壊された兵器
みなさん。こんにちは、そしてこんばんは。
作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す!
おっと、ここは前書きでっす!
本編を読みたい人はサクッ、と飛ばしてね。
「オート〇タ買いました」
何言ってるかわかないと思うけど、わかる人にはわかるってことで。話を進めるね。
これはね間宮冬弥が先日買ったゲームの話。
これも前に買ったマリ〇アスフォー〇ンと同じくらい面白いと
絶賛していまっす! さすがプラチナ製だ! とも言ってましたね。
でも、発売日翌日にアマ〇ンから届いたのに今だに一周目が終わってないんだよね~
前作もそうだったけど、あの作品って周回が前提じゃない? それでまだだとオールクリア
なんて何カ月先になるかわからないよねっ!
月末にはも一本買う予定だけど大丈夫なのかぁ~なんてね! あはは!
では、第四話をお楽しみください。それではっ!
「じゃあ、行ってきます」
「ああ、さっさと終わらせて帰ってこい。城主のいない城などただの飾りだからな」
「はい。じゃあ、行きますね」
「ああ、行ってこい」
アウラさんに一礼して城門に向かう。また、一礼したときにアウラさんにまた、髪を掴まれるんじゃないかと思ったけど。そのまま何もしないで送り出してくれた。
「魔王さま。これからどこに行くんですか?」
「アルストリア平原。瞬間飛翔で飛んでいける?」
「無理です。アルストリア平原は行ったこと無いですから」
「そっか。じゃあ歩きだね」
「いやいや、飛龍に乗って飛んで行きましょうよ?」
「あ、そっか」
そこで、行われたアルストリア戦役。そして歌姫の歌。大量のひとが死んだ戦い。そこでわたしは……『彼女』の旋律と戦慄を知ることになる。
◆
「うっ……うぷっ!」
「これは……ひどいですねぇ……」
ワイバーンに乗って一時間後。アルストリア平原。
『地脈』での映像再生。
それを、見たわたしはあまりの生々しさで膝から落ちて胃から逆流してきた液状のモノと固形物を口から吐く。
歌姫の歌でひとの体がはじけ、その中身が飛び散る。
骨、胃袋、肺、腸、肝臓、腎臓、内臓、脳髄、眼球、筋肉繊維、
首や腕、脚や頭が地面に転がる。
地獄絵図。
わたしの頭に浮かぶのは子供の頃、学校の図書館で呼んだ『地獄と天国』の絵本に載っていた地獄だった。
それをよりリアルに、生々しくしたのが……目の前に映し出される映像だった。
「はぁはぁ……」
「もう見るのやめましょうよ」
マイラがわたしの過去視魔法に干渉して映像を消してしまう。
「大丈夫、だから」
立ち上がり、映像を再生する。
「……うっ……」
凄惨な映像が続きまた口から吐く。
「魔王さま」
「止めないで! 見なくちゃだめなの……歌姫さんの事を少しでも知らないと……わたしの思いが伝わらないから……」
嘔吐物を吐ききり、視線を映像へと戻す。
「はぁはぁ……うぷっ……!」
頭がおかしくなりそう……精神が破壊されるくらいの残虐映像……でも、歌姫さんはこれを……自分の目で、
目の前で見ているんだ……こんな恐ろしい光景を……目の前で……絶望に落ちそうな感覚を味わっていたんだ……
「うげっ……」
その後、わたしは何度も吐いては映像を直視した。
何度も、何度も吐いて。泣き、吐いてを繰り返した。
(泣いている……?)
