極限魔法をぶっ放せ!
巨大な紋章の光が消えると同時に紋章も同時に消えた。カレンは突然消滅した紋章に戸惑い、周囲を確認する。
魔力による感知範囲を広げると、上空に強い魔力反応があり、跳び上がる。蛇や龍のように変則的にうねりながら無数の白い光がカレンに迫ってくる。
聖剣の力を最大まで発揮させているカレンに斬れないものはない。どんな数の攻撃にもひるまず全て斬り捌いていく。
「っ——!まだ……まだまだ終わってません!」
リコが魔力を再度込めると、ネックレスが光り輝く。レンはその光を見て、中にある紋章を見る。
リコも同じように紋章を見て、レンと目を合わせる。二人は戦いの最中ではあるが、時が止まったような錯覚を感じながら口づけをする。すると、二人の魔力が一つになりレンは魔力が身体の中を巡って体が動くようになった。
「レン君……?あなたは暖かい魔力をしていたのですね……。」
「リコさんも……とても安心する魔力をしていたんだね。」
レンはリコと手をつなぎ、魔法が発動しているところに手をかざす。
「リコさん、魔力を使わせてもらうね。『精霊王の術よ。我が【重撃】の魔法にてその力を昇華し、敵を打ち倒さん!』」
レンは今発動している精霊王の術に【重撃】を練りこませた。普通ならレンはこの魔法を発動した瞬間、二人はごっそりと魔力がなくなった感じを覚える。
魔力枯渇を引き起こし、死亡してしまうほどの魔力消費ではあったが、ネックレスの力でリコと魔力を共有しているため魔力枯渇をしなかった。
急に攻撃の手数が増え、カレンはだんだん捌ききれなくなってきた。攻撃こそ受けてはいないが、紙一重で回避していくことが増え、思わず焦る。
横目でレンとリコを見ると二人が同じ魔力をしていた。双子であっても魔力が同じということは普通あり得ないのだが、カレンはそんな法則なんて気にもしていなかった。現に同じ魔力を持つものが存在している、それだけの事。目の前の攻撃に集中した。
うねってくる光は四肢を拘束しにかかるもので、直線的に早い光はカレンを的確に狙ってくる攻撃用の光であることが分かる。それぞれの速度が違うので【自動】での対応は難しい。
「魔法を封じてくるなんて、すごい観察力だ!」
捌いていると、一瞬攻撃に間が空いた。カレンはふぅ、と一息ついて攻撃に備える。
「レン君!次で決めます!詠唱を一緒にお願いできますか?」
「うん!準備できてるよ!」
カレンは上空を睨んでいたが、濃密な魔力を察知し、レンたちの方へ向く。
「来る……。とんでもないものが来る!」
剣を構えて来る攻撃を待ち構えた。普通の戦闘なら詠唱中の術師は放ってはならない。だが、彼女は自分の実力に自信があり、今まで強い術師の詠唱をわざと見逃して、正面から打ち破ってきた。
今回も彼女のプライドがその行動を選ぶこととなる。レンとリコは目を合わせて、頷くと詠唱を始める。
「『二つの魔力が共鳴し、重なり合うとき、わが術はすべて彼のために、わが術はすべて彼女のため、互いの力を昇華させん。精霊王よ、われらの声を聴き願い奉る。無双の騎士に痛烈なる一撃を与え給え。』」
——ほう、我を呼び出すことができる者がいたとはな。中々の実力者だ。褒美としてその願いを叶えてしんぜよう。
レンとリコは突然聞こえた声に戸惑っていたが、途中で意識を失った。それと同時に【自動】でも対応できない速さの攻撃がカレンを包んで、競技場全体がホワイトアウトした。
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