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女神のために  作者: 花咲 匠
私を助けて
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第5話 新たな仲間 Act2

第6話目になります。

新たな仲間いよいよ登場です。

木漏れ日を反射して刀身が銀色の淡い光に包まれ、幻想的な光を発する。

深夜はそれからすぐに目を離し、自分も銃と剣を構える。

隣を見ると復活した門番傭兵が自分の得物を構えつつ、少し後ろに陣取る。先ほど深夜にコテンパンにやられたので支援に徹するつもりだろう。

そして、いつ来たのか左にはエアが立っており緊張した顔で深夜を見つめていた。

「できるかぎり、サポートするからっ!」

いかにも緊張したような声でそう言われた。

サポートしてくれるのはとても嬉しいのだがそれなら、俺の横にいないで(というか、前に出ないで)傭兵門番の隣にいろよ……深夜は内心そんなことを思ったが自分の心配をして隣にいるエアに気をつかい、そんなことはおくびにも出さなかった。

 「ありがとう、助かる」

 「……ホントは後ろにいろよって、思ってるわね」

 疑問符ではなく断定口調で言われたので思わず仰け反った俺だがキッパリと否定する。

 「イヤ、そんなこと欠片も思っちゃいないぞっ! 助かるのはホントだしっ!」

 「そうかしら。 ま、そういうことにしといてあげる」

俺に対する信用がガタ下がりじゃないかと心の中で今更ながらに考えたが雑念を振り払い、集中力をかき集める。

やっと深夜にも気配が察知できる位置まで来たのか前方に2つの気配を感じる。

さすがに、誰かはわからないが敵か味方かぐらいは殺気の有無でわかる。

そして目の前にいる気配は恐らく敵である。

深夜ほどの使い手が首から冷や汗が噴き出すほどの濃密な殺気であり、太一も同じようにしている。

傭兵門番はすでにほとんど動けないようになっており、口から苦しそうに声を漏らしている。

一夜だけは冷や汗どころか、身じろぎ一つせずいつもの軽薄な笑みを顔に湛えていた。

それに、一夜から殺気をまるで感じない。 

普通は強い殺気を受けると傭兵門番のように動けなくなるか、深夜と太一のように反発して意図せずとも殺気が溢れ出るモノなのだが一夜は元々の実力が高いのからか一片の殺気も滲み出ていない。

