王と女王の最強コンビ!
二人はダメージが大きいのか立ち上がるので精一杯のであった。魔物の衣服はボロボロになっており、その体はほとんどが竜であった。どのような攻撃もはじかれたりしていたのか、傷一つついておらず、輝きを保っていた。
「私たちも戦いま——」
「図に乗るな!お前たちは複合魔法でろくに魔力も残ってない。いいから早く逃げるんだ!」
「めえさん、あいつら頼んだよ。にゃんさんには謝っといてくれ……!」
「ま、待て!馬鹿——!!」
めえの制止を振り切って魔道具の剣を使い足止めに向かった。すると魔物と接触するより早く氷像と化した。
ポチおは足を止め、周囲を見ると、狼型獣人が片腕を魔物に向けて魔法を発動して森の中から出てきた。そしてその隣には妖狐、ふくも一緒だった。
ふくは氷像と化した魔物を見て鼻で笑うと、指をパチンとならす。魔物は凍ったまま粉々にされ、吹き飛んだ。
「お前が犠牲になっちゃ俺たち王は失格だな。」
「めえ、このようなトカゲ風情に何をてこずっておるのじゃ?やつらは寒さに弱いから氷の複合魔法で攻めぬといつまでも戦闘が続くのじゃから。」
「ふく様、ヴォルフ様。お手を煩わせてしまい申し訳ございません。」
「王様と女王様のおかげで命拾いしたわぁ……ありがとうございます。」
「じゃじゃの方から先に倒したからもう終わりだな。」
「一匹はお前たちが倒したのか?」
レンとリコは王と女王を目の前にして完全に硬直していた。それは二人の強大な魔力に当てられて恐怖で声が出なかった。それを察してめえは王と女王に話す。
「申し訳ないのですが、魔力が強すぎて生徒たちが緊張しています……」
二人はめえの指摘を受けて顔を見合わせると魔力を抑えた。
「これでよいかの?さぁ、質問に答えるのじゃ。」
二人は頷くことしかできなかった。
「……まあよい。彼方ではサクラという狸の娘も一匹倒したようじゃし、被害は最小限に抑えられたようじゃの。ぼるふ、帰るぞ。」
ふくの話を聞いてレンとリコはサクラの無事も確認でき安堵する。ヴォルフは背伸びするとレンとリコをわしゃわしゃと撫でていく。
「ほい。若いの、これからもがんばれよ!」
そういうとふくは【転移】を発動させて帰っていった。魔力の支配が無くなるとレンとリコは地面にへたり込む。
「い、威圧感……すげぇ……!」
「は、はいぃ……けど、どうやってあの魔物を一瞬で……?」
「あれはヴォルフ様の【絶対】による完全凍結魔法とふく様の衝撃波の魔法だ。」
「あの二人、めっちゃ強いからびっくりするよな~。」
めえの説明によると【絶対】の魔法は絶対零度の冷気で体も精神も凍り付かせる魔法であり、魔物はそれで凍らされた。その時点で普通は即死ではあるが、コアと呼ばれる結晶体が起動する限り魔物は活動するため、ふくの魔法でとどめを刺したわけだ。
衝撃波の魔法は魔物の内側から発生しており硬いドラゴンスケイルは防御として役に立たなかったようだ。普通は体内に魔力が満たされているため中から攻撃することはできない。ふくの魔力はそれを突破できるほどの干渉力があり、リコは苦笑いを浮かべていた。
「そういえばお前たち、やっとパートナーになったんだな!流れる魔力が似ているからすぐわかったぜ!」
レンとリコは恥じらいながら「はい」と答えた。
「そうか、お前たち。パートナーになった以上お互いをしっかり見て、思いやることだ。これからが