かくれんぼ:第6話
その瞬間血の気が引くのが分かった。
殺される!雄太は目の前の階段へ急いで向かう!
心臓が今にもはち切れそうだ。それにしてもさっきの写真・・・
あの女の子に似ていたような。まさか。
二階も一階と同じような部屋の配置になっていた。
少し歩き真ん中まで行ったところで右を向く。
奥のほうまで部屋が続いていた。
ひとまず隠れなければ。
一番奥まで行き物置らしき部屋に入った。
辺りを見渡すさまざまな物が置かれていた。
本のようなもの、衣類、使わなくなったのだろうか、
人形や古いおもちゃも置いてある。どれも埃が被っている。
パラパラと本を捲っていると下にアルバムらしきものが見えた。
これは何だ?
開いて見て見ると白黒の写真が入っていた。
あの女の子の父親?
そこにはまだ若々しい30代ぐらいの男性が写っていた。
次々捲ると男性と同じ年頃の女性も写っていた。
そして女の子が笑顔で両親と遊んでいる写真が。
ふと気づくと夢中になって写真を見ていた。
「もうい〜か〜い?」
背筋がゾクッとした。
声が近づいてくる。後ろを振り返った。
そこには写真の中の女の子と同じおかっぱ頭の子が・・・
「お、同じだ・・・」
一階で見たのは・・・
死んだはずじゃ・・・
「見〜つけた!」
雄太は体が固まって全く動けなくなった。
これが金縛りというやつか。
だんだん意識が薄らいでいく。
俺はどうなるんだ?
「う、うぅ」
「大丈夫?」
目が徐々に開くとそこにはキツが。
「キ、キツさん?死んだんじゃ?」
キツはおかしな顔をした。
「何寝ぼけたこと言ってるの?あんた気を失っておかしくなったの?」
「へ?」
「突然倒れるからびっくりするじゃない!」
「倒れるって?」
「あんた倒れたのよ。覚えてない?」
「い、いや・・・」
「もう〜 心配したんだから。ねぇ恵ちゃん。」
恵?
恐る恐るキツの後ろを振り向いた。
そこにはあの女の子が。
「あんたが気を失っている間ずっとこの子を見ていたのよ。迷子みたいだから。」
雄太は震えた。
「な、なんで?」
その時女の子がキツに聞こえないほど小さな声で言った。
「また遊ぼうね。お兄ちゃん。」