血と臓物1
血と臓物1
二人の男女は制限速度を無視した車両に乗っている。運転手は黒い服に身を包んだ金持ちに雇われてそうな運転手であるのに対して、男女の方はまるで普通のカップルのような服装、明らかに同乗してる組み合わせとしてはこれらは異様な組み合わせに見えた。だが、運転手は慇懃に乗客に答えた。
「市外までもう少し掛かります、そこからは主の手引で空路となります。本来は市内から逃亡するのにもヘリを使いたかったのですが叶いませんでした」運転手は心から申し訳無さそうに言った。
「いや、助かる。ただそこからは俺だけが市外に出る。此奴は市内に残る事になっている。その後も陸路は頼む」男は運転手にそう答えた。
「はぁ、なんで私だけ残らなきゃいけないの……やんになっちゃう」女の方は態度が悪い。その出で立ちに相応しい言動である。
「黙れ、分家の小娘。十二奥家の末席とは言え、力を得た者だ。その力には相応の責務が発生している。つまり……」
「わぁーってる!けどさ、私の異能が使い方に因っては"やり返せる"ってのが有り得るじゃん。そうなったら私はどうなるわけ?」女は捲し立てて心境を述べた。先程の異能窃盗事件の首謀者の女だが、それだけに自身の異能が巻き起こしかねない事態に恐れている。一族の悲願である使命を果たそうにも自身がそれを妨げないとはいえないのだ。
「その為にお前にはそれを止める異能を既に与えている。計画は揺るがん。全うせよ、とのあのお方よりのお達しだ」男は無表情で厳命する。
「あんたいつの間に!?」女は驚愕する。少しばかりは情に訴えるのも、論理も通じると思ったであろう。思惑が外れたという感じである。
「あのお方には既に北の極点を"返還した"、我らの役割は既に終わっている。ならば出来るのは逃げ応じることだけよ」
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二人の男女が車で逃げ果せている間、市内に侵入しようとしている別の男女が居た。
「うむ、この様な山歩きも悪くないものよ、愛ちゃんはどうか?」と尊大な少女が同伴する男性に問うた。
「俺も嫌いじゃない、しかし今頃賊として追われる二人に気を取られて、真逆、侵入しようとしている側に本命が居るとは思わないだろうな」愛と呼ばれた少年が少女に負けないくらいに堂々と悪巧みの真相を宣った。
「そこが、此度の勘所よ。彼奴らは所詮は力を得て半年も経たぬ若輩共、壱阡五百年ものあいだ、政での暗闘を繰り返した、我の掌よ」少女はニヤリと笑いながら悪びれもせずに言った。
「真行院は、俺らと同じ十二奥家だと思うけどね」幹雄と同じく、十二奥家の伽藍堂家の愛は若輩扱いされる彼を全く知らぬ間柄ではなく、プライベートでは有効的なやり取りもあった友人である。なので彼の健闘ぶりを嘲笑う気にはな成らなかったのだ。
「仕方あるまいよ、彼奴は、真行院家は、分家の四ノ原、そして簑笠府と共謀し、十二奥家の深奥を独占しようとした。これはその報いよ、案ずるな愛ちゃん。我が不動天家は力の責務を負う者には寛容である。改心の機会を設けないとは言わない」不動天家の息女の涙はその心配は要らぬと言った。
「本当ならキャンプ場でビバークしたかったんだけどね、そこには監視カメラとか在りそうなんだよなあ、と言う訳で住心地は悪いけど我慢してね、涙ちゃん」愛はそう言って適当な場所でテントを張り始めた。一応念のために上空からの監視を想定して、迷彩を施したものである。
「ああ、簑笠府のイリスとやらも今、主人と同じ寝床に入り浸っていると聞くぞ愛ちゃんよ、その点は我も期待して良いか?」涙はその意味する所を正確に把握して無さそうな無邪気な顔でテント設営が終わるのを待っている。
「んー。あっちは主従関係が逆らしいし、意味分かってないでしょ、涙ちゃん」と肉体労働担当の愛はボヤきながらも健気に設営を進めていく。愛は簑笠府の家とも交友があった。
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一方その頃、簑笠府家の所有するホテルの最上階では、男女が不健全な行為に勤しんでいた。今後は野外露出は自粛するとして、屋内では日常通りにするべき、さも当然という主張の論陣を張ったイリスに根負けした新庄幸人が契約延長の儀式を執り行うとしたのだ。早い話が性交である。
