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異能生産(Dehumanize)  作者: 赤石学
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簑笠府イリスという幻想少女4

「新庄幸人、さま。今日の本来のお話をしたいのですが」イリスの声には明らかに高湿度のものであった。

「イリスさん、近いのでは?」新庄は自身が距離を誤ってしまったと気づいた。


異能アビリティーの件です。四ノ原さんの話では私を救うことが出来ると聞きました。そしてそれが今それは信頼の置けると、確信できると判断いたしました。"あり得ない奇跡"のお話。それは異能アビリティーだけではないのですね?」イリスはもはや唇が幸人の頬か、首に触れそうな距離に居る。

「近すぎませんか?」幸人は辛うじて同じことを繰り返した。


「いえ、私達には時間が少なすぎる。お互いの誠意を見せなければこの商談はまとまりません、そして私は誠意を欠いてしまっています、どうかお許しを」イリスは唇の距離をさらに近づけてもう口づけを交わしても可笑しくない距離まで詰めて、シャツのボタンを外しいく。

「誠意ってなんでしょうか?」


「会って間もない私に重要な機密を開陳させてもらってしまいました、貴方の慈悲に比べわたくしは浅ましい事この上ない、慙愧に堪えません」イリスは上着を脱いで上半身は下着のみになった、がそれでも止まらず指はスカートに伸びていた。

「慈悲って何?」新庄は悲鳴を上げそうになる。童貞にこの展開は辛い、だが小ぶりながら形の良い乳房が透けて見えて、いや隠せてないどころか、これは乳房の突起を隠すどころかこの下着は用を足していない、否、"そう言う目的"であれば機能は十全に発揮している。

背面からは下着を着けている様に見えるが、正面からは隆起した突起を隠さず曝け出す様にスリットが入っている。


イリスの病的なまでに白く美しい肌は、赤く紅潮しており、彼女自身も昂奮しているのか、いまや彼女の美しいフォルムの乳房の先端の突起は完全に勃っている。


「私が貴方の慈悲に代価として差し出せるのは私自身、しかありません。ですがそれほど安くないという自負も在ります」

「ちょっと待って!確かに四ノ原さんのお願いで君に、日常的に昼間にも出れるような異能アビリティーを与えるのは決定事項だよ!そこまでして貰う理由がない!」


イリスは「幹雄くんのタイプだったか」と思ったがもう後には引けない。こちらの手札はまだエースを切っていない、しかもまだ鬼札のジョーカーも有るのである。

イリスはスカートのホックを外し、それを脱げ捨てた。ガーターベルトと、黒のショーツ、こちらは紐を結ぶタイプで解いたらもう秘処は隠すことが出来ない。


「色仕掛けなんて辞めてください!」

「何故ですか?私は命が掛かっています。それが叶う。そうであるならば勝負手を引き込んでいるのです、チップを賭けていくしかありません」イリスは遂にガーターベルトと、乳房の突起を隠せてないブラを身につけるのみである。


「それが、身体ですか?」新庄は言った。

「はい、私にはそれしかありません。そして私は施しを甘んじて受ける気はありません、対価を差し出さなければ堕落していきます。そんな私は貴方のそばに居ることが相応しく無いので。四ノ原早紀の知人、以上、その価値が在ります、それを示せます、いずれそれが貴方を多岐に渡って助ける事も可能です。

貴方の権能で私の幻想を叶えてくれるのであれば、わたくしの全能力で、全てを使ってでも対価を支払わせてもらいます」


「何も、そこまでしなくても、他の手段は無いんですか?」

「そういうと思って用意してあります、これは恋人関係の締結の成功同意書です」イリスは予め用意していた書類を新庄に差し出した。


-----------------------------------------------------------------------------------

甲:簑笠府イリス

乙:


乙が主で、甲は従者。

乙の異能生産(Dehumanize)とそれを委託する甲との間で、主従契約を締結します。数え年で16歳を迎えた者に適応されます。

この契約は甲と乙との恋人契約を保証するものであり、両者はこの内容を遡及して反故にしないと保証するものである。


第1条

(契約期間)

契約期間は1日です。契約は基本毎日更新されます。


(契約の延長と、遅延について)

更新を怠った場合、乙は甲に対して日数分だけの与える罰則が増えます。これは甲の落ち度であり、乙の負担は増加しない。

甲の異能アビリティーにそれを含む権能を以て、乙の異能生産(Dehumanize)を実行します。

乙はその義務があり、甲には契約の延長に対する拒否権はない。

乙は必ず怒ること、甲の非を突くこと。それを実行することとする。


(契約の解除)

甲の死を以て契約の解除とする。

乙は契約期間中であっても相手方が契約履行困難であると認めた時は本契約を解除することができる


(契約の更新)

契約更新は正規を手段として行う。

これを甲と乙がお互いに口頭外において契約内容を再確認し、内容に触れること。


第2条

(契約条件の変更)

主従関係の進展、停止により条件は変更されます。

甲は要らないと乙が判断した場合、乙は甲の確証を知ることが可能で、それを偽ることは出来ないものとする。

その場合、明朝までに進めることとする。


第3条

(報酬等、支払い方法)

本件に関する報酬は、乙からの甲への星章によって支払われる。

賜杯に最低必要な量は標準的な星章とする。

甲は賜杯は受けたら至急でなくとも、正規でなくとも活躍中に与えて、それをあてがうものとする。


第4条

(秘密保持)

