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治療魔法のデメリット!

 今日の歓迎際は今までにない大盛況のなか終了したようだ。

 めえの見込みによると、レンは今日中に目を覚ますことがないとのことだった。リコとサクラは細かい傷などあり、めえから治療を受けていた。

 魔法によるものではなく、薬剤での治療であった。サクラが理由を聞くと、治療魔法は瞬時に治すことができるが、その分細胞に負担がかかるとのことだった。あまり魔法に頼ると傷が治りにくくなったり、老化が早まることがあるらしい。

 

「先生……治療魔法の使いすぎは良くないと教えてくれましたが、先生は調査隊の頃は最強の魔術師と言われていましたよね?」


「そうだな。確かに私の魔法は【治癒】の魔法だ。細胞を活性化させ、傷を癒したり、細胞から魔力を抽出することができ、それで魔力を補填できる。」


「やっぱり、すべてはパワーで解決……みたいな、ですか?」


 めえはやれやれと首を横に振り、植物が植えられた鉢植えを二つ取り出した。


「まず【治癒】による回復だ。『彼の者の傷を癒せ。』」


 植物が光に包まれると、だんだん元気になっていくのか葉に艶など現れ始めた。すると徐々にしおれていき、枯れた。


「え……あんなに元気になったのに、どうして……?」


「細胞分裂の限界、ですか?」


「ご名答。【治癒】はあくまで細胞分裂を早め、傷を治す術。事象魔法の分類だ。そして次、『彼の者の力の源より、魔の力を与えよ。』」


 もう一つの植物に魔法の効果が表れる。植物から魔力があふれだす。魔力を帯びた植物は不気味にゆらゆらと揺れる。そして、突如魔力が霧散して消えた。

 植物は静止し、ボロボロになっていった。


「枯れたというより崩れたね。ということは絞り出す魔力は有限ってことですか?」


「その通り。このように【治癒】は薬にもなるがやりすぎれば対象を殺すことができる。それで大体の生命は刈り取らせてもらったが、竜族は生命力が大きくてな、中々倒せないので、魔道具や他の魔法に頼らざるを得なかった。」


「レン君は……大丈夫なのでしょうか?」


 リコは心配してそわそわしていたが、めえは少し笑い、リコの頭をくしゃくしゃと撫でる。


「大丈夫だ。お前たちはまだ成長期。十三歳に成人となるが完全に成熟するのは五十を超えてからになる。それに話を聞くにレンは精霊から魔力を貰ったみたいだし、細胞から無理やりひねり出したものではないから、心配無用だ。」


 リコはホッと胸をなでおろし安心した。

引き続き治療を受けていると、保健室の扉がノックされた。


「入れ。」


 短く入るように促すと、二人の獣人が入ってきた。

 ポチおとにゃんであった。リコとサクラは初めて出会うヒトに少し警戒する。そんな様子を見ためえは二人を庇うように低い声を出す。


「なんだ、今取り込み中なんだが。」


「そんな固いこと言わないの。魔法技術部の三人のことなんだけど。」


 めえがベッドのカーテンを開けるとリコとサクラ、寝ているレンがいた。めえはポチおに近づき、睨んだ。ポチおは苦笑いを浮かべたが、すぐにまじめな表情に戻った。


「茶化しに来たんじゃないよ。まじめな話、あの三人に卒業後、魔法技術士の免許を発行してほしくて来たんだ。」


「え、いいのですか!?試験も難しいって聞いてはいるのですが……。」


「もちろん。こんなに技術のある子に免許を与えないのは国の財産として損でしょ?」


 にゃんが説明すると、サクラは申し訳なさそうに告げる。


「あ、あの……。アタシ、宮廷魔術師に進路決めているのですが、それでもいいのですか?」


「ええ、大丈夫よ。私たちの発行している免許は一応国家で認められているけれど、別にほかの職についてはいけない決まりはないので安心して。」


 サクラはホッと安心していると、ポチおとにゃんが持っている魔道具に目が釘付けになった。それに気づいためえは二人に問いただす。


「お前たち、どこへ行くのだ?」


「ん?今から素材狩りに行くんだよ。この子たちの発表に制作欲に火がついてしまってね。」


「この人ったらデバイスの強化にいろいろアイデアが出たみたいなの。」


「そうか。お前も大変だな。それならこの薬を持っていくといい。どうせドラゴンでも狩ってくるのだろう?」


「そうなの、薬ありがとう!そういえばサムさんとは会えてる?」


「ああ、毎日ではないが、会えているから大丈夫だ。……にゃん、この娘が何か聞きたそうにしているぞ?」


 サクラはもじもじしながら前に出てきた。にゃんの腰に下げている魔道具に指をさして、質問する。


「あ、あの。この魔道具を見させてもらえませんか?」


「わ、私も見せていただきたいです!」


 リコも便乗して見たことのない魔道具を見せてもらうことにした。

いつもありがとうございます!

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『続きを見たい!』

と思って貰えましたら、

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