「十二奥家ってのはなぜ戦争をしたいのさ?人が死ぬし、国も存亡の機器では?」疲れた幸人が仰向けになって横になると、その上からイリスが覆い被さるように巧技を尽くした口技を中断して、代わりに手で行いながら説明をする。
「まあ、それは確かにそうなんですけど、戦争にはハッキリとした効能があります。他の外交手段では不可能な謀が可能になります」イリスは喋る内容と実際の行動が全く一致していない。目は爛々として幸人の逸物を注視している。再び硬化するのを大喜びで眺めているのだ、ここから自身の乳房を、その突起部分で押し付けるような動きを始めた。
破瓜してから一月も経たずにこの動きを身に付けうる淑女は居るのだろうか?と幸人不安に駆られた。
「具体的には」もう既に幸人は喋れなくなっていた。イリスの小ぶりな臀部が顔に押し付けられてきたのだ。もう見えないが股間がどの様に弄ばれているのか?がもう分からない。この辺の習熟度はイリスは抜きん出ている、本当にイリスの思考回路が股間に有るかも知れないという妄想を信じさせそうな気持ちよさである。
「間引きです」イリスは話す内容を邪魔することもなく口技以外でひたすら愛撫を尽くしている、その手練手管の豊富さは一体何処から習得しうるのか?幸人にはこの気持ちよさの意味がもう分からない。かろうじて聞き取れた感じでそっちに意識が全部割かれそうである。
「相対的ゾンビ現象については、既に説明したと思われますが」イリスは決して焦らさない、だが暴発させることも絶対にない。手を緩めず、かと言って外で果てさせることもない。口内か、胎内か?それしか二人には選択肢はない。
(相対的ゾンビ効果とは、一定の空間内に知性単位量が増えすぎると、空間範囲中に存在する頭の数と知性単位数が一致しなくなり、頭が良くなることと悪くなることが同じ現象とされる。これを極大化した物。これを『怪物』と称する世界俯瞰者は居ることくらいしか理解ってない)
「ええ、その通りです。グレート・ウォー以来、相対的ゾンビ現象を未然に防ぐ為の剪定は難しくなっていきました、そして国家を超えて権力を振るっていた十二奥家も、最初で最後の世界大戦で当主を失い、力を亡くして没落。特に不動天家以外の奥家は形骸化、その後も人の命を重んじる方向性を止めることは出来なくなっていきました。
特にここ数十年の識者人類に因る人倫活動は発展していき、それも既に相対的ゾンビ現象に乗っ取られて、今現在まで続いています」イリスの言う通り、幸人も人の命は尊いと、女性の社会進出は当然、子供に危害を与えてはいけないと教育を受けてきて、そこに疑問を感じた事は今まで無かった。だが、知性量と矛盾するような低知性化を見たことがないか?というと嘘になる。
(だが、実際にこの世界では戦争は二度目が起きていない)幸人はイリスとの認識齟齬を知った直後に、携帯で即座にインターネットで検索をかけた。第二次世界大戦、もしくは太平洋戦争と。
実際にはそんな物は存在しなかったのだ。数少ないそれらのワードは、近い将来起こりうる有事としての"2回目"の大戦としての架空の存在でしか無かったのだ。
だが証拠はあった。新庄幸人の持っている携帯のストレージにのみに存在する、電子書籍の百科事典、作家志望の高校生としては持っていなければいけない資料には確かに"過去の第二次世界大戦"はハッキリと存在したのだ。スマホアプリの限定キャラの受け取りをして以来、怒涛の展開でSNSなどは行っておらず、ここにいたるまで致命的な齟齬に気づかなかったのだ。
だがそのお陰で彼の端末は今後電子書籍の購入が憚れることとなった。既にストレージがギリギリなのである、と言ったらイリスはじゃあ私のこづかいで新しい端末を買いましょう!となってしまった。幸人は何でも買い与えてくれるこの束の間の恋人に何もかも敵わないのである。
今の幸人はイリスの完全なヒモ男である。幸人に求められるのはただただこの逸物、ではなく異能の所有者としての立場の維持のみ。それ以外がイリスが全部賄うとなった。
荒事も、頭脳労働も要求されず、イリスには侍従の梓梢が居るし、イリス本人の知性と知識も大変高いのだ。これは男の沽券にかかわると言いたかった。実際に言ったらこう(ひたすら上位者のイリスに徹底的に奉仕される幸人に)なってしまった。
幸人自身の虚栄心と見栄から、「13cmの標準サイズで十分である」というイリスの本心を無視してプラス10cmの延長と幅をほぼ2倍にしてしまった結果が"これ"である。
