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炎の前で語る女子たち!

 サクラは恥ずかしそうに、気まずそうな表情でリコを見つめて質問する。


「リコちゃん。ちょっと恥ずかしいかもだけどさ、その……よ、夜伽ってどうだった?」


 リコはその質問に対して尻尾の毛が逆立ち、膨らむ。


「そ、それは……言わないとダメ……ですか?」


 リコは恥ずかしさのあまり熱くなっていた。サクラは、意地悪な表情で笑みを浮かべ頷いた。深呼吸をして、心を落ち着かせる。


「そう、ですね……。私は番になるということを間違った認識でいました。」


 サクラはリコの言うことがわからなかった。番になる条件はだれでも知っていることであり、サクラも内容は知っている。


「初めて繁殖期が来たときは保健室の先生に相談して、何とかレン君に知られずに済みました。そして次の繁殖期が来た時に先生に相談して、パートナーがいるときはどうすればいいか聞いたのです。」


「それで、番になることを決めたの?」


 リコは首を横に振って否定する。両手の人差し指を突き合わせて恥じらいながら口を開く。


「その、前に私が王族の付き人になるか悩んでいた時に、サクラさんが結婚したらいいと言ってもらえたのがきっかけなのです。」


「え、あんな適当に行ったのがきっかけ!?」


 尻尾をパタパタと振り、うなずく。サクラは思い付きで言ってしまったことに少し後悔したが、それでも二人の仲人になれたことに嬉しさを感じていた。


「それで、何を間違った認識だったの?」


「えぇっと……。その、繁殖期にパートナーが家に来て、抱いてもらったら、番になれるってところです。」


 サクラは頭の上に?が浮かび上がる。それより、いつも冷静な彼女がこんなに慌てているのが楽しく、サクラはちょっと意地悪したくなった。


「え?それって番になるための条件だよね?」


「は、はい。その……私はレン君が家に来てぎゅってしてくれたら、番になれると思っていたのです……。」


「純粋か!」


 サクラはリコの間違えた解釈に思わずツッコミを入れてしまった。


「……で、そのままどうなったのさ。」


「なんだかよくわかりませんが、最初は首根っこを嚙まれました。」


「え、急に噛まれたの?」


 リコは二回頷いた。サクラは少し考えると、あることに気が付いた。


「リコちゃん、繁殖期の時はにおい消しはした?」


 首を横に振り、疑問をもった感じで首を傾げた。サクラは額に手を当ててため息をつく。


「リコちゃん。それはレン君は悪くないよ。繁殖期の女の子には男の子を発情させるにおいを発するの。それを嗅いだ男の子は理性が飛んじゃうんだよ?」


「で、ではその時にレン君は私のニオイで……は、発情を……。」


「そういうこと。さすがのレン君でもその匂いに抵抗はできないのね……。で、抱いてもらってどうだった?」


 質問をするとリコのなかで恥ずかしさが爆発しそうになる。サクラを見ると、どうやら答えないと解放してくれなさそうな表情をしていた。リコは隠しても追及されるので、隠すことを諦めた。


「……その、たくさん頂けました……。」


「やっぱり……。レン君は上手だった?」


「上手かどうかは分かりませんが、とても優しかったので、とてもよかったです。」


 サクラはため息をつきながら地面にあおむけで倒れる。リコを見てとてもうらやましく感じていた。


「うらやましいな。」


「サクラさんにもきっと、いい男の子に出会えますよ?」


「そうそうないわよ。レン君みたいな優秀な男の子は。」


「えへへ、うれしいです。」


 リコはレンが褒められてとてもうれしそうに笑っていた。話しているとテントからレンが出てくる。


「サクラさん。見張り交代するよ?リコさんも休めるときに休んでね。」


「レン君。リコちゃんを悲しませたら許さないからね?」


「え?は、はい……?」


 突然怒られたレンは戸惑っていた。そんな彼を尻目にサクラはテントに入り、寝袋に入って眠りについた。リコも背伸びをした後、キャンプの火に木をくべて火を燃え上がらせた。レンは壊れた魔道具を直すために小さな工具セットを持ち出して修理を始めた。


「リコさんも眠たかったら、一度眠るといいよ。魔道具の維持はオレに任せてくれても大丈夫だから。」


「いえ、せっかく二人きりになれたので、一緒にいさせてください。」


 リコはレンの隣に座り、もたれかかった。しばらくすると、リコから寝息が聞こえるようになった。

 その姿を見てレンは微笑み、リコを抱えて、テントの中へ入り、寝袋に寝かせた。レンは外に出て真っ暗な外を眺める。魔獣の唸り声や、遠吠えが反響する結界外は身震いするほど怖さを感じる。

 その中一際大きな遠吠えのような声が聞こえ身構えたが、ずいぶん遠くにいるようであった。外の魔獣もその声を聴いて、唸り声と気配が消えていた。

 不思議に感じつつもレンは指揮棒型の魔道具の修理を開始したのである。

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