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愛に飢えた魔王と独占欲の強い妃   作者: 時計塔の爺
第1章
14/14

ショタとの茶会


 「...狂っている、か。 俺はお前が試練と言っているあれが狂っているとおもうが?」


 菊池楼は腕を組みながら問う。


 「狂っている、狂っているよ! 狂っていなきゃいけないからねぇ♪」


 くすくす笑いながらショタは意味不明なことを答える。


 「どういう意味だ?」


 「まぁまぁ、とりあえず紅茶を受け取ってくれないかね? 今度はゆっくり味わいながら僕の話を聞くといい。」


 ショタは慣れた造作で紅茶を菊池楼の前に置く。

 先ほど飲み干した紅茶は一気に飲んでも熱くない温度だったが、今置かれたカップからは湯気がもうもうとたっていた。

 ショタは白いテーブルに肘をつき、指を組んだ手に顎をのせながらあざとい笑顔を向けてくる。


 「さっきも飲んだように毒なんて入っていないのだよ。」


 「・・・」


 どうやら初めに来た時に毒を疑った菊池楼への仕返しのようだ。

 菊池楼はいぶかしげな表情でカップを取りゆっくりと紅茶を味わう。


 「ンフフフ~♪ 君のために用意した紅茶の味はどうだい? もしかしたら君はレモンやミルクを入れるタイプかな?」


 「...いや、別に。」


 「おぉ! それはよかった。僕もストレートティーは好きだよ♪ まぁ今は角砂糖を入れて飲んでいるがねぇ。」


 紅茶の飲みかたを楽しそうに語るピエロ服のショタと対照的に、菊池楼は冷めた目で紅茶の水面を見ていた。

 それもそのはず、菊池楼は紅茶の味の違いなど全く分かっていないのだから。

 どうやらショタもそれに気づいたようで申し訳なさそうな笑みを浮かべる。


 「どうやら一人語りしてしまったようだねぇ。申し訳ない。」



  ・・・カタン



 テーブルにカップを置き菊池楼はショタと向き合う。


 「紅茶の話はもういい。こっちの質問に答えてもらおうか。」


 「もちろんだとも。君はその資格を得たのだからねぇ。」


 椅子の背もたれにもたれ、器用にティーカップを持ちながら腕を大きく広げるショタ。

 だがショタの小さな座高のせいで菊池楼からかろうじて見えていたショタの顔を白いテーブルが隠してしまう。

 と思ったらショタの座っている椅子の足がミョーンと伸びあがり、菊池朗と目を合わせられる高さまでショタが運ばれた。


 「失礼♪ 見ての通りチビでねぇ。話しやすいように椅子の高さを調節させてもらったよ。」

 「便利だな...」

 「(* ̄▽ ̄)フフフッ♪ だてに長く存在していないからねぇ♪ これくらいは朝飯前なのさぁ。」


 得意顔のショタは紅茶の残りを飲み干しティーポットから新しい紅茶をカップに注ぎ直す。


 「さてと、答え合わせをしようか菊池朗君。」


 

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