我慢のできる淑女は壊れていなくなったのだ。否、元々遠回しに性器のパンプアップを促されていたが、それを却下してもイリスには十分だったろう。(だがイリスの乳房のサイズアップは断固として拒否した、ささやかなりに膨れた自然な乳房こそ正義であるのだ)
しかし、不貞を働かずに巨珍を堪能できるとしたら、淑女のフリした、本性がドスケベのド淫乱淫婦のイリスに与えたら彼女はどうなってしまうのか?それこそ想像できた筈なのにやってしまった。
そして、それをなかったコトにするのも出来ないでいる。幸人の虚栄心も見栄も、今のチートで得た逸物に縋り付く美しい淑女のイリスの痴態で満たされてしまっている。もうこれで良いんじゃないかな?と流されてしまっている。
「役割の亡くなった、十二奥家はグレート・ウォー後、どうやって凌いできたの?」幸人はともかく(股間に全部意識が割かれて)低くなった己の知能でもっとも気になった疑問をぶつけてみた。
「とりあえず、力の継承を続けて、十二奥家の権力の源泉である力の復活を100年待ちました」イリスは騎乗位で幸人の顔を見つめながら23cmもある逸物を全て胎内に飲み込んだ。淑女であるはずのイリスの足は限界まで開脚されており、己の胎内の奥底でほぼ全ての自身の自重を受け止めているのは間違いがない。イリスの貪欲な懐は1mm足りとも逃さずないと無言でありながら雄弁に訴えている。
「継承って?」幸人は自身の逸物を包み込んでいるイリスの胎内が限界以上に伸びているのを圧力で感じ取っている。苦しくないのか?と疑問を感じるがイリスの表情に苦しさは一切ない、遂に遂げた本懐に酔っている相貌に見える。
「力を得た人物の血筋との、婚姻による子孫から継承者が出る、と信じてそれを繰り返しました。それこそ絶えず行われてきた過去の実績が有りましたし」イリスは"ヒントです"と言いたげな表情で前後に腰を振る。幸人の根本に陰核が押し付けられる。信じられない所業である。全部飲み込んだだけでも彼女の胎内が大変な事になっていそうであるが、ここで更に快楽を求める為に敏感な先端を触れさせるとは。
「近親婚、か」幸人は悍ましい実態に萎えそうになると思われたがその予想とは反して更に熱り立ち、彼女の胎内を擦るのに適した残酷な形になるのであった。その形状変化に逆らえない彼女の胎内が限界を超えて歪む。そうしてイリスの表情が初めて崩れ始めた。
「は、はひ。そ、う。私の婚約者も、き、近親の叔父、父の弟、なの、で、幸人さぁんとの、関係はまさに一石二鳥、のハァ、形なのぉぉ」イリスも流石に胎内で更に膨張し、反り上がったソレには耐えきれなかったのか、息絶え絶えに返答する。つまり今までのは全部ブラフ。やはりと言うか彼女も、年相応の少女であったのだ。そこに安心した幸人は彼女を貪るのに躊躇が無くなった。安心して彼女を虐め抜くのに開かれた足を閉じさせて下から突き上げた。
「それで力は復活したの?」幸人はイリスの両足を抱きながら下から加減せず全力で抽送を行っている。コリッとした突起が反り曲がった亀頭の先端で押しつぶす感じで大きく揺するとイリスもガクガクと震えながら面白いように繕った表情が崩れて行く。
「するわ、けありま、せん。が、それでも信じるに足る根拠はあ、あ、あ、あ、ああ、あ、あ、あ(りましたので)」イリスはもう喋れない。口の端から透明な唾液が垂れる。もう名家の息女の仮面も被れない、ただの少女が串刺しにされているのが現実であった。
幸人の上で突き上げられ跳ね上がるイリスの性器は、規格外の逸物が引き出される際に裏返るように先端に僅かにめくれて出て来るのから限界まで広がっている証左であった。そして打ち込まれる度に内側へと再び仕舞われていくのが最高にエロティックである。
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「根拠って何?」幸人はイリスとの初夜を思い出していた。その時はイリスは破瓜の痛みと契約の性交と成立で悦びの表情と赤いのと白いのとでぐちゃぐちゃに濡れた股間を晒していて大変にエロティックだった。今夜はそれに近い状況である。イリスの股間は彼女の愛液、膣内射精された体液とが混ざり合ったモノがドロドロと次々と外に漏れ出てくる状態で陶酔状態で、かろうじて呼吸しているだけである。常にイリスにリードされている幸人としては珍しい状況なのは間違いがない。
