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学生生活最後の戦闘訓練!

 どこから広まっていたのか、すでに競技場の観客席には全学生が集まっており、大盛況であった。

 それもそのはず、歓迎祭で魔法技術部が競技系クラブのパフォーマンスを余裕に凌駕する内容であったため、もう一度それが見られるのかと皆、待ち望んでいた。

 しかも相手は近衛師団長ときているため競技系だけではなく、学園のみんなはその雄姿を見ようというのが目当てである。レンとサクラが競技場入ると盛大な歓声に包まれる。その観客の数にびっくりして呆然としていた。


「え?え?なんでみんなここに集まっているの?」


「あ、アタシたちただの実験でここに来ただけなのに……。」


 戸惑っていると入り口からリコが入ってきた。


「リコさん!これ……どうなってるかわかる?」


「すみません。保健室の先生に競技場の貸し出しを申し込んだところ、近衛騎士団長もいらっしゃって、実験も兼ねて闘うことになりました。しかし、この観客は一体……。」


「はは~ん、噂好きの仕業だろうね……。でも、そうなったのなら、やってやろうじゃないの。」


 サクラはやる気満々で構えていた。レンとリコは困った顔をしながら頷き、向かい側の入り口を見た。すると、全身鎧姿のカレンが現れた。腰の聖剣を抜き、上空へ掲げた。


「皆の者!静まれ!」


 その大きな声は【拡散】の魔法など使わなくとも、競技場全体に響いた。そして競技場は静まり返る。


「我は今より、学園最強のこの三人。レン、リコ、サクラを相手にし、正々堂々闘うことを誓う。」


 剣を地面に刺し、レンに目配せをする。レンも一歩前に出て、【拡散】のルナティクスを口元に当て、緊張した表情で宣誓する。


「私たち、レン、リコ、サクラは近衛師団長じゃじゃ様に正々堂々と戦うことを誓います!」


 そう告げるとめえが上空からふわりと飛び降りてきて、レンの持っていたルナティクスを持っていく。

 

「この試合を正式な試合として私が見届ける。我が名はめえ。王直属の護衛隊長、並びに宮廷魔術院院長の名においてこの試合を承認する。両者位置について……。」


 レンたちは競技場の指定の位置につき構える。レンは少し改良した杖、リコは開始と共に発動できるように魔力を纏い、サクラはまだ布に包まれたままではあるが魔道具を構える。対して、カレンは聖剣を両手で持ち構えた。

 めえが小さな石を投げる。そして、炸裂音が競技場内に響き渡る。レンはすぐさま杖を振り先制の魔力弾を飛ばす。

 カレンは何事もないように払いのけようとしたが何かを感じ、紙一重で避けた。バランスを崩したところにリコの風の弾丸と水の弾丸が撃たれる。カレンは何も動じていないのか、その体勢のまま風の弾丸と水の弾丸を切り伏せる。それだけでなく、死角の追撃までも捌いていた。

 サクラは【幻惑】残像を増やして【幻揺】の魔道具でカレンに斬りかかった。変則的に曲げられた斬撃もカレンにとっては朝飯前なのか簡単に受けきられてしまい、カウンターを仕掛ける。

 サクラに当たる瞬間、レンの魔力弾がカレンの胴体にヒットし、吹き飛ばした。今までダメージを与えられなかったレンの攻撃は鎧をへこませることに成功した。サクラが後退すると、リコはすかさず追撃を入れる。

 

「『大地の怒りよ、彼の者を地竜の牙で穿て!』」


 二本の巨大な岩槍がカレンを打ち上げ、上空から二本の岩槍がカレンに向かって襲い掛かる。彼女は打ち上げられている最中に実感していた。


(いやぁ……。わんこと同じことしてくるコ、初めてかも……。)


 ニィッと口角を上げ、目を見開く。カレンは魔力を解放し、追撃の岩槍を切り刻み、払いのける。その払いのけた石つぶてがレンたちに襲い掛かる。サクラは【守護】のルナティクスを取り出し、詠唱をする。


「『守護の力よ、われらを守り給え!』」


 白い光の結界が石つぶてをすべて防ぎきる。しかし、カレンはすでに距離を詰めており、結界を聖剣で切り払う。ガラスが割れるような音を響かせながら壊れる結界をしり目にレンに向かって剣の腹でレンを吹き飛ばしにかかったが、サクラがそれを許さず、【強化】と【加速】のルナティクスで身体能力を上げて、聖剣を持っている腕に蹴りを入れて軌道を逸らし、リコが詠唱を始めた。


「『水の精霊、ミズチよ。彼の者の自由を奪う水の檻に閉じ込めよ!』」


 サクラの蹴りに気を取られていたカレンはリコの詠唱を止められず、水塊に閉じ込められた。三人は距離を取り、体勢を立て直す。


「ゾウさんのように閉じ込めましたが……。いえ、ダメそうですね。」


 リコの言う通り、水塊は切り刻まれた。彼女の聖剣には光の帯が八本生えていた


「水を斬れる剣ってアスランさんの剣と同じ性質なのかな……?」


「ですね。魔法や普通の剣では水は斬ることができません。」


「……二人とも、ちょっといいかな?」


 サクラが申し訳なさそうに口を開き、何事かと思うと布に巻かれた魔道具を持っていた。


「この魔道具を使ってみようと思うの。それで……暴走したら、止めてもらえる……かな?」


 レンはにっこりと笑い、サクラの肩に手を当てる。反対の方にはリコの手が乗る。


「当たり前だよ!オレたち仲間でしょ?」


「もちろんサクラさんの手助けさせてもらいますよ。」


 サクラはうつむき、二粒のきらりと光るものが落ちた。


「アタシたちに……ケンカ売ったことを、後悔させてやるんだから!」

いつもありがとうございます!

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と思って貰えましたら、

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