サクラの最後っ屁!
学園長室から部室に帰る道中、三人はふくの「大好きじゃよ」という言葉を噛みしめていた。
「アタシ、独身のオスだったら、ふく様にぞっこんになっていたかも。」
「すごくうれしい言葉だもんね。」
「そうですね。とても安心する、そんな気持ちになりました。」
「そういえばレン君、女王様の豊満なお乳はどうでしたか~?」
「や、どう……って。サクラさんだって大興奮だったじゃない!?」
「いや~。アタシと同じ背の高さなのにオトナって違うわよねぇ~。」
サクラは腕を組んで何かを実感したような表情で語っていた。するとリコが傍に来て、何やらもじもじしていた。レンは疑問に思い、首をかしげる。
「レン君はその……お乳が大きい女性の方が好きなのですか?」
「いやいや!そういうわけじゃないよ!?お、オレはサクラさんのが好きです……。」
「スケベだわ……。」
「レン君はもともとスケベです。」
「な!?……も、もうそんな話はいいから、早く部室の片付けをしに行くよ!」
レンたちが話していると、部室へ到着した。中に入り、荷物をまとめた。次にこの部室を使う人たちのために、入念に掃除した。
自分たちの持ち込んだ道具とかはなかったが制作したものをどうするか悩んでいた。風の精霊を付与している魔道具をサクラはぎゅっと持ってレンに近づく。
「レン君。これ、アタシもらっていい?」
それを見てレンは魔道具の様子を見る。
「うん。壊れてないから大丈夫だよ。」
「そうじゃ、なくて……レン君が作ってくれたものだし、思い出として持って帰りたいの。」
「みんなで作った物だよ。それに、使えない人が持ってても道具は悲しいし、使うことができるサクラさんが持ってくれると、シルフも喜ぶよ。ね?リコさん。」
「はい、使いこなせる人にしっかり手を貸すように言いつけているので使ってください。もちろん壊れたらみんなで直しましょう。」
サクラは魔道具を机に置き、レンに飛びつき、抱きしめて、頬にキスをする。再び魔道具を持って部室の出口に走り、扉の前で止まった。
「レン君のバーカ!ニブチン!……また、『豊穣の儀』で会おうね。……アタシのだいすきなヒト。」
サクラは勢いよく部室を出ていき、その足音は一気に遠くなる。レンは突然のことで、茫然としていたが、だんだん言葉の意味が分かり尻尾が膨れた。
「な、なんだい……オレには嫁さんいるのに。」
「調査の時に、レン君が報告書を書いているときに、サクラさんと話して、レン君のことが好きだと伺っていました。」
「リコさんは知ってたの!?」
「はい。あのような形で奪いに来るとは思っていませんでしたが、諦めてくれたようです。」
レンは苦笑いを浮かべながら、隣でフンスコしているリコを見た。サクラが去り、部室の片付けもほとんど終わった状態なのでレンたちも帰ることにした。
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