「……能力の継承は、実際に近親との婚姻の方が、多かったんでしょう」イリスは普段の理性的な声で答えた、だが彼女が忘我しているのは彼女の視線が虚空を見ていることから間違いがなかった。
「じゃあ、やっぱり法則性が有るんじゃない?遺伝子によって異能の発現がなされているんだよきっと」幸人はイリスの痴態を眺めながら尋ねた。それではやはりイリスの婚約者の叔父との婚姻を、簑笠府家は求めるのでは?と心配になったのだ。
「遺伝子は無関係です、幸人さんが十二奥家に連なる血筋でないのは調査済みです。つまり幸人さんは一度消えた力がリポップしてきた、それだけだと考えるのが合理的かと」フラフラと起き上がろうとするが腰が抜けたようでそのまま突っ伏した。その間も股間からは絶え間なく溢れ出る体液が、彼女の知性と矛盾していて大変にイヤラシイ風景である。
「しかし、力の継承はやはり遺伝としか思えないでは?それに家系図が全てとは言えないし」実際に幸人とイリスは、不倫に近い関係で、このままでは幸人の子供を托卵したイリスが叔父と結婚しそうであるのだ。家系図とは社会的な親子関係でしか無いと思われた。何処かに抜け道が在ると考えるのが自然であろう。
「ヒントは言いました。男性から女性へと注がれるもの、母親から赤子へと注がれるもの、遺伝子ほど精密ではないもの、です。いえある意味精密ではありますが」イリスは口から垂れている涎に今ようやく気づいて手で吹いた。彼女は淑女たろうと振る舞おうとする傾向がある。
だからこそ、彼女のそのペルソナを剥がすのが幸人にとっては大変にそそるのだ。だがこれはまだイリスには言わないでおこうと思うのだ。実際に涎上の口のどころではなく、下の口からは今もなお止まらない漏出には気づいていないのだ。そこが彼女の限界でこれが可愛いと想うのだ。これを僕が言ったらイリスが絶対に図に乗ると幸人には思われた。
「ちょっと分からない」幸人は頭をひねるふりをする。答えは目の前に有るのだが、拭き取られては面白くないのだ、このギャップが未だなお幸人が奮起するイリスの魅力である。
「大ヒントです、十二奥家の力は妻の女性からは夫の男性には継承されません。されたケースは一切ありませんでした」イリスから拭われた涎の跡が無くなり、普段の知性的な彼女が戻ってきた、だがそれは上半身だけである。下半身はまだ腰が抜けているので目が届いていない。ようやく全ての白濁液が排出されたのか、もう新しく漏れ出ることはなくなった。
「血液かな?でもそれだと夫から妻へは流れないしなあ」幸人はようやく脳みそに血が回ってきた。
「夫から妻、母から子へは厳密には違うものを媒介として力が継承されます。もうこれ答えかな?」イリスはニヤニヤと頬杖を付いて幸人を眺めるが、まだ彼女の腰が抜けているのから回復していないのはバレバレである。
「いいから。もう答えを言ってよ」幸人は降参という風にお手上げだ、とジェスチャーした。彼女の死角からイリスから買って貰った新しい端末で撮影していたのを最後まで悟られなかったので実質勝ちである、というのが幸人の自尊心の落としどころである。こんな問答でイリスに幸人が勝てるわけがないのだ。
「答えは臓器。そしてそこに流れ込む体液です。継承は人間の重要臓器と、貴人からの体液で行われます。故に上下関係を創らないと力は下に流れません、夫は妻より偉く、親は子供よりも高位なのが十二奥家の仕来たりなのです」イリスは上半身を起こしてようやくウェットティッシュで股間を拭けるようになったので起き上がり、ネグリジェに手を伸ばして羽織った。
「そうか!そういう位置エネルギー?みたいなのが異能には適用されてたのか!だからこそ君は僕との性交に拘ったし、契約もセックスを抜きにして語れない!それは行為が高位を形作るからか!」幸人は全ての答えが導き出せと言わんばかりであったが。
「いえ?セックスは私の趣味嗜好です。別に子宮でなくても、喉、つまり声ですね。これでも契約は結べますね」イリスは何を言っているんだ?と言わんばかりに言った。
「大体、スキル枠が私はもう2枠埋まっているので、幸人さんの異能が私に流れたりはしませんよ?」イリスは事実で持って幸人のひらめきを叩き切った。完全なる止めである。慈悲はない。
幸人はイリスが、その好意に、行為に知性が伴っていると信じていたが、やはりというか、彼女がやはり残念なド淫乱美少女という事実は揺るがなかった。




