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傀儡幻術師の異世界生活  作者: 探索者T
1章 異世界人の小さな奮闘
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9話 二日目の憂鬱

今回はぁぁぁ!

ほとんど会話文だぁぁ!!!

「今日も来るのですね」


憂鬱だ。

彼が固有魔法の使い手でさえなければ

今ごろ切り捨てて地獄へ送っている

ものを、法律が邪魔をして

逆らうことができないなんて。

いっそのこと逃げてしまいたい。


確かに昨日の話はおもしろかった。

聞いてて興味もわいた。

ほんの少し、ほんの少し恋愛に

興味が湧いたのも確かだ。

だがなんだか彼のての上で

踊らされているようで屈辱的だ。

今日、彼が死んでしまえば良いのに...


それにしても昨日の話に出てきた

入手困難な五つの宝、

あれは確かに実在するものだと

されているはず、ただ、そのどれもが

そもそもの入手方法が見つかっておらず、

手に入れても行方が分からなくなり、

実態は謎に包まれたままの秘宝だ。

ひょっとしたら彼の謡う物語には、

そのありかが隠されているのかもしれない。




「よぉ。来たぞ。」


「はい。あの、質問よろしいですか?」


「なに?」


「昨日お話しくださった

かぐや姫の物語に登場する五つの難題、

その宝のどれもがこの世界に存在すると

言われています。ひょっとして、

一樹さまはそのありかをお分かりですか?」


五つの難題、といえば、

蓬莱山の玉の枝、火鼠の皮衣、燕の子安貝、

仏の御石の鉢、龍の首にある五色の宝玉

だよな?それが実在する...か。

異世界だもんな。

じゃああれはあるのだろうか。


「なら、天叢雲剣って知ってる?」


「はい、伝説上ながら、

実在の可能性が疑われる剣です。」


「なるほど、まぁそのうち教えるよ。」


いや、ありかは知らないけど、

たぶん天叢雲剣は首が八つある蛇か

竜かを倒したときに出るでしょ。


「じゃあ今日はちょっと商店街で

かいものでもしようか。」


「買い物...ですか?」


「俺の服を見繕ってくれ」





「なぁ、こんなんどうだ?」


「あまり似合っておりません」


「じゃあこれは?」


「さっきのよりはまだマシです。」


「う~ん、じゃあお前はなにか決めたか?」


「そうですね、これなんかどうでしょう。」


渡されたのは白くてラフな、

ふりふりのついたワンピースだった。


「女物じゃねぇか!

もう完全に悪意あるよね!?」


「じゃあもういっそのこと

自分で作ってはいかがですか?

昨日馬車内で作っていたかぐや姫人形や

大納言人形の服のように」


「そりゃ自分でも作れるけどさ、

なんか買いたい気分なんだよ」


「そもそも、男性を避けてきた私が

男性ものの服を見繕うなどできると

お思いですか?」


「くっ...この卑弥呼様め」


「あ、これなんてどうでしょう」


「・・・見繕えんじゃん」


「私は公爵ですので当然に

ございます。」


「さっきと言ってることが違うぞ」








一樹がトイレにいっている間、

アリスは少し場を離れ、アクセサリを

みていた。この世界には

プラスチックの代わりにスライムを

固めた素材が使われている。


昨日この国のどっかの男爵から

求婚の手紙と共に花のアクセサリが

届いてきたのだが、庶民のアクセサリの

コーナーを見ていると贈られてきた

まっ金々のものがたいそう趣味悪くみえる。

もともと応じるつもりなど毛頭無いが、

これを見ていると更にイメージが悪くなる。


「あ、これいい」


自分に似合いそうな髪留めを見つけた。

水色の不透明なスライムの塊と

光沢が出ている透明なスライムの塊が

紐に散りばめられていて、綺麗だ。

今つけている髪留めはただの黒い紐。

ここで買っていくのも悪くない気がする。


「お決まりかい?お嬢ちゃん」


店の人であろう

お婆ちゃんが話しかけてくる。


「好きな男の子の前では

めいっぱい綺麗じゃねぇとなぁ。

お嬢ちゃんにはこの水色の髪留めがよう

似合うわ。ゆっくりしていきなぁ?」


男の子の前で...か。


お婆ちゃんが去っていく。

それと入れ替わるように

一樹が来る。


「よ、悪い悪い。

ん?この水色の髪留め、

すんげぇアリスに似合いそうだな。

あ、服買ってくるわ」


横から顔をだし、そんなことをいう。

同じ意見であることが少し気に触る。

ちょっと経つと、

一樹がまた戻ってきた。


「ほい。」


渡されたのは先程の髪留めだ。


「え?さっきここに戻したんじゃ?」


「なにいってんの?戻してないよ?

指に引っ掻けて持ってったじゃん。」


全く気づかなかった。


「ほれ、つけてみ?」


そういわれ、今つけている髪留めを

外し、例の髪留めをつけた。


「うん、やっぱよくにあってる。」


今日はなぜか

褒められて悪いきはしなかった。






その後も甘いものを食べ歩いたり

何だかんだしているうちに

そろそろ日が沈んできた。


「よし、そろそろ人形劇しに行こうか。」


「今日はなんの話をするんですか?」


「それはお楽しみに」


昨日とは違い、既に人が

かなり集まっていた。昨日ギルドの前で

話した少女もいる。

こちらに向かってブンブンと手を振っている。


さて、今日はヤマタノオロチだ。

暴れん坊のスサノヲが美しい娘に

一目惚れして、その娘がヤマタノオロチの

生け贄になることを知り、娘を

守るためにヤマタノオロチと戦い

見事撃破。体から刃が出ているのを見つけ、

それを引っこ抜くと天叢雲剣が

出てきて、天照大神に奉納した後、

娘と幸せに暮らすというストーリーだ。


見るからに昨日より人が増えている。

舞台を設置し、銭箱も置く。


「レディィィィィィーース!エン

ジェントルメェェン!!

ボーイズアンドガールズ。よく来てくれた!

是非!楽しんでいってくれ!」


わぁぁっと小さな歓声が広がる。


「昔々、あるところに――――――――おしまい」


終えると、今度は涙よりも

スサノヲすごいの方が多い。

アリスも感動してくれたようだ。

ただでさえ娯楽の少ない世界、

人形劇くらいあるかもしれないが、

やはりそこまで頻繁に行われることではない。


「楽しんでくれたかい?

良かったらこの銭箱にチャリンと

お金を恵んでおくれ、今後の資金や

生活費にあてさせてもらいたい。」


ぞろぞろと銭箱に群がる。

明日は二つちょっと間をあけて

設置しておこう。

そちらの方が良さそうだ。


「あの、握手お願いできますか?」


「あらら、勿論ですよ。

今後もよろしくお願いします。」


「ありがとうございます!」


二日目にして握手第一号とは

ありがたいものだ。

今後もこの盛況が続いたらありがたい。




「だいぶ集まったね。」


「今度は白金貨が四枚入ってますね。

娯楽にお金を使うのもよろしいですが、

もしこれが活動費からの出費だったら

許されませんね。」


「おぉ、なるほど確かに。

ま、今日はこれで解散。じゃあな」


「はい。」




宿に戻り、作業を開始する。

完成まであと少しだ。昨日の夜

もう少し頑張れば完成したんだろうけど、

流石にデート前日にコンディション

悪かったらダメだろうと遠慮した。

だがあともう少しでできる。

主戦力となりうるあの人形が

明日はどうだろ?

更新できるかなぁ


やっぱだめだ。アリスをツンツンさせる

ことができない。


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