不定期に乙は甲の、不逞の証拠を出すことを指示出来、甲は偽りなく述べなくてはいけない。乙の不逞を甲は咎められないとする。


第5条

(世界の遵守)

この契約は世界を遵守する前提のもとのものとする


-----------------------------------------------------------------------------------


「新庄君が、純粋な親切で施しする人物と言うのは分かります、ですがそれは叶いません」イリスは断言した。

「どうしてそう思うのさ」


「貴方達の事情は察しております。悪党に異能生産(Dehumanize)を行いたくない、ですが一日に一回、強力な異能アビリティー、人を害する強さのものを作らないと貴方の身に危険が及ぶとも聞き及んでます」

「たしかにそのとおりだね」


「……そしてそれは24:00を越えて日付の変更が来たらノルマ未達成となり、それこそ今の状況は危機なのではないでしょうか?」イリスは新庄の痛いところを着いた。そうノルマ更新日は日付の変更と同じである。

「それはそうだが……あ!!」そこで新庄は自身の危機に初めて気がついたのである。


日付変更までにはもう残り30分を切っているのである。これが異能生産(Dehumanize)の弱点であるノルマ未達成の刻限を過ぎたら、新庄幸人は棒立ちすることすら叶わなくなるのだ。

オタ話があまりに盛り上がりすぎたせいで、ここへ来て夜更けまで話が長引いたので時間間隔が失われていた。


わたくしの、提案は比較的まともであると今では保証します、ですがそれを信用されず後送りにすればどうなります?」イリスはまずはジャブを出した。

「詐欺の常套手段、判断の時間を削って、俺に間違えさせる。という脅し」新庄はイリスの狙いを察した。


「ええ、この同意書は貴方を守る為でも在ります。勿論私のことも含んで、です。時間が10分経てばこれを私に一方的なモノに差し替えます」

「まあ、確かにこの契約にはそういう意図は受け取れるかな、ドア・イン・ザ・フェイスでもないどころか、」と新庄は言ったが契約書の半分は頭に入っていない。


「この同意書はどういった意図で?」新庄は異能アビリティーをイリスに渡すだけでいいと思っていた。

「四ノ原さんに聞きました、異能アビリティーは『殺す』事には易く、『防御』には向いていないと、例えば『殺す』に対して『蘇生』は成功していない、どうですか?」


イリスは、恐らく信じていなかっただろうに、新庄の異能アビリティーに関して詳細な事を聴き逃すことなく、そして正確に理解していた。

与太話を、仮定として現実にあり得るならば、と考える知性を感じさせる。だからこそ、この彼女の痴態はロジカルな裏付けに因って行っているものだろう。

そうであるならば、彼女の決心を突っぱねることは弁舌において不可能と思われた。


わたくしの腹案があります、その『防御』の能力を実現させるそれを」イリスは紅潮な頬のまま、知性のを感じる、深い青色。しかし、新庄幸人への追い打ちに手抜きをする気はなく、彼女のショーツの横の結び目に指をかけた。


「わかった、君の要求を聞こう。だけど君の腹案を聞かせてくれ」新庄幸人は勃起した下半身を隠すようにそれだけを言えた。

イリスはショーツの結び目をほどいて、股間が露わに為らないように指で抑えている。恐らく背中側ではイリスの形の良いヒップは隠す布地も一切なく、不浄の穴、いやイリスのモノであれば汚いという印象は発想しにくかったそれを露出させているだろうと思われた。イリスの背後の窓ガラスには薄っすらと肉付きの少ない割れ目が丸見えだったのだ。


イリスはそれを聞いて微笑んだ。しかし、その痴態をおさめる気はないらしい。もう一つの結び目も解こう(ほどこう)としている。


異能アビリティーが、害することに特化しているなら、『防御』の異能アビリティーに害するモノも含めてしまえば実現します。ですのでわたくしに必要な日光克服の異能アビリティーは貴方の想定しているものでは叶わないかと思われました」イリスはそのままショーツの最後の結び目も解いた、がこれも指で抑えている。返答次第でで彼女は全裸よりもイヤラシイ格好になるだろうと思われる。

「これが、その契約書?」


「はい、恋人とは裏腹にこれは主従関係を強いるものです。第4条、これはわたくしにはプライバシーは無くなり、貴方の横暴にも逆らうな、とあります。これなら間違いなく攻撃として異能アビリティーを与えることになります」

「なるほど、俺を守る為に、という名目で必要な『防御』を与えられるのか?これなら成功するかもしれない」そう言ってイリスを幸人は見た。


イリスは先程の知性の感じさせる瞳とうって変わって、間違いなくこの痴態を愉しんでそうな目つきである。


「では、この契約で可能な限り強力な『防御』の異能アビリティーをお渡し下さいますか?」イリスは両手の指に掛ける力を抜きながら言った。否と言えばどうなることやら。


新庄幸人はイリスの持ち出した契約書の【乙:】の横に自分の署名を標した。これで契約書には簑笠府さりゅうふイリスと新庄幸人との関係を証明するものとなった。


「どうぞ」新庄幸人は詰んでいた。負けました、という意味でイリスの提案した内容の『防御』の異能アビリティーを作成し与えた。


満足そうな笑顔でイリスは幸人の頸に飛びついてきたのだ。ズルい。イリスは当初から断っても、賛成しても隠す気はなかったのである。

24:00まで後、15分という所で、窮地をしのいだと幸人には思われた。


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