エピローグ
到着したところはレンとリコの魔道具屋だった。町の方から『豊穣祭』の音が聞こえる。サクラは二人の店を見て「いいなぁ~」と言いながら物色していた。めえは咳払いをしてサクラの注意を引く。
「またしばらく会えなくなる。挨拶を済ませておくことだ。」
そう言われてサクラは一歩前に踏み出す。
「レン君、リコちゃん……。ご結婚おめでとう!アタシはあなたたちに出会えてとっても幸せだったよ。これからなかなか会えないけど、ずっと友達でいてね?」
レンは何か思い出したように走って家に入っていった。代わりにリコが話す。
「私こそサクラさんと出会えてとても良い思い出が作れました。もちろん、これからもずっと友達ですよ。」
めえは時間を気にして「そろそろ戻ろうか」とサクラに言いかけると、レンが家から走って戻ってきた。息を切らしながらレンは小さな輝くものをサクラの手に渡した。
「先生……じゃなくて、めえ様、止血をお願いしてもいいですか?」
それを見て納得したのか了承した。三人それぞれ耳の一部に針穴のような穴をあける。そして、レンが渡したものを穴に留める。三人はお互いの耳を見る。
「これはね、この工房で初めて作った物なんだ。レン調査隊のイメージでデザインしたんだ。青のルナティクスがオレ。左の紫のルナティクスがリコ。そして、右の橙色のルナティクスがサクラさんだよ。」
「二人で魔法の配置も決めて、丹精込めて作った仲間の証です。これを見て、思い出してくださいね。魔法は【大海】【灼熱】【氷結】が入っています。調査の時に大活躍した魔法たちですよ。」
サクラは感情が抑えきれなくなり二人に飛びついて大きな声で泣いた。レンもサクラも一緒になって泣く。そんな光景を見ていためえは優しい顔でその姿を見つめていた。
「オレたちレン調査隊は」
「いつだって」
「どこにいても」
『いつもそばにいるよ!!みーんな大好き!!』
その言葉が地底世界を木霊していく。
三人の学園生活は幕を閉じたが、これから先、彼らは久遠ともいえる永い人生のスタートが今始まったのである。彼らがこれからどのような活躍するのか、それはまたの機会に話すとしよう。
ケモノの調査隊 完
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