侵入者、撃退せよ!!
扇子をパタパタ仰ぎながら男たち近づいて行く。
「動くな!」
カルネに銃を向けて警告する。銃口には、銃声を抑えるサプレッサーが装備させている。が、カルネは、止まらない。それどころか歩く速度が少しずつ早くなりギアを変えたように一気に走りだし、距離を詰める。
「ど、どうするよ!」
「撃て撃て!」
男たちは、慌てて銃を発砲。
――しかし。
「な、なんだと!!」
カルネは、飛んできた銃弾を扇子でガードした。
「このメイド只者じゃねぇ!」
カルネは、まず1人。瞬時に畳んだ扇子で腹部にえぐりこむように突き刺し、その反動で後ろに倒れ動かなくなった。もう1人の男からの銃弾をヒラリとかわし、何が起こったか分からない素早い攻撃で、一瞬にして気絶させた。
「……ふぅ」
「何だこいつ!」
ミーヤを前にしていた男たちの目の前では、通常じゃありえないことが起きていた。トランプが自立してミーヤの周りを一枚ずつ、輪の形をして回っていた。何かのトリックなのかそれは、ミーヤにしか分からない。
「それじゃ……まず、貴方から」
ミーヤは、ビシッと男を指さす。
――そして。パチンと指を鳴らすと、宙に浮いていたトランプが束になって集まり。
「……フルハウス!」
トランプの束から5枚飛び出して男の両腕両足腹部に突き刺さった。叫び声をあげて倒れこんだ男。もう一人の男は、今起きたことに怯えミーヤに銃口を向けて5発発砲。それにミーヤが瞬時に反応し。
「フラッシュ!」
5枚のトランプが5発の銃弾を受け止めた。
「や、やめてくれ!助けてくれ」
「フフッ……あははははは。そんなことしませんよ」
再び指をパチンと鳴らし。
「……ストレートフラッシュ!」
「ミーヤ?そっちは、終わった?」
『お、終わったよ。2人倒した」
「こっちも2人。他にもいないか外を見てきてくれ。私は、屋敷内を調べる」
『了解』
翌朝。
「昨日の夜何かあった?さっき銃弾の弾みたいなのあったんだけど」
「いいえ。特にありませんけど」
「そう?……じゃ学校行ってくる」
「はい、いってらっしゃいませ」
「ませっ!」