その繰り返しの中で……わたしは……血に混じって泣いている歌姫さんを見た……悲しそうな顔で、悲しそうな声で……歌っている。
◆
「はぁ……はぁ……うっ……」
「やっと……終わりましたね……」
長い時間を経て……やっと終わった。
酷い。その一言に尽きる。
「じゃあ、長居は無用ですね。城に戻りましょう。瞬間飛翔で飛びますよ」
「待って」
でも、まだ帰れない。
「レオンレイクに行きます」
「えっ! あの滅亡王都レオンレイクにですか?」
「うん」
レオンレイクは歌姫さんがいた国だ。そして、滅亡した理由にはきっと歌姫さんが絡んでいる。
「えっとぉ……今からですか?」
「そうだよ。飛べる?」
「まぁ……一度アウラと行きましたから」
「お願い」
「聞きたいんですけどぉ……何しに行くんですか?」
「王都滅亡した理由を見に」
「……ここと同じかもしれませんよ?」
「それでも……わたしは行くよ」
「どうしても、ですか?」
「どうしても」
「わかりました」
マイラはしぶしぶ瞬間飛翔を詠唱始める。
わたしはワイバーンに帰還の命令をし、跳び去るワイバーンを見送る。
「じゃあ、行きますよ」
「お願い」
マイラはわたしの肩にしがみつく。その瞬間、光の球体に包まれ、その光ごとわたしの体は空に舞い上がった。
◆
「あたりまえかもしれませんが、誰も……いませんね」
「そうだね」
マイラがレオンレイクの現状を見て呟く。
あっという間にレオンレイクに到着して見たのは……『本当に滅亡してるの?』と思ってしまうほどに『綺麗』な事だ。
だけど、それは建物だけ。街路にはゴミが散乱し、何かが腐敗したようか臭気が鼻を突く。
誰もいない。建物は形を保っている。けど、その中に誰かいるような形跡はもちろんない。むしろ内部は荒らされている。たぶん野盗かなにか入ったんだろうな……
「マイラはさっきアウラさんとここに来たことあるって言ってたけど、何しにきたの?」
「そうですねぇ……ここいたはずの魔法使いに用があったんですけど……一足遅かった。ってことですかねぇ……無惨でしたよ」
「……」
何も答えることができなかった……
レオンレイク城に歩みを進める度に臭いがきつくなる。城壁にや床には血の痕跡も大量に見られるようになってきた。
「こわいですぅ……」
城の門の前で立ち止まる。門番もいない門は威厳に欠ける気がする。
「魔王さまぁ〜〜帰りましょうよぉ〜」
マイラの弱音を無視し城の門に手をおく。
「行こう」
体重をかけ、門を押し開けた。
「うっ……」
城内は……血の海だったのだろう。壁や床にはびっしりと血がこびりついている。
さらに奥へ、奥へと続く廊下を歩く。
「……この廊下……」
ここだけ、血の量が多い。多すぎる。辺り一面真っ赤……
「ここで見よう」
過去視の魔法を起動させる。
「本当にみるんですか?」
「見るよ」
わたしの意志は変わらない。
魔法が起動し、映像が流れ始める。
ここで何が起こってどうして滅んだのか……この映像を見れば……
◆
「う、げっ……はぁ……はぁ」
酷い……もしかしたらアルストリア平原よりも酷いかも……
「理性を失った歌姫の暴走……ひとじゃない剣が言うのも何ですけど……これはひとの所業じゃないです」
マイラが映像を見てからの初めての言葉。
映像を見てわかったことは……マイラの言うとおり『歌姫が理性を失っての暴走』
理性を失った原因は……たぶん……あの映像……
「うっ……、あの歌姫さんに打たれた注射……あれが原因だよね……?」
「そうですね……」
映像では注射が打たれた直後に、突然歌い始め、そして、どんどんとひとが……破裂して……
「うっ……うぷっ……!」
ダメ……思い出しただけで……吐き気が……
「あんな人体実験みたいな事して……歌姫さんをどうしようとしたの……」
「わかりませんけど……たぶん」
「たぶん?」
マイラは少し間をおいていつもだったら軽口をたたく口を重そうに開き話し始めた。
「レオンレイクは歌姫さんのココロを壊して完全な『生物の兵器』にするつもりだったのかもしれません。ううん、違うか。
ひととしての意志を壊すかなぁ……」
「生物兵器……」
「はい。現にここで歌った歌姫さんの歌は絶大だった。国がひとつあっという間に滅ぶほどに」
城を見渡す。血の跡が壁にべっとりと貼り付いている……まるで最初から赤い壁だったように……
「歌姫さんを『兵器』にして自由に『歌』を使えるようにしたんじゃないですかねぇ……
『ココロ』という制御の外れた歌は完全に『武器』そのものですから……その武器は振るえば人が必ず殺せますし、ココロがないぶん『扱い』は楽ですし」
「酷い……」
ひどすぎる……もし、マイラの言うことが本当なら……これはやっていいことじゃない。
「うっ……うげっ……」
「大丈夫ですかぁ? もう戻りましょうよ」
「もう少し……」
「はい?」
「もう少し……だけ、この城を見てみようよ」
「ほ、本気ですかぁ?!」
マイラの言葉には耳を貸さずに、わたしは重りの着いたかのように重い足をあげて、歩き出した。
ふと、見た映像には歌姫さんがどこかの『森』へと向かっていく映像だった……
◆
歌姫さんの生活は酷かった……部屋は最低限の家具しかなくて質素。でそこでひとりっきりで過ごして……
ドアには鍵がかけられ自由に出入りもできなくて……歌姫さんが自由していい時間なんてなくて……食事も一日一食だけの『豪華な料理』
これは生活という名の幽閉だ。
たぶん餓死させないための最低限の食事……そんな部屋で歌姫さんはたった数冊の本を読み回している。
そして部屋を出るとき。それはひとを殺すために戦場で歌う時か、実験のために移動するとき。
その生活の繰り返し……
あの部屋で何を考えていたんだろう?
あの部屋で何を思っていたんだろう?
あの部屋で……たったひとりで寂しかったんだろうなぁ……
◆
さらに城の奥へと進む。わたしとマイラは怪しそうな地下へと続く階段を見つける。
そこも階段に、そこかしこに血がべっとりと染み着いていた。
階段を下りる。途中から螺旋状になっていき、ぐるぐると回るように地下へと降りる。
降りた階段の先には厳重に設計されたような頑丈な扉が目に入る。
『なんか……まずそうなトビラですねぇ〜』とマイラが呟く。わたしはそうだねと返し、扉を見る。
扉は半開きの状態で止まっている。ううん違う。半壊の状態だ。
「ふぅ……」
深呼吸をして、体を沈み込ませ、半壊した扉から中へと入る。
中はとても広い。
そしてその広さにあわないようなベッドがひとつ壁に寄り添うように置かれている……
目に付くのがもうひとつ。それはベッドを囲むように何かの装置が置かれていたことだった。
ここだ……
一目見てわかる。ここで……歌姫さんが実験をさせられたり……たぶん身体検査も行われていた場所……
辺り飛び回っていたマイラが『酷い有様ですねぇ……』と言葉を漏らす。
マイラの言うとおり、ここも辺り一面、血の海だ。壁にも血がべっとりとこびりつき、床にも血の跡がはっきりとわかる。
ふと、ベッドの脇にある小さいテーブルに置かれた本を手に取る。
「これって……」
中を見て思わず言葉が漏れる。
この本は歌姫さんを研究した内容を記した本。そこには研究結果や内容。どういった実験を行ったのか事細かく記載されている。
人体実験……その言葉が脳裏をよぎる。
そしてこの本の背表紙には『歌姫に関する研究内容その七』とかかれている。本を閉じ、辺りを挙動不審と思われてるほど首を右左、前後に動かす。
「あった」
反対側の壁に『ソレ』はあった。
それは、数冊しか入らないような小さい本棚。わたしは駆け寄り血に染まった背表紙を確認する。
背表紙には『その一からその六』までの『歌姫に関する研究内容』が揃っていた。
おもむろに……なぜだか自分でもわからないけど、五巻を手に取り、ページをパラパラとめくる。
「歌の無効化について……?」
その記載内容が目に留まり、文字を目で追い始める。
「歌声遮断魔導機? なんですかねぇ、これって?」
いつのまにか肩に乗っていたマイラがわたしの代わりにその装置の名前を読み上げた。
その魔導機はその名前の通り歌姫さんの声を無効化する装置。歌姫さんの声の音波を逆位相の音波で打ち消して、
歌姫さんの声そのものを『聞こえなくする』装置。
この魔導機のおかげで歌姫さんの声を聞いても死ななくなる。それはそうだろう。だって『声が聞こえていない』んだから。
「今後の目標は魔導機の小型化……その後に魔導機そのものを歌姫に埋め込み遠隔操作での起動を目標とする……か」
装着じゃなくて……埋め込むって……それって歌姫さんをひととして扱ってないって事だ。
「マイラ……うちの城に魔導機詳しいひとっている?」
「ひとじゃなくて魔物ですけど。まぁ、人型の魔物で一匹いますね」
「誰?」
「フィガリア・アレイル。他の魔物から長老と呼ばれているご老体です」
◆
その後、わたしたちはレオンレイクを出てマイラの瞬間飛翔で魔王城へと戻り、その足で長老に会いに『研究室』へと向かった。
「ふむ、作成は可能じゃ。素材も城にあるもので事足りるじゃろうて」
黒いローブを羽織い、長い口ひげを生やした人当たりの良さそうな長老さんは言った。
魔王城の敷地内の端っこに建てられた小さな『研究室』に目的の長老さんは住んでいた。
予想以上のいい答えをもらいわたしは長老さんに『おねがいします』と言い頭をさげた。
「しかし……レオンレイクの魔導技術はまだまだじゃな。こんな簡単な理論も組み立てられずに小型にできんとは。
国が大きいだけで無能な人間ばかり集まったのだろうな。故に滅んだ」
長老さんはわたしが持って帰ってきた研究内容の本をパラパラとめくりそんな事をぼやく。
「あの、何日くらいで完成しますか?」
「ふむ、ゆっくりと作れば三日と言ったところか? もしやこの魔導機は急ぎの物か?」
「あ、いえ、そう言うわけでは……でも三日でできるんですよね」
「ああ、約束しよう」
「なら、三日後に取りに来ますのでお願いします」
「何を言う。儂から魔王様に献上いたすために、こちらから参りますぞ」
「いえ、お越しいただけるのは申し訳ないです。引き取りはわたしから伺います」
「ふむ、そうか。しかしアウラ殿が聞いたら怒りそうなものじゃな」
「あはは、そうですね……」
確かにそうかも、『貴様、魔王としての自覚があるのか!』とか言ってまた、髪の毛を掴まれそう……ううっ……嫌だなぁ……
「では、これで失礼します」
他愛もない会話をかわし、わたしは城へと戻っていった。
◆
「うっ……ぷ」
その日の夕食。わたしは料理を見て吐きそうになった。あの映像がフラッシュバックして食欲をものすごい勢いで削いでいく。
「すいません……気分がすぐれないので……よかったら食べてください」
口を押さえ、何とか言葉を絞り出して、大きなテーブルのイスから立ち上がり小走りで扉へと向った。
「どうした? 食べないのか?」
アウラさんが話しかけるけど、アウラさんにひとつうなずいて扉へと向かう。
「あ、じゃあ、私がいただきまぁ〜〜す!」
マイラは嬉しそうに手付かずの料理に飛びつく。
マイラの声が聞こえてきたけど振り返らずに扉を出て、一目散にトイレへと向かった。
その後はトイレで吐きそのまま部屋へと戻った。
◆
三日後。
晴れ渡った天気の午前中。
長老のアトリエにて
「綺麗ですね……」
予想以上に綺麗な形で渡された魔導機。それは綺麗なペンダント型の魔導機だった。
「極限まで小型化にこだわったらこの形になったのじゃ。まぁ、ペンダントにしたのはリリスの助言じゃがな」
「へぇ〜」
綺麗な翠色をしたペンダント。まるで翠の涙のよう。
「気に入ってくれたかな」
「はい。もちろんです! ありがとうございます!」
これだったら……歌姫さんも気に入ってくれるかな……
「では、申し訳ございませんが、これで失礼します」
大きく頭を下げてお礼を述べ、踵を返して、城へと戻る。
「……ところで、少しやつれたのではないか?」
「あ……そうですね。丸三日、何も食べてないので……」
「そうか。何があったかは知らんが、無理してでも食べんと倒れるぞ」
「はい。お気遣いありがとうございます」
そうだよね……何か食べないとね。
改めて長老さんに一礼すると、魔王城へと歩みを始めたのだった。
◆
「おかえりなさぁ〜いって、なんですか? カバンをもってどこかにいくんですか?」
「マイラ。明日、歌姫さんに会いに行くよ」
「やっとですねぇ? ずいぶんと時間がかかりましたねぇ」
「準備は整ったからね」
カバンにいろいろと詰め込んで明日へと備える。
「これで……」
一歩……わたしの『魔王の消滅』へと近づける……
オマケ・魔王と歌姫 続く
こんばんは、間宮冬弥です。
まずは、この稚拙な作品を最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
今回で四話目です。一応次回で最後となる予定ですので最後までよろしくお願いします。
では、短いですがこれで失礼します。




