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王と女王の思惑!

 無事に調査を再開したが、ドラゴンの放った【煉獄】の威力はすさまじく以前調査したところは地形も含めて諸々変わっていた。変わってしまった地形を地図に描いていく。

 魔獣掃討は【煉獄】で周囲の魔獣は皆、巻き添えを食い絶滅してしまったようで姿がみえなくなっていたのである。ドラゴンの脅威を肌で感じ取りながら歩いていた。


「あのドラゴン、斃せたんだね。」


「はい、レン君の【氷結】を【重撃】増やしてもらったので凍らせて、サクラさんが魔力弾でとどめを刺したんです。」


 サクラは大事なことを思い出して、レンの前に出て手を合わせる。


「あーーー!レン君ごめん!あの杖、粉々に砕けちゃったの……。」


「ううん。大丈夫だよ。使うべき人に使ってもらえてよかったよ。もっといい案が浮かんでいるから帰ったら作るんだ。その時はまたサクラさんに使用感を聞きたいからお願いするよ。」


 レンがそういうとサクラはジャンプしながら喜ぶ。するとリコが傍に来て、レンの服の袖を引っ張り、上目遣いで見る。


「私にはないのですか?」


「もちろんあるよ。それに、リコさんの力を貸してほしいんだ。」


 リコは嬉しそうに尻尾をふりふりしてレンの前を歩く。


「早く帰って、卒業したら……魔道具屋を開業しましょう♪」


 リコはいつになく上機嫌で調査をしていた。


 ☆


 王城の王の間でガブはヴォルフとふくの前に立ち、報告を上げていた。レンたちのいる場所から大体一週間で到着するところを半日で走って帰っていた。氷狼は足が早いというレベルでは済まない速さである。


「以上が報告になります。」


「うむ、ガブとうさ子よ。お前たちはよくやった。下がってもよいぞ。」


 ガブとレプレは報告を済ませると、執務室から出ていった。ふくは腕を組んで安堵のため息を出す。


「なんじゃ?ぼるふ。」


 ふくの後ろにはヴォルフが立っていた。相変わらず音もたてずにふくの背後に立つ。


「聞いたぜ。学園の生徒がドラゴンを討伐したって。」


「それでも、レンが死にかけたという報告が上がっておるからの、すべてうまくいったわけじゃなかったようじゃ。」


「それでもだ。ドラゴンを討伐する実力があるなら、次回の調査隊に組み込むのもありなんじゃないか?」


 ヴォルフが提案するが、ふくはあごに手を当てて難色を示していた。


「それなんじゃが……。」


 ふくの提案にヴォルフはにやりと笑い


「いいじゃないか。その案に乗ってやろう。」


「それも大事じゃが、『豊穣の儀』はいつ行うのじゃ?」


「そうだな……。あの三人組が帰ってきたら、特別に参列してもらおうか?」


 そういうと、露骨に嫌そうな顔でヴォルフを睨んだ。両手を上げてやれやれとすると、ふくが拒否できないように理由を説明する。


「いいじゃないか。この学園始まって以来、最高の生徒なんだろ?じゃなきゃ学園祭にも、卒業試験の内容発表にも出てこなかったろ?」


 そう言われ、図星だったのかふくは腕を組んでため息をついた。頬がぷくりと膨れていた。

 

「わしはあの後のことを見られるのが嫌なんじゃ。じゃが、ぼるふがそういうなら……しょうがないの。」


 ふくは諦めたように執務室の机の前に座り、作業を開始した。ヴォルフはニマニマと笑みを浮かべて、仕事をする服を眺めていた。もちろんその後、邪魔だという理由でヴォルフは追い出されたのである。

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