観戦するヒトたち!
観客席に座ってみていたポチおはレンたちとカレンの試合を見て笑っていた。隣で同じように試合を見ていたにゃんも水を飲みながらニコニコしていた。
「じゃじゃさん、絶対怒られるぞ。」
「そうね。でも、彼らは全然諦めてない。さすがドラゴンの【煉獄】を耐えただけはあるよ。」
試合を見ていたポチおの前に突然九本の尻尾で顔をふさがれた。その尻尾の持ち主が振り返ると、ふくであった。
「犬っころ。なぜじゃじゃはわしの生徒と戦っておる?」
「あ、ふく様。なんか、リコちゃんが決闘を受けたんだって。」
「ほう、あの野狐、なかなか好戦的だな。」
「ヴォルフ様、お久しぶりです。」
ポチおは特に気にしている様子はなく、ふくとヴォルフと会話していた。にゃんは、聖剣の魔力に当てられ、気を失った生徒の介抱をしていた。
「これじゃ、せっかくの観客が試合が見れんでかわいそうじゃの。」
指でクルッと円を描くと、競技場の観客席に結界が張られた。ポチおは何かの気配を察知して競技場の壁から身を乗り出した。目を細めてサクラの持つ魔道具を見ているようであった。
「あの魔道具になにかありそう?」
にゃんがそう聞くとポチおは目を輝かせて手をワキワキさせていた。
「あの魔道具すげえな。ワンチャンじゃじゃさんに勝てるんじゃね?」
「あ、犬。そろそろデバイスの手入れしてくれねぇ?」
「不具合でも出ました?」
ポチおがそう尋ねると、ヴォルフの両足についているデバイスを見せて可動部分を動かす。すると金属がこすれるような音がしていた。
「最近、軋んできてる気がするんだ。変な音するし。」
「それじゃあ、今日この試合の後でもいいですか?」
ヴォルフは頷くと、試合に集中した。ふくは口角を上げてとても楽しそうで悪そうな顔をしていた。
☆
「さあ!八割の力だよ!君たちはどうやって対応する?」
カレンは聖剣を上空に掲げると光の帯は十二本に増えていた。単純に一振りで追撃が十二発飛んで来ることになる。
レンは寒気を感じ、反射的に杖を振り、魔力弾を飛ばす。今までと違い、大きさはそこまで大きくない。カレンは一薙ぎしようとすると止められた。今までにない感覚で、驚いていた。光の帯が総動員しても止められない。カレンは力をさらに籠めると聖剣の光が強くなり、魔力弾をかき消した。レンの杖に付けていた魔石が割れる。
「っ!?やっぱ無理したか!サクラさん、準備できた!?」
レンがサクラを見ると、集中しており、魔力が安定していた。リコが風の精霊と話をつけて暴走を防いでいたようだった。
「それじゃあ、行くよ!」
サクラは【加速】魔法を使い、カレンに迫る。それは風の精霊のシルフによる追い風も乗り、カレンの反応速度を超え、一気に間合いに入る。
「でぇりゃあぁぁぁ!!」
精霊魔法が乗っている一撃がカレンに襲い掛かる。
サクラは決めるつもりで特攻したのであった。
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