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序
前作の思いものせて。
ここは平和が訪れたウエスト・サン・ガイアの中ほどの位置するアメリア国。
あれから数か月。
アメリアの政務室に佇むのは、かつての国の女王であるヒルダ。今は長となりてこの国をおさめている。
「はあ」
ひとつ溜息をついた時、扉が開かれた。
「また溜息ついている」
エマは書斎に依頼された本や資料を置いた。
彼女はこの国にある大図書館の司書であり、ヒルダとともに聖戦を戦った仲間でもある。
「溜息もつきたくなるですう」
「ヒルダ様、この国の元首として、しっかりしてもらわないと困ります」
「はいですう」
「ま、私もまだ癒えてはないですけど」
エマは慣れた手つきで、食器棚から二つのカップとソーサーを取り出し、紅茶を淹れた。
そっとヒルダの前に置く。
「ま、一杯」
「ですう」
「少しずつ癒して・・・少しずつでも前へですね」
「ですう」
カップの中の紅茶の湯気が政務室に漂った。
といいつつ、肩の力抜いて。