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スキンシップ!

 今日使ったルナティクスの状態を見ると、どれもあと一度発動出来たらいいくらいの状態であった。そして、指揮棒状の杖を取り出し、古びた布でふき取っていた。この杖は、魔石やルナティクスを装着できるパーツが持ち手の部分、剣でいうと鍔に当たるところについている。

 魔法戦闘は大きく分けると二つの種類に分けられる。一つはリコやサクラがやっている魔法を発動して戦うオーソドックスなスタイル。魔道具や詠唱を行って発動される魔法を直接対象に指定して攻撃や付与を行っていくものである。使用する魔力は調整こそできるが最低限の魔力量で発動出来ても、魔力の量が少ないレンはこのタイプでの戦いは苦手としている。

 そして、もう一つは魔力自体を相手にぶつけて戦う、スポーツスタイル。レンがトラを吹き飛ばしたのはこの戦い方である。魔力をそのまま相手にぶつけるので威力が高いのが特徴である。また、競技系の課外活動ではあまり使われることはないが、杖や筒状のもので狙いをつけて素早く魔力を飛ばす、戦場を走って駆け巡り戦うことからスポーツと言われるようになった。しかし、魔力の配分や連発できることによる魔力消費が大きいことが懸念点である。

 魔力消費の欠点は魔石をアタッチすることで克服した。しかし、それではせっかく発現した【重撃】は宝の持ち腐れになってしまう。そこで【重撃】が混ざっている【遠隔】魔法のルナティクスをセットすることにより、投げた複数のルナティクスを【遠隔】で整え、【重撃】の複合魔法に変化させる能力を使い、複合魔法を完成させる。

 肝心な魔力は杖に魔石をアタッチしているので安心して組むことができる。複合魔法は消費魔力が莫大なので魔石をセットした程度では足りない。そしてレンの魔力による干渉力では駐在軍の新米兵士三人組には、ちっともダメージを与えられなかったが、今日の魔法はレンの中ではとても上手くいった方だった。魔石は握りこぶし大の大きさで、重さはその辺の同じ大きさの石ころと同じ重さである。容量はレン三人分の魔力量である。

 ちなみに、リコが言うには、サクラの魔力量はレン二十人分、リコの魔力はレン五十人分の差があるようだった。

 レンは杖を見ながら改良案がないのかと考えていたが、この調査任務で採取できるものに期待するしかなかったので、整備を再開した。

 集中して整備していたため、「ふう」と息をつくと、目の前にリコが立っていた。


「わわっ!?」


 レンはびっくりして椅子ごと後ろへひっくり返った。

むくりと起き上がると、リコが手を差し伸べてきたので掴まって立ち上がった。足から顔まで見えてしまったが、その姿は全裸であった。レンはドキッとして、しゃかしゃかと後ずさる。


「ど、どうして全裸になってるの!?」


「どうしてと言われましても……。家では寝る前に服を脱ぎますので……。」


「そ、そうだったのね。よし、オレもお風呂に入ってこようかな。」


 レンはリコを襲わないように、そそくさと浴室へと向かう。リコが用意してくれていた洗浄液で全身を洗っていく。身体中の至る所から砂が出てきて取り切るまで大変だった。レンが風呂から上がるとリコがベッドの上で座って待っていた。


「体中のいたるところから砂が出てきて参っちゃうね。」


「そうですね。レン君、少し目をつむってくださいね。」

 リコにそう言われ、ちょっぴりドキドキしながら目をつむる。


「『風の精霊シルフよ。そよ風で彼の者の水滴を振り払え。』」


 詠唱が終わるとレンの体に風がまとわりつき、吹いても湿っていた体毛が乾いていく。風が収まると、とても清々しい気持ちになった。

 手櫛で毛並みを整えているとリコがブラシを持ち、膝の上に頭を乗せるようなジェスチャーをする。膝枕をさせてもらい、ドキドキと胸が躍る。背中、腕、脚としていくとお腹もブラシをかけてくれるようで仰向けになる。すると、リコと目が合う。


「そんなに見つめられると……恥ずかしいです。」


「……かわいいなって、つい。」


 お腹をブラッシングされていると、レンはとても気持ちよくなり、そのまま眠りについたのであった。

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