そんな一夜に深夜は若干、ホントに若干感動しながら見ていたが急に一夜があらぬ方向を見て、ほぉ?という顔で呟いた。

「なるほど、上達したなぁ。 でも、俺は欺けんぞ?」

そう言った途端に向き直っている方向とは逆の後ろから、うっ、という呻き声があがった。

「全く気配がしなかったぞ……オイ。 敵だったらヤバかったな」

太一が深夜を見ながら言った。

深夜も気配を読めなかったのを見抜いており、それをわざと公言するとは太一が 新たな気配の主を実力者と認めたからだ。

本人がこのような回りくどいコトをするので付き合いの長い深夜くらいしか太一の本心に気付かない。

「今のは完璧にできたと思ったのに……、まだまだ修行が必要ね」

茂みの奥から一人の女性がまるで影から生まれるがごとく出てきた。

全く予期していなかった場所からの登場に一夜と女性以外のこの場にいる全員がギョっとなった。

しかも、かなりの美貌の持ち主でジャンプスーツに似た服を着ており体の線がハッキリと出ていてかなり際どい服装である。

こんな姿で町にでたら警察に職務質問されるか、そのまま捕まるに違いない。

「フフフ、そんなに驚かなくてもいいのに」

女性の割りに低い声で艶っぽく笑うと、一夜に深々とかつ慇懃に頭を下げた。

「お久しぶりです、わが師。 この度、帰還したこと私は嬉しく思いますわ」

「いやぁ、若菜、久しぶりって……つい一昨日も会っただろ?」

女性もとい若菜のとても好意的な挨拶にタジタジとなり応える一夜。

「私にとっては、一昨日であろうと昔のコトですわ。 それで、そちらの方々は?」

特にエアのほうを凝視しながら一夜に問う。

若菜の視線を受けて、エアが身震いしたが深夜はそちらには気付かずこの女性が茂みから出てから終始、冷や汗を流している。

というのも、この若菜と呼ばれた女性は全く無関係なヒトではなくかなり親密な仲なのだ。

今は髪を下ろしているので恐らくバレてはいないだろうがこのままいくと時間の問題だろう。

ビクビクしながら一夜の反応を待つ。

できれば、正体をバラして欲しくないと心から願いながら。

「オイオイ、そんな目するなよなぁ~。 恐がってんだろ、エアちゃんが」

「エアちゃん?」

ますます剣呑な目になり、一夜が慌てて説明する。

「違う! 俺じゃなくて、深夜が連れてきたんだぞ! 俺は何も悪くないとも!」

なぜか胸を誇らしげに反らしながら言う。

ついでに俺のコトもバラしやがってからに……と深夜は半ば諦めモードでそんなコトを思った。

「深夜がツレテキタ?」

まるで、初めて聞いた単語を反復するこどものように言った。

いつもはとても好意的な彼女だが、このときは平板な声音だった。

過去の経験からして若菜がこうなるときはいつも怒ってるときだ。

そして、ギギィと音がしそうなぐらいぎこちない動きで長髪を下ろした少年。

つまり深夜のほうを見た。

「どういうコトか説明してくれるわね、深夜?」

先程よりも8割り増しで剣呑になった視線を受け止めつつ、深夜はタジタジとなり答える。

「い、いやぁ~、これには事情がありましてですね、はい。 若菜、落ち着いて聞いてくれよ?」

「いいからそこに座りなさい、深夜!!」

「――っ!! はい、すみませんでしたぁ!!」

しどろもどろと言い訳という名の説明を始めた深夜だったが、若菜の迫力に負けて説明を断念した。

そして、若菜のそばに腰を下ろし正座をしながら来るべき説教に備える。

「深夜、あなた私というヒトがいながら他の女の子に手を出すなんて許せないわ!」

「オイ、ちょっと待てっ! 誤解だぞ、誤解!! 手なんか出してないぞっ! それに若菜とそんな関係だったときなんてないだろ!?」

前半は勿論、若菜に向けて、後半は非難めいたエアの視線を受けて釈明する。

それに対し、若菜が悩ましそうな声音で告げる。

「あぁ、私の初めてを奪っておいてよく言うわ……」

今度はエアがギギィと音がしそうなぐらいぎこちない動きで深夜のほうを見た。

今までに見たことがないくらい目が恐い。

「どういうことかしら?」

低い、感情の感じられない声音で言われたので深夜はタジタジとなった。

「違うっ! 誤解だぞ、誤解!! ヘンなコトはなにもしてない!」

「私の唇を奪ったのに?」

「ひゃうっ!? あ、あれは事故だろうが!」

深夜の奮戦(というか言い訳?)虚しく、さらりと若菜がカミングアウトしたのでヘンな声が出たのに加えどもりながらまだ諦めずに言い訳を始める。

 「へぇ、深夜は事故で相手の唇を奪うの?」

 エアが恐ろしく不機嫌な声で問題の人物に問う。

 当の本人は今までの実力が嘘のように小さく固まっており、傭兵門番が訝しげな表情で見ている。

 ホントにさっきと同じ人物か?と思っているのである。

 太一はいつものごとく顔にニヤニヤ笑いを浮かべており、完全に傍観者となっている。

 一夜も太一の隣で同じようにしている。

 「違うってばっ! あれはたまたまぶつかっただけで……」

 そこで若菜のジト~とした視線に気付き、言葉を噤む深夜。

 「・・・・・・」

 「な、なんだよ。 ……恐いから喋ってくれよ」

 思いつめた顔でこちらをずっと見つめ続ける若菜にプレッシャーを感じ、思わず嘆願する。

 「私はあなたに……」

 「うわわわああああっっっ!!! ちょっと待って! わかった、なんでもするから、そのへんにしてくれ!」

 言葉を続けようとした若菜を大声で遮り、これ以上穴を深くするのを防いだ。

 「わかったわっ! じゃあ、今度デートしましょう!」

 「いや、そういうコトじゃなく……」

 さっきまでの表情が嘘のように吹っ飛び、明るい笑顔が弾けた。

 「フフフ、深夜とデート……」

 それに、話を全く聞いていない。 思いっきり自分の世界に入った声がかぎりなく危ない。

 「いやぁ、いつの間にそんな仲になったんだ深夜?」

 「放っといてくれ……」

 面白がるような声音で一夜が聞いてきたので適当にあしらう。

 「お前の周りにいると退屈しないな」

 「・・・・・・」

 なぜか、感心したように頷く太一に睨みを利かす。

 「で、説明は?」

 「わかった。 誰にも言うなよ?」

 ひとりだけ低い声でたずねるエアに渋々説明する

 話の内容はかなりの黒歴史、いや暗黒歴史なので公言はしないっ!と心に決めていた深夜が諦めたように話し出す。


読んでいただきありがとうございます。

若菜の強烈なキャラいかがでしたか?

なんだかエアのライバルになりそうな予感がしますねぇ。 いろんな意味で。

それでは、彼らの次の活躍に乞うご期待!


それでは、また会う日まで

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