48 ジンギスカン
「しりとり」と、みき。
「リチウムー」と、しお。
「むらさき~」ゆかが続けて、
「金木犀」うめで一周。
「いす」
「スイスー」
「スマトラ島~」
「ウシガエル」
「ルクセンブルク」
「くまー」
「マントヒヒ~」
「ヒンドゥー教」
「ウズベキ……あぶな」
「みき、さすがに早いぞー」
「いってもよかったよ?」
「さすがになぁ。ウリ」
「理科ー」
「貝がら~」
「ラップ」
「プリント」
「トマトー」
「と……トラアシネコメガエル~」
「へっ!?」
「うめがおどろいてる」
「専売特許だったもんな、カエル」
「うぅ……ルーマニア」
「アジア」
「アフリカー」
「カナダ~」
「だ……『だ』から始まる地名?」
「地名縛りではないけど」
「うーん……ダマスカス」
「おぉ。スペイ……」
「みきー?」
「……スーサイド」
「ドアノブー」
「ブティック~」
「クラス」
「スラー」
「ラスベガスー」
「スケジュール~」
「ルーツ」
「積み木」
「きつねー」
「ねこ~」
「コアラ」
「ラクダ」
「ダメージー」
「ジンジャーエール~」
「ルール」
「ルマンド」
「どんぐりー」
「理性~」
「イスの偉大なる種族」
「なにそれ……苦労」
「鬱」
「罪」
「密告」
「……」
「みきが悪いだろ」
「わたしか? 本当にそうか? あ、熊本」
「栃木ー」
「岐阜~」
「福島」
「ジャンルかぶせるルールはないぞ……まち針」
「リットルー」
「今日は『る』が多いねぇ……ルール無用」
「待て、それはちょっと待て」
「もう出てる『ルール』につけたしただけかー……」
「議論の余地はあるね」
「でも、ルール無用だよぉ?」
「そうだな。もういいやそれで」
「あ、えっと、馬」
「枕」
「ランプー」
「ぷ……ぷ……プーチン……大統領~」
「それも苦しくないか」
「苦しく……ないよ?」
「そうか……」
「ゆかには甘いなー」
「『う』でいいの? うさぎとかめ」
「冥王星」
「意地ー」
「ジンギスカン~」
「ダウト」
しお、ゆかの肩を、ぽんと叩く。あ、しまった、と声に出す、ゆか。
「二度も見逃してやったのに」と、みき。
「ジンギスカンが食べたくて~」
「好きなの?」
「お肉だからねぇ」
にこにこする、ゆか。で、
「ジュースは?」と訊く。
「わたしは緑茶」
「あたしはジンジャーエール」
「あ、うーん、ほうじ茶」
「おっけぃ」
「にしても、最初はみきがだいぶ危なかったなー」
しお、ジュースをうけとって、いう。たしかに、とうめが苦笑する。ひさしぶりだったから、ブランクがな。おごりにならなくてよかったなー。ほんとだよ。
「よし、じゃ、帰るか」
緑茶あけつつ、みきがいう。そろそろ陽が沈む。
「うん、帰ろぉ」
ゆか、ブラックコーヒーを買って、かばんを背負う。かばんについていた、ねこのストラップが揺れた。
【戸殿ゆか 高校二年生】
マイペースでおっとりさん。
猫好き。
後輩に頼られる完璧な先輩になりたいらしいが、むしろ後輩に助けてもらうこともしばしば。いろいろがんばりたいとのことである。




