答え合わせは猫がする
「答え合わせは猫がするから安心していいぞ」
明るくファンキーな声でそう言うブルーノ先生に、たまらなく不安になった。
「先生」
僕は手を挙げていた。
「人間の先生にやってほしいです」
「オニー・オズポーン」
先生は僕を叱責した。
「猫を舐めるなよ」
執務室へ行ってみると、猫は全力で答え合わせに励んでいた。
僕は自分をたしなめた。
『猫はあんなに全力少年じゃないか!』
僕も全力で何かを成し遂げたい。
思えば今まで全力で何か一つ事をやったことがあっただろうか?
ほんの一瞬でも、猫のすることに不安を覚えた自分を恥じた。
僕は猫以下だ。
猫の手も借りたいなんてことがあったけど、うぬぼれていたのだ。




