。

「痛くないの???」幸人は悲鳴を上げた。


「大丈夫、他の女では激痛に苛まされるでしょうが、わたくしは痛いほうが好みです」とイリスの腰は幸人の肉棒を根本まで咥え込んだ。こうなると完全に奥の奥の臓器まで飲み込んだのだ。

「うわあああ」幸人は心底ヤバい女に捕まったのを確信した。これは最悪、DEAD ENDまでに決着が付くとして、彼女の本性らしく快楽に流された結果はその時考えようという気が満々であると。


奇しくも、幻想ちゃんと鏖殺ちゃんと相性で呼ばれる二人が、その一方が初めての殺人を犯していた頃、もう一方は不殺のまま法理規定エルスリーコードを破っていた。



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