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№6 対決

 抗え。

 

 ヒルダはゆっくりと詠唱をする。

「虚ろなる絵に囚われし者、姿を現せ。Appearance(出現)!」

 肖像画が宙に浮きあがり、黒色の禍々しい闇をつくりだす。

「ぐふふふ」

 地の底から湧き出るような重い重い侮蔑にも似た笑い声が、ヒルダに聞えた。

 彼女は詠唱を止める。


「か、母さん・・・ボクはまだ・・・」

 アベルの声が切なく言った。

 ヒルダ首を振り、傍らにあるニケの杖を右手でしっかりと掴んだ。

「さあ、肖像画の中にいる魔の者よ。姿を見せるですう」

 杖を肖像画へとかざした。

「むふふふっ!さすがは闇と光の女王ヒルダ・・・愛息を模してみたが、見破られたか・・・」

「私は、アベルのママンですう。ママンが息子を間違える訳ないですう。宅の息子はママンと呼んでいました。そして、その声・・・オッサンか!魔の者よ、それにアベルの好きな色はママンのおっぱいのさくら色ですう」

「なっ、なんとっ!そんなバナナっ!」

・・・あなた、あるある詐欺ですうか?このへたっぴ、もう少し感傷に浸らせなさいですう」

 魔の者と呼ばれた影は、絵の名から真の姿を現す。

 身長2m、漆黒のローブを身に纏い、その装いはさながら闇の神父、面長な顔に釣りあがった冷徹な瞳、男のかけた眼鏡が妖しく光る。

「なにはともあれ、解放ありがとうございます。私はあなたの先代王に捕らえられた魔司教ゾリウス・・・・・・口惜しや、魔王様の大戦に参加出来ず・・・私はこの時を迎えた・・・だが、これもまた運命・・・ここから私があなた達を滅ぼし、偉大なる王を復活させるのです」

「そんなことはさせないですう」

「んふふふ、あなたに出来ますか?」

「やってやるでてすう。光と闇の混濁、光と影の一撃っ!」

 ヒルダはニケの杖から魔法攻撃を発した。

「ふむ。油断ですかね。それとも魔王様および魔王軍を蹴散らした自負か・・・いずれにしても私を侮っている・・・リバース!」

 ゾリウスは軽く左手を払う。

 攻撃魔法は反転、ヒルダに襲いかかる。

 彼女はニケの杖で払い魔法をかき消す。 

「んふ」

 余裕の笑みを見せる大司教。

「確かに甘く見ていたですう」

「ならば、あなたの究極の一撃をこの私に見せるのだ。この術を打ち砕くほどの・・・な」

 ゾリウスは不敵なまでに挑発する。

「・・・お望みとあらば分かったですう。大切な息子の名を語るイケナイ人には、強烈なお仕置きが必要ですう」

 ニケの杖に魔法の力が宿り、闇と光が部屋中に満ちる。

「さあ来いっ!来るのですっ!」

 司教は挑発を続ける。

「究・極・魔・法、アルティメット・インパクトっ!」

 爆ぜる。

「ふふふ、私は絵の中からこの時をうかがっていました。憎きコォジィと14名の妻・・・その一人光の闇の女王ヒルダしとめたり・・・時止メッ!」

 ゾリウス渾身の魔法を放つ。

 時間が止まった。


「・・・なんという恐ろしい・・・魔法、これでは魔王軍が倒される訳だ・・・だが、今は私のターン」

 ちらりと怒りの表情を見せたままのヒルダを一瞥する。

「ふむ。その顔気に入りません。だが、時が戻った瞬間、あなたは恐怖と絶望に満ちた表情へと変わるのです。私の最も好きな顔へと・・・自ら起こした究極魔法によって・・・」

 大司教は激しく左手を振り、叫ぶ。

「リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース、リバース・・・はぁはぁ、これで究極魔法を囲いましたかね・・・では、サヨウナラ・・・時ヨ戻レ」

 時が再び動き出す。

「へっ」

 ヒルダの目の前に自らの究極魔法が迫る。

 その時。

 部屋の扉が開かれる。

「Infinity imagination(想像力無限大)っ!究極バリアにてヒルダ様を守れっ!」

 エマの声が響いた。


 そして信じろ。

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