何某さんと幻想ちゃんの世界の終わりについての談義(2009年)
何某さんと幻想ちゃんの世界の終わりについての談義(2009年)
「世界の終わりってそういくつも種類があるものなんですか?」幻想ちゃんと呼ばれる少女は何某と自称する佐爾波の家の者に尋ねた。
「あるね、それは数式で表せる。波動関数とか君の年齢で分かると思えないから、四則演算の範囲で説明しようか?」と何某は言う。
「別に波動関数がわからないわけではないんですが」と幻想ちゃんは負けん気が強い。そう言うところも何某の密かに気に入っている長所であった。
「まあ、そう言わずに。とりあえず等差数列と等比数列は理解るよね?掛け算と足し算、まあ掛け算は足し算をまとめてやる手法だけど、今回はその中間みたいなフィボナッチ数列で人類の築き上げてきた文明ってのを総括してみようか?」
「まずは歴史ってのは人が間違いや発見を見つけてそれを次の世代に託す、と言える。原因が1とする。結果が2とする。その結果が原因となって新しい結果3に結びつく。数式ではこうなる」何某はメモ帳にスラスラと書いていく。
「1+2=3。ここからまた新しい原因と結果になると、2+3=5というわけですね」幻想ちゃんもスラスラと解答して行く。
「フィボナッチ数列は前の項と今の項の和が次の項になるんだけど、それがどんどん増えていくと、等比数列とほぼ同じになっていく。そして等差数列ではなく、等比数列が君達の認識する世界と言える。これが崩れるのが世界の終わりだ。ボクはこれを利用してこの世界を滅ぼす。ではどうなったら世界は終わるかな?」何某はよく出来た教師のように生徒に質問する。
「分かりません」生徒は素直に答えた。
「よろしい、では模範解答を出してみるか。原因が今の結果になり、それが新しい原因となって新しい結果、つまりは未来になる。0+1=1。1+1=2。1+2=3、此処までが今の君の見ている世界だ。此処から世界が終わるとするとどんな数式なるかというと。こうだ。
1:0,1,1,2,3,5,8……これをNever Endとする。
2:0,1,1,2,3,4,5,6……この場合は因果と結果が結びつかない、世界は原因が在って結果が在るにも関わらず、不毛に死体にが積み上げられていくって感じだ、これがBad End。
3:0,1,1,2,3 ……この場合は未来には先がない、出力されない。Dead Endってやつだ。
4:0,1,1,2,3,5,0,1,1,2,3,5,0,1,1……この場合は何度も同じ過ちと成功を歴史の再生産する。|History End《歴史的終焉》って奴だ。あらゆる過去のログが意味を成さず、再発明を繰り返して誰も気づかない終わり。
5:0,1,1,2,3,5,11、16,27,34、55……歴史に新しい風を吹き込んだが、それが後の歴史に痕跡を残さない。記録が意味を成さないのは同じだが、問題は何も起こったという記録が残らない。これは将来十二奥家が暗躍した結果がそうなると言える。
滅びは必定と言える」
「最後の終わりはなんというんですか?」幻想ちゃんは尋ねてみた。嫌な予感がしたからだ。
「これを夢オチと言いうね。もっとも君にとっては夢オチだが、他の人間にとってはHappyEndといえる。幸せな最期だがね」と何某はこんな結論に堕落してくれるなよ、言わんばかりに言った。
「世界を滅ぼしたいのですか?どうしても」幻想ちゃんは不安である。
「正直言うと、どうでもいい。だが、挑戦者が現れた。ボクらダエーワは挑戦を受けるのが営業方針でね。そこは期待しているよ、君と鏖殺少女ちゃんにね」と何某はにやりと言った。




