現る
「華怜は?」
「よく眠ってらっしゃいます」
一時的に華怜を優孝の屋敷に泊めることになり、これからの事を話し合うためカルネとミーヤが部屋にやって来た。
「ストーカーは、誰なのか華怜様は、知っているのですか?」
「いや、知らないらしいがストーカーが電話を掛けてきた時、ずっと好きだったって言ってらしい」
「つまり華怜様が気がついていないだけで、どこかで合ってる可能性がありますね」
「華怜は、両親に何って言ったんだ?」
1回優孝の家に着いた後、華怜の家に向けて再び車を発進させた。家に着いた後、華怜は、両親に説得を開始し、華怜は、両親に優孝の屋敷で勉強の合宿がしたいと言ったのだ。その場にいたカルネ。この時まだストーカーの事を聞かされていなかったため、優孝の屋敷で勉強がしたいことが緊急事態だとこの時そう思った。
両親は、あっさりと承諾し着替えなどをまとめて再び戻って来たのだ。
「勉強の合宿か……成績良いのにそれでよく許しが出たな」
「てっきり華怜様の成績を落ちたかと思いました」
「こ、これからどうしますか?」
「学校にいる間は、俺が見る。あとは、そうだな……登校と下校は、カルネ。車で迎えに来てくれ。それから出来るだけ近くにいて護ってあげてくれ」
「かしこまりました」
「ミーヤ。お前は、ストーカーの特定してくれ。学校近辺に不審者情報がある」
「りょ、了解しました」
それから数日間。ストーカーからの迷惑行為がないまま時間が流れ、優孝たちが諦めたんじゃないかと思い始めていたころだった。
『華怜は、俺の物だ!川中優孝!華怜をどこにやった!』
放課後。優孝の下駄箱に入っていた1通の手紙。
「これは、恐らくストーカー。俺のことを知っているのか?」
そして、その帰り道。バスから降りて家まで歩いていると。
「……!!」
優孝の後ろから走ってきた1台のバイクが、猛スピードで突進してきた。優孝は、紙一重でかわした。10メートルほどの所で反転してこちらを向く。顔は、ヘルメットを被っていて分からない。
「お前がストーカーか!?」
すると、バイクの男は、ポケットからナイフを取り出し優孝に向ける。優孝は、確信した。この男が華怜のストーカーだと。




