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傀儡幻術師の異世界生活  作者: 探索者T
1章 異世界人の小さな奮闘
8/18

7話 圧力の裏

今回は後半ほとんど会話文だぜぃ。

ひゃぁはぁぁあ!

アリスのヒロイン改造計画ぅ!!


・・・・すんません

「旦那様、アリス様がお客人を

連れてご帰宅なさいました。」


「客人?アリスが?」


「はい、旦那様にお話があるそうです。」


「わかった、通せ」





さて、これはどうしたものか。

今ちょうど公爵家に着いたらしく、

乗っていた馬車がとまったのだがその間に

作ろうと思っていた傀儡をまだ作れていない。


木で作っているのだが、作製スキルの中に、

ランダムエンチャントという項目があることに

気づき、試してみると、炎耐性3、耐久力6が

ついたため、これを主戦力にするべきだろうと

中に針の暗器をつけれるよう

頑張っていたのだが、

意外とこれが難しかった。


どのような仕組みにするか、

どうやれば発動するか等を考えた結果

それにかなりの時間がかかり、

肝心の本体の装飾や作りをあまり

作れなかった。


さて、あの出来事からというものの、

アリスの顔が青を通り越して白になってて

悪いことがばれてそれを親に言われるとき

みたいな顔をしてた。

まるっきりそれな訳だが。


護衛が親父さんに許可もらってくるって

いってたからたぶんそろそろ来ると思う。

ちなみに今回の傀儡は所々につたやら石やらが

使われていてかなり壊れにくくなっている。

さらに一度エンチャントした武器や傀儡は

所有者のレベルに依存して

エンチャントが増えるらしい。

中にはスキルを覚えるものも

あるとかないとか。


「イツキ カイラさま。

旦那様がおよびです。どうぞこちらへ」


「おん。」


流石公爵家、

その屋敷は伊達じゃなく大きい。

正直入るのにも躊躇うレベルの大きさの

屋敷だが、今回はアリスの民間人に

対する態度の悪さが目立つことを

伝えなければならない。


「こちらです」


屋敷の中に入り客室へと

連れていかれる道中、やはり

公爵家の名は伊達ではなく

数々の美術品や骨董品がおかれている。

廊下にも、ちょくちょく花が飾ってあり、

人を迎えるたいせいがいつでも

整っているようだった。

アリスは絶望の顔を浮かべ、俺の

後ろを時々よろけながらついてくる。

どれほど悲愴感をだしても許せない

ことにはかわりない。一樹は

人を蔑ろにすることは許さない質だった。


「失礼します」


部屋のドアが開かれるとそこには

だいたい40に差し掛かるくらいだろうか、

白髪が混じる短い髪を逆立てている

人がいた。昔はイケメンだったであろう、

渋い印象を受ける。


「君が、イツキくんかね」


「はい。今日はあなたの娘さんについて

話があってきました。なんですか、あの―――」


「いや言わなくてもわかる。

男や民間人にたいしての

態度が非常に悪い、だろう?」


「そうです。」


「まぁ、座りたまえ。

私はガフラー・フォン・アルカード公爵。

娘が不憫な態度をとったな。申し訳ない」


なにか企んだような顔をしている。

でもあくまで一樹に対しては

顔を下げて申し訳ない

気持ちを誠心誠意向けているため、

決して悪い人ではない。

と思う...


「わかってるならなんで

かえようとしないのですか?」


「申し訳ない。こればかりは

過保護が過ぎた私の責任にある。」


「どういうことです?」


「あの子がまだ一歳のときだ。

私の妻がね、通り魔に殺されたんだよ。

男だった。その男は即死刑が決定したが

もう二度と同じことは繰り返すまいと

狂ったんだね。その日からアリスを

一度たりとも外には出さなかった。

そして護身術を習わせた。その時の

師範ももちろん女だ。男はみんな敵だ。

下賤なものだ。近寄らせてはいけない。と、

私がそう教えてしまった。気付いたら

時は流れ自分が狂気なまでの過保護だった

ことに気づき、男は大丈夫となんとかいい

聞かせようとした。遅かったがね。

アリスは男は敵だと完全に認識してしまう

ようになった。外に出てみたいといったので

外に出したら近寄ってくる男という男に

罵詈雑言を浴びせ、手も出した。

それからというもの、護衛を男にして

師範もおとこにしてなんとか男に

慣れさせようとした。だが、もはや

別の生き物とさえ考えているようだね。

蹴散らし怒鳴り、挙げ句のはてには

不敬罪だといい殺されたものもいる。

そしてそれにたいして攻めあげるとな。

こう言われたよ。

[父上もやはり男なのですね。

私に二度として近寄らないで下さい。]

ってね。こうなったならもう自業自得だ。

私もこれ以上あの子に言えることはない。

だからね、あの子がもし、一人でも

男という存在を認めたならば、そのものに

アリスをあげようと思うんだ。あの子は

なにも悪くない。私が過保護にした結果だ。

あの子はね、ほんとうは母親ににて心優しい

純粋で、無垢で、可愛らしい子なんだよ。

君は、あの子を変えられるかい?」


驚いた。確かに現実世界でも

母親か父親が殺されて心を閉ざしたり、

子供にそう教えたりする人はいる。

そんな話は聞いたことがある。だが、

目の前にいる人がそれで、しかもかなりの

重症だ。正直どう対処すればいいか

まったく分からない。

一樹自身、女性経験も特にない。

水瀬や桜奈に女心を語られたことなら

何度かある。全く理解しがたい。

だがアレを野放しにするのはどうかと思う。

ならば自分の出来る限りの協力はすべきだ。


なにより大きいのが、

公爵家の後ろ楯だ。公爵家という

後ろ楯をもつと人形劇をやるにしても

なにをするにしてもかなりの宣伝効果や

安全保障が期待できる。

それくらいの下心なら許されるだろう。

それに異世界に来てみんなとはぐれて、

誰も味方がいないより

誰かしらいた方がいい。

その全ての点を踏まえても

いま恩をうっておけば自分には利益しか

こない。ならば協力すべきだろう。


「そうですね。女性経験は無いですし、

できることも限られてきますができるだけ

やってみるとします。下心は勿論ありますよ。

僕にアリスさんをどうにかするだけの間、

それとアリスさんの更正に成功した場合、

私の後ろ楯をしていただきたいです。」


さらに、これはかなり平等な取引だと思う。

互いに面子を保った上で、

二人に平等分の利益が与えられる。

どっかの薩摩とか言うところと長州みたいな

ところレベルに平等な取引だ。


「うぬ、いいだろう。

期待させてもらおう。ちなみに

この話は今までにかなりの男に

話してきたがどの男も尻尾を巻いて逃げた。

おまえはどうなるんだろうな?」


「さぁ、分かりませんよ。

でも、なんだかんだいろんなところに

連れ回してやります。僕の更正プログラムは

かなり鬼畜に設定しますんで」


「ぷろぐ?まぁいい。

私は私の出来る限り君の応援をしよう。

頑張ってくれたまえ。」


「んじゃ、手始めに布をください。

できるだけ、多くの色を」


「なぜだ?」


「んふふ~、秘密」


「まぁいい、メイドにいえ、

必要ぶんとっていくがいい。」


お互いに立ち上がり、

強く、強く手を握った。

さて、この際女心とか知らん。

やれるだけやってやる!

まずお金を稼ぐ!


「アリス、着いてこい。」


「お話は終わったのですか?

いえ、分かっております。私は――――」


「いいから着いてこい。人形劇するぞ。」


「え?あっ!」


一樹は強引にアリスの手を握り走った。

後にドラクが一樹が固有魔法の

使い手だと知ったときの反応。


「なぬぃ!?あの者、

後ろ楯を持つのはどっちだと思ってる...?

まさか、遊ばれたか?反応を楽しまれたか?

ブツブツ.....」

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