ポチおの発明品!
レシピを見るとレンは見たことないものが絵と一緒に書いてあった。しかし、材料自体それほど貴重なものではなく、非常に安価に作れるようだった。レンは町の材料屋を巡って素材を集めた。
それを持って部室へ帰ると、二人はまだ作業していたようだった。リコはレンが帰ってきたことに気づき、迎えに来る。
「おかえりなさい。たくさん買ったのですね。」
「この素材で野営道具作るんだ。ポチおさんのお嫁さんに丁度会ってレシピが貰えたんだ。」
「そうだったのですね。傷薬は人数分のご用意ができました。あとは【治癒】の魔道具を今から作ります。」
リコはそういうと、魔道具精製の為に準備を始めた。サクラを見ると火と水の封印が終わったのか魔導書を読んでいた。どうやら、戦闘用の魔法を調べているようでいざという時の魔法を入れるようだ。
部室の外に出たレンは鋼とミスリルの合金でできた骨組みを組み、防水性の高い水生魔獣の革を張りどんな環境でも壁と屋根が付いた空間ができた。
レシピを見ながらそこに記載されてある通り、魔法を刻印していった。それが終わると、魔力を込めてみた。【変形】の魔法の効果で骨組みはみるみる折りたたまれ、小刀のようなサイズまで折りたたまれた。もう一度、魔力を流すと元に戻った。その機構に感動してそれをみていた。
「おぉ……!さすがポチおさんだ。てんと……っていうのかな?これなら洞窟がなくても大丈夫だな。あとは、オレも【守護】のルナティクスを作ろうかな。」
レンはテントをたたみ、部室に戻った。戻ると、サクラは魔法をすべて封印したのか、机に突っ伏して眠っていた。リコは【治癒】の魔道具を作り終え、傷薬を並べ、三人に振り分けているようだった。
「サクラさん、眠ったの?」
「はい、戦闘用の魔法を入れた影響で魔力がなくなったようで……。」
レンは魔力切れを何度も経験しているので苦笑いしながらリコの作業を一緒に進めることにした。食料は収納カバンに入れているのでそれを取り出すと、リコが驚いた表情で聞く。
「それ、高いものではないですか?」
「うん、値段は高いものだったんだけど、ルナティクス一つと交換してもらえたんだ。実際に使ってもらったら店のものと交換してくれるって。」
「やりますね。食材は保存が効き、分担して持った方がいいので収納カバンには野営道具を入れましょう。」
そう言い、食料を分けていった。レンは野営道具を収納カバンに突っ込んでいくと、テントと食器、調理道具を入れるともう入りそうになかった。面積は食料のほうが大きいが、重さは野営道具のほうが重かった。どうやら、重さで入る量が決まっているようだった。三人分の支度を済ませ、一息ついた。
レンとリコは【守護】のルナティクスを作りながら話していた。
「国外はいったいどんなところなのでしょうか。」
「楽しみだけど、学園祭のあの魔物みたいなのいっぱいいるんだよね……。」
「大丈夫です。今回はサクラさんもいますし、きっと大丈夫です。」
「レンくーん。そんなとこ触っちゃだめだよ~。むにゃむにゃ。」
「え……いったい何の夢を見てるの……?」
「レン君は私のものです。あげません。」
レンはサクラの謎の寝言に引いており、リコはレンをぎゅっと抱きしめてサクラの方を見ていた。レンは顔をリコに近づけ、そのままキスをし、鼻同士をこつんと当てた。鼻同士をくっつけるのは親しいものの挨拶のようなもので、この世界では『はなちゅー』と呼ばれる。リコは耳が垂れ、尻尾を膨らませ、照れながらニコッと笑った。三人はそのまま部室で眠り、明日の出発に備えた。
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