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放浪する二人の王族!

「……通信切れた。いつも一方的なんだから。」


 プツリと会話が切れた通信用魔道具を眺めて呟く。


「義父さま?」


 兎族の特徴を持つ彼女が訪ねると狼の男性が頷く。

狼獣人は騎士のような恰好ではあるが、完全なフルプレートアーマーではなく胴、肩、脛にだけ鎧の一部分をつけており、ふくのような異国の服装の上に鎧を取り付けている。灰色と白色の二色の体毛、右目は傷が入っており、隻眼と思われる。

 そして風貌はヴォルフに似ており、王族特有の金眼と頬には赤の文様が入っていた。

 武器は腰に調査隊愛用のデバイスが一振り携えられていた。


「父上はこの近辺にドラゴンが来るって。」


「ほほーう。腕が鳴るわね。ほかにも何かあるの?」


「ふく様の学園の生徒がこのあたりで調査任務の予定になっているからドラゴンと戦わせて、ヤバくなったら助けてやれって。」


「えっ!?学生が!?未成年は国外に出ちゃダメじゃ?」


 狼獣人もさすがに意図はわかっておらず両手を上げて首を横に振っていた。


「あと、ふく様からレプレの魔法を解禁してもいいって。」


 レプレと呼ばれた兎獣人は目を輝かせて、準備運動を始めた。

 レプレは兎型獣人ではあるのだが、他の個体とは少し違い、身長が高い。白い体毛、目は深紅で、長い黒髪をポニーテールにし、頬にガブとは違う赤い文様が入っていた。バンダナのような頭巾を被り、上半身がすっぽり隠れるマントを着用し、体毛が見えないが脚のラインが分かるような密着性の高いのズボンとブーツをはいていた。そして、頭巾と手袋、膝当ては服と同じ素材だが、彼女の動きをサポートする付与魔法の紋章が組まれてある。

 背中にはガブのデバイスと比べて三倍はあろう長さのデバイスが掛けられていた。


「じゃあ、なかなか強個体のドラゴンってコトかな?やる気出たぞー!ね?ガブさん♪」


「そうだね。強個体よりも学生のためになら使ってもいいってことだと思うよ。」


「それでも久々の魔法だからね。わくわくが止まらないよ!」


 そういうと、突如寒波が襲う。チラチラ舞う雪にレプレが戸惑っていると、ガブは少し笑みを浮かべた。


「父上の魔法だ。」


「義父様の魔法で季節を変えられるなんてドラゴンもかわいそうだね。」


「まあ、それほど重要な任務だってことなのだろうね。父上は女王の事好きだし、女王の大事なものは守ってあげたいんだろう……。」


 雪雲と寒波が案内役となり、二人はその先へと目指し、歩みを進めたのであった。寒さに強い種族の二人にはこの程度の寒波はへっちゃらであり、寒さに弱い竜には可哀想な環境へと変えられたことに二人は同情の意を表す。


「そういえばガブさん、ドラゴンの肉って美味しいの?」


「……まあまあ、かな?水生魔獣の方が調理しやすいし、美味しいからドラゴンは別に食べたいとは思わないな。」


「なーんだ、義父様はよく食べてるから美味しいのかと思ったよ。」


「あれはドラゴンに対しての見せしめらしいよ。町に出たら被害が大きいから、ワザとああやって食べてるみたい。」


 レプレはガブの言ったことに「そうなのねー」といって目的地へと歩いていく。そのすぐ後ろでガブはついていくのであった。

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