2話 人形二つ
俺TUEEEEものにしたいので、
主人公の成長はすさまじく早いですよ。
うっそうとした森のなか、
佇むもの一人。
あ~あ。
やっぱみんないないなぁ。
今頃なんちゃら王国で何をしてるのやら。
マジの密林だなぁ。
で?どうすりゃいいわけよ。
そういや女神から押し付けられた
スキルのなかに鑑定って会ったな。
食べられそうなもの、探すかぁ。
鑑定 湿った木
色々な用途に使える木。
採取採掘で採取、木工で加工が可能。
ん?間違って木を鑑定してしまった。
あ、でもこれって
人形作れそう。
採取、してみっかぁ。
スキル採取を選択すると、
木がへし折られ、解体されていった。
鑑定を通すと、湿った木から木材へと
変わっていた。
続いて木工を選択すると、
何やらナイフのようなものが手に出現し、
それで木を削ろうとすると、
いつもより簡単に削れた。
「ハハッ、こりゃいいや。
凝ったものを作りたいときは
木工を使わずにすればいいもんな。」
やがて三十分ほどで
簡単な人形が鑑定した。
鑑定 ブリキの人形
木で作られた人形。
装備しますか? はい いいえ
装備?傀儡子のスキルを持ってるから
装備できるのかな?
やってみようと。
はいを選択すると、
手から青白い光がいくつも伸び、
人形のそれぞれの部位と結び付いた。
ここからは一樹の腕前披露だ。
というわけでもなく、自分が頭で動かしたい
ようにすれば勝手に動いてくれる。
傀儡子の効果だろう。
ためしに人形で木を殴ってみると、
いとも容易く木がへし折れた。
続いて自分の手でも木を殴ってみると
こちらも簡単にへし折れた。
つまり人形の力に持ち主の力が
反映されるのだろう。
「おお、すげぇ。
っといけね。飯探さないと。」
数分森を歩き続ける。
地にできているキノコや
落ちている木の実、雑草を
鑑定してみても腐ってるものや
毒のあるものが多く、
いっこうに見つからない。
またこれも毒か。
ん?あ、あそこに木の実が結構なってるな。
ちょっと取ってみるか。
ここでも傀儡子の有能さが
発揮される。人形を木のみまで
とばすことによって、簡単に
木の実が持ってこれる。
鑑定 ボグクリの実
栄養が多く含まれていて、
微弱な魔力回復効果もある。
そこらじゅうにあり、おいしく、
魔力回復のポーションの材料にもなる。
ちょうどこれがほしかった。
とも言えるいい木の実が手にはいった。
見た目に特徴があって、
アケビのように割れ目がある。
その後も人形でも彫りながら
てきとうに木の実を探して
結果、かなりの量を見つけることができた。
おかげで持ちきれない。
こういうときは、
俺の中二頭脳をフル回転させて、
確かラノベのなかにはスキルで
アイテムボックスを持つやつが多いけど、
時空魔法や空間魔法でアイテムボックスを
作り出すやつも少なくない。
俺のスキルには確か時空魔法があったはず...
やっぱり!これで持ち物問題は解決だな!
?魔力が少し減ってるな。
人形を作ったし、いまこうやって
人形を使ってるし、当然か。
魔の項目の数値が4000から3599に
減っていた。おおまかな予測で採取採掘で
200を使い、木工で200使い、
人形を操るのに1を使う。こんなとこだろうか。人形を操る燃費がよすぎる気もするが、
そこはよくわからない。
さ、ボグクリの実を食べよう。
うん。おいしい。
味は表現するなら無花果だろう。
甘くておいしい。
そして魔力が20だけ回復した。
確かにポーションの材料になるようだ。
そうこうしてるうちに、二つ目の人形が
出来上がった。こちらも
装備できるようなのでしてみる。
が、これがかなり難しい。
二つ同時に人形を操るのは至難の技だろう。
<スキル 並行思考を習得した>
お、なんかやたらご都合主義な気がする。
まぁ、そっちの方が助かるし、いいか。
二つの人形を戦わせてみる。
同時に思考判断できるため、
二つの人形がすさまじい戦いを広げている。
そこに、邪魔物が突然はいった。
「ぐぇ?グギャギャ!!」
黄色い目、緑の肌色。
尖った耳。中二頭脳がいっている。
これはゴブリンだ。と