HappyEnd
簑笠府イリスは落ち着かないように、かいぐりかいぐりと、自身の胸の前で手をグリグリと回すように動かして新庄幸人の言葉を待っている。
「あ、あの何でしょうか?」とイリスは問う。この雰囲気が彼女の本性という感じで、普段の蠱惑的な振る舞いが偽りの物だと明かすような物である。
「イリスは早紀さんが僕を好きだという。それ自体は嬉しいけど、複雑では有る。何故なら僕は君のほうが良いと思うんだ」
「……そこなんですよね、どうして?貴方の好きな人が貴方を好きなのですよ?」
「そうなんだろうか?好きだと思って自分からアプローチする必要がないと切って捨てれるのは本当に好きなんだろうか?って疑問に思うんだ」
「それはそうなんですがそれを言うなら私のアプローチが正しいというのも言い難いのですが」イリスの逆レイプじみた自身の身を交渉に恐喝じみた物もまた問題があるのでは?と当然の主張であった。
「そこは、チャレンジ精神があるってことで罪には問わないよ。気にしないでいいよ」
「本当に?」生きるためとは言え、罪悪感を抱いていたイリスには幸人の取れる最高の歩み寄りであった。
「まさか、まさか。早紀の奴ってばそんな甘えを、というか相思相愛にも関わらず、アプローチ相手任せ?それって勝てるヌルゲーをわざわざ自ら捨てて負ける?まさかまさか」
「いや、女性ってそういうものじゃないの?男からのアプローチを重要視して、自分から動かない、ってのが一般的な女性では?」
「……そういう事なら、私でも十分勝ち目がありますね、幸人さん宜しい?」と言うとイリスはぎゅっと幸人の手を掴んだ。その所作は儚げに見えて、実のところ全ての思いを独占したいとの願いが籠もっていそうな力タップリの
「お手柔らかにお願いします」
「ダメです<3(ハート)」
「駄目か」
「幸人さん、どうか、私から目を離さないでね」イリスは泣きながらだが、嬉しそうにそう言った。




