デジャヴかな。デジャヴじゃないよ、デジャヴだよ(デジャヴ)
友達の実話です笑
これ小説にしてみてって言われ、やってみました
「ねぇねぇ聞いて!」
「なになに?」
「どうしたー?」
美沙は楽しそうな表情を浮かべながら生徒会室の扉を勢いよく開けた。すると、中にいた3人が一斉に美沙の方を向く。どうしたと駿が問う。優と紫央も興味ありげに美沙の話を聞く姿勢になった。
「昨日さ、後輩と2人で帰ってる途中に『穂田くんって色白で、可愛くない?』って後輩に聞いたわけ。その時は私イヤホンしてたし、辺り暗かったから気づかなかったけど、私のすぐ後ろの方で穂田くんが歩いてたの!」
生徒会室から漏れるほど大きな声で話す彼女を置いて、優と紫央が顔を見合わせる。
「この会話中にドアの前通っていったよ」
「え? 誰が?」
「穂田くん」
この通路を通るということは、隣にあるオープンスペースにいたとしか考えられない。それから、美沙の声の大きさなら、丸聞こえしてただろうと、紫央と優が笑い転げる。
美沙は顔を真っ赤にし、慌てて廊下を確認するが、すでに穂田の姿はなかったらしく、嘘でしょと何度も言った。しかし、通ったことは事実であった。
という話を美沙は野路に話していた。
「こんにちは」
話の途中でドアの開く音と穂田の挨拶が聞こえてくる。もちろん、美沙の声量は大きい。その後も、美沙はこの胸が張り裂けそうな体験を繰り返した。