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朝を歩け。  作者: 維酉
2nd Single【恋と渦巻き】
53/176

48 ジンギスカン

「しりとり」と、みき。

「リチウムー」と、しお。

「むらさき~」ゆかが続けて、

「金木犀」うめで一周。


「いす」

「スイスー」

「スマトラ島~」

「ウシガエル」


「ルクセンブルク」

「くまー」

「マントヒヒ~」

「ヒンドゥー教」


「ウズベキ……あぶな」

「みき、さすがに早いぞー」

「いってもよかったよ?」

「さすがになぁ。ウリ」

「理科ー」

「貝がら~」

「ラップ」


「プリント」

「トマトー」

「と……トラアシネコメガエル~」

「へっ!?」

「うめがおどろいてる」

「専売特許だったもんな、カエル」

「うぅ……ルーマニア」


「アジア」

「アフリカー」

「カナダ~」

「だ……『だ』から始まる地名?」

「地名縛りではないけど」

「うーん……ダマスカス」


「おぉ。スペイ……」

「みきー?」

「……スーサイド」

「ドアノブー」

「ブティック~」

「クラス」


「スラー」

「ラスベガスー」

「スケジュール~」

「ルーツ」


「積み木」

「きつねー」

「ねこ~」

「コアラ」


「ラクダ」

「ダメージー」

「ジンジャーエール~」

「ルール」


「ルマンド」

「どんぐりー」

「理性~」

「イスの偉大なる種族」


「なにそれ……苦労」

「鬱」

「罪」

「密告」


「……」

「みきが悪いだろ」

「わたしか? 本当にそうか? あ、熊本」

「栃木ー」

「岐阜~」

「福島」


「ジャンルかぶせるルールはないぞ……まち針」

「リットルー」

「今日は『る』が多いねぇ……ルール無用」

「待て、それはちょっと待て」

「もう出てる『ルール』につけたしただけかー……」

「議論の余地はあるね」

「でも、ルール無用だよぉ?」

「そうだな。もういいやそれで」

「あ、えっと、馬」


「枕」

「ランプー」

「ぷ……ぷ……プーチン……大統領~」

「それも苦しくないか」

「苦しく……ないよ?」

「そうか……」

「ゆかには甘いなー」

「『う』でいいの? うさぎとかめ」


「冥王星」

「意地ー」

「ジンギスカン~」

「ダウト」


 しお、ゆかの肩を、ぽんと叩く。あ、しまった、と声に出す、ゆか。


「二度も見逃してやったのに」と、みき。

「ジンギスカンが食べたくて~」

「好きなの?」

「お肉だからねぇ」


 にこにこする、ゆか。で、


「ジュースは?」と訊く。

「わたしは緑茶」

「あたしはジンジャーエール」

「あ、うーん、ほうじ茶」

「おっけぃ」

「にしても、最初はみきがだいぶ危なかったなー」


 しお、ジュースをうけとって、いう。たしかに、とうめが苦笑する。ひさしぶりだったから、ブランクがな。おごりにならなくてよかったなー。ほんとだよ。


「よし、じゃ、帰るか」


 緑茶あけつつ、みきがいう。そろそろ陽が沈む。


「うん、帰ろぉ」


 ゆか、ブラックコーヒーを買って、かばんを背負う。かばんについていた、ねこのストラップが揺れた。



【戸殿ゆか 高校二年生】


 マイペースでおっとりさん。

 猫好き。


 後輩に頼られる完璧な先輩になりたいらしいが、むしろ後輩に助けてもらうこともしばしば。いろいろがんばりたいとのことである。

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