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リコが目を覚さない!

 レンが目を覚ますと、サクラの頭がレンの腹部に乗っている状態であり、起き上がれなかった。

 サクラの背中をポンポンと叩くとハッとして起き上がり、サクラと目が合う。


「レン君!?目が覚めた!?先生!!レンくんが目を覚ました!」


「聞こえている。リコはまだ寝ているのかね?」


 レンが隣を見るとリコが眠っていた。起き上がるとめえがレンのもとへ来て、触診をして頷いた。


「ふむ、お前はもう大丈夫なようだな。それと、お前から見て、リコの状態はどう思う?」


 レンは静かに寝息を立てているリコを見て頭をなでる。レンは寝ていても綺麗な顔をしているリコを見て鼓動が早くなる。そして、思い当たる事を口にした。

 

「……たぶん、精霊王の召喚で体力をごっそりと持って行ったということと、オレと完全なリンクをしたことでの疲労があるのかもしれないです。」


「完全なリンク?魔力を同期させる、あのリンクのことで間違いないか?」

 

 レンは頷いて、リコの首にかかっているネックレスを取り出し、それをめえに見せる。


「以前、たま様に【召喚】と【重撃】の相性のいい紋章を伺ってその場で作ってもらったものなのです。その時からまた紋章の形は変形しているのですが……。」


「確かにこの紋章は見たことがないな。ただ、リンクはあくまで同期であるから副作用はないはずだが。」


「オレもよくわからないのですが、あの時、リコの魔力とオレの魔力が混ざり合って一つの魔力になったんです。」


 めえはあごに手を当てて考えていたが思い当たることがなかったのか、難しい顔をしていた。

 そして机にある魔道具のスイッチを押して魔力の波動が外に響く。それだけで何も起きなかったが、めえはレンの魔力とリコの魔力が一つになったという事例がないか、本棚から本を取り出して確認していた。

 しばらくすると、保健室の扉が開かれる。入ってきたのはポチおとにゃんであった。


「やあ、めえさんどうしたの?」

 めえはハッとしてポチおに迫る。どうやら先ほどの魔道具はポチおを呼び出す魔道具らしく、ポチおは魔道具のスイッチを切る。

 

「ポチお、お前は以前にゃんに魔力を明け渡したことがあったな。リコを見てほしいのだがいいか?」


 いきなり迫られたので少し後ずさりしていたが、めえに無理やり手を引かれリコのもとへと連れていかれる。ポチおはリコの額に手をかざして無言で集中した。その様子を全員が見守る。終わったのか「ふぅ」とため気をつき背伸びをした。

 

「何かわかったか?」


「うん。レン君、キミはこの子と【共鳴】したでしょ?」


「きょう……めい?あの……完全なリンクのことですか?」


「そうそう。今、この子の魔法を少し覗いてみたんだけど、キミの魔力……いや、魔法の解析に時間がかかってるみたいで、それで目を覚ますことができないんだ。」


 ポチおはそう告げるとその場にいる全員に?が浮かび上がる。

 

「もう少しわかりやすく説明してもらえないか?」


「うーん、ふくさん呼んだら早いと思うけど。今、機嫌悪いしな……。あとはこの子の作った魔法の解析装置使うか。」

 

「あ、それならアタシ部室にとりに行ってきます!」


 サクラは走って保健室を飛び出した。

 にゃんはポチおの説明に疑問を感じ、質問する。


「私たちの時とは違うの?」


「いや?ほとんど一緒だと思うよ。ただ、今回は二人ともが補助魔法だったから複雑なんだろうよ。オイラたちは【結合】と【変圧】の事象魔法で解析が簡単だったから脳みそに負荷がかからない感じ。」


「では、パートナーのとなった時よりさらに変質している可能性があるってことなのか?」


 ポチおは自信満々で頷くと、腕を組んで椅子に座った。めえは難しい顔をしながら呟く。


「確かに、変質するときには本人が魔法を使いこなすための準備期間があるとは聞いたことがあるが、補助魔法同士はこれほど負担になるのか……。パートナーに制限をかける必要が……いや、それはダメだな。」


 サクラが息を切らしながら解析用魔道具を持ってきた。それをリコの腕に装着し、めえが魔力を流そうとするとポチおが止めた。ポチおがレンの腕を引き魔道具の前に立たせる。


「【解析】をリコの中にお前の魔力と共に流してやるんだ。お前はまた寝ることになるけど、すべての魔力をこの子に分け与えてやる。もともと【重撃】はお前の魔法だからリコの力になるだろう。これは夫であるお前しかできない。いいな?」


 そういうと、めえも納得したように後ろに下がり、レンは魔道具に集中してリコに魔法と魔力を注いだ。

 レンはそのまま意識を失い、椅子から崩れ落ちていく。床に落ちる前にポチおはレンを抱えて、再びベッドに寝かせた。

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