遊園地で
「お買い物ですか?」
「あぁ。ちょっと遠くまで行くけど」
今日は、華怜の提案で優孝と二人で買い物行きたいと提案されカルネにそのことを伝えると。
「大丈夫ですか?私もご一緒した方が」
ついこの間、優孝がストーカー男に襲われてから一層優孝の身を心配しているカルネ。
「本当は、その方がいいと俺も思う。だけど、気を張りすげて華怜にストレスを掛けたくないんだ」
「優孝様のお気持ちは分かりますが……」
「俺が一緒にいるから大丈夫だよ。何かあったら連絡するから」
午後。優孝と華怜が屋敷を出発。見送りを済ませたカルネとミーヤ。カルネの手には、何やらレーダーみたいな機械を持っている。
「そ、それは何?」
「優孝様と華怜様に付けておいた発信機を感知するレーダーだよ」
「そ、そんなことしていいの?」
「お二人の身を案じてのことだ。それよりミーヤ。今日は何が起きるか分からない。いつでも出られるようにしておくこと」
「了解」
駅を5つ移動してきた2人。今日行く場所を聞かされていない優孝は、とりあえず華怜歩幅に合わせ隣を歩く。
そして、しばらく歩いていると次第に人の数が増え始めて着いたところは――
「ゆ、遊園地?」
大人気の巨大遊園地だった。
「か、華怜。今日は買い物に来たんじゃ」
「だってそうでも言わないと来れないと思って。ごめんなさい。どうしても一度来てみたくて」
優孝は、小さいため息を吐くと。
「駄目……でしたか?」
服の裾をちょこっと摘んで訴える華怜に優孝は――
「分かった。いいよ」
パッと嬉しそうな顔に切り替わり、優孝の手を掴んで走り出す。
絶叫系をすべて制覇するといつの間にか夜になってしまっていた。2人とも絶叫系の乗り物に強く、すべての絶叫系を乗るとまた乗る。そのローテーション。時々ゆったりとした乗り物もを乗ったが。
「やっぱりあれが一番ですね」
「そうだな」
絶叫系がいいみたいだ。
閉園まで残り1時間半。ベンチに座って余韻に浸る2人の間に会話がない。いや、むしろ今は、こうして喋らない方がなんだか言い気がしているのだ。園内には、帰り始める人とまだ、乗り物に乗ろうとしている人が入り乱れている。
指先に何かが触れている感じがして、チラッと見ると華怜の指先が当たっていて、華怜は、視線を下に向けて頬を赤くしていた。
「……華怜」
名前を呼んだ瞬間だった。首筋に痛みが走り『バチチッ』と電流らしき音が聞こえると同時に意識が薄れる。
「優孝!優孝!」
薄れゆく意識の中で聞こえてくる声と視界には、口を押さえられている華怜の姿。瞼が重くなり真っ暗になった。




