調査再開!
サクラが目を覚ますと、外から食欲をそそるにおいがしたので、外に出るとガブが朝食の準備をしていた。サクラは炊事ができる紳士だと思った。
「おはようございます。昨夜はすごく眠れました。ありがとうございます。」
「おはよう。すぐ食べるか?」
「あ、はい。いただきます。レプレさんは……?」
サクラが周囲を見渡して探していると、ガブは鍋の具材をかき混ぜていたお玉でレプレのいる方向を指した。
そこを見ると、衣服が乱れており、割と危ない格好で眠っていた。ガブを見ると、少しやつれているような顔色であった。
レプレの姿が月兎に戻っているあたり、サクラはすべてを察して、いそいそと椅子に座りご飯を食べることにした。芋とニンジンを魔獣の骨からとられる出汁で煮込んだ簡単なスープではあるが、冷えた体にはとてもありがたかった。
「とても美味しい……!」
その感想を聞いたガブは少しうれしそうな顔をし、調理を続けた。テントからレンとリコが寝ぼけ眼で出てきた。
「おはよ~……。」
「……おはようございます。」
「おはよう。お前たちは肉食寄りの雑食だったな。もう少し待っててくれ。」
レンはガブがいたことで眠気が一気に覚める。リコはもう少し目が覚めるまでかかりそうであった。塩漬けにした魔獣の薄切り肉、小型魔獣の卵を使ってできた料理が出てきた。
レンとリコはそれを頬張り、食べているとレプレが目を覚ます。歩いて火のところへ向かうとみんなの視線がレプレに集中する。
「えっ?えっ?な、なにさ……みんな私を見て。」
ガブは頭を抱えてうなっていた。
「は、初めて見るサイズ……!」
「破廉恥。」
「その大きさ、分けてほしいな。」
「と、とりあえずレプレ、服を着ような?」
レプレは自分の姿を見て、目にもとまらぬ速さでテントに入って、服を正しく着なおして出てきた。
レンはレプレの姿が変わっていることに気がついていたが、リコがこっそりと昨日助けてくれた兎族だと教えてくれた。
「あはは……。服を直すの忘れてたよ。キミたち、特にネコ君。キミは何も見てなかった、いいね?」
「もちろんです!何も見ていません!」
年頃の男の子にはラッキーなハプニングがあったが、レンたちは朝食を食べることにした。
朝食を食べ終え、片づけが終わると、レプレはレンを座らせて診察していた。昨日の状態より良くなっており、レプレは自信を持って頷いた。
「うん。もう、大丈夫そうだね。軽く魔法撃ってみる?」
「は、はい!リコさん、一緒に……。」
レンとリコはリンクし、水の弾丸を構えた。問題なく【重撃】は発動し、大量に紋章がレンとリコの前に出現する。更地に向かって大量の水の弾丸が着地した衝撃で砂埃が上がる。
「うわぁ……。何その魔法。あんなに紋章増やす魔法って聞いたことないんだけど。」
「弱い魔法でも威力を底上げできていい魔法じゃないか。」
二人の反応は分かれていたが、レンの魔法が発動できたことに全員安心していた。
「よし、これでわたしたちはお役ごめんだね。」
「そうだな。一応国に帰って父上とふく様に報告するから、帰ったらいろいろ質問されると思っていた方がいい。」
レンたちは頷くと、ガブはレプレを肩に乗せてダッシュした。その速さは目では到底追えないもので、一瞬で姿が見えなくなった。
「帰ったら、王様と女王様にお礼しなきゃ、だね。」
「そうですね。ここの調査滞在期間はあとどのくらいですか?」
「ドラゴンとの戦闘で地形が変わっているからね……。それでも、移動しながら調査していけば、あと二週間くらいで国内に戻れるんじゃないかな?」
「よーし、それじゃ頑張って調査を再開しますか!」
三人はテントをしまい、調査を再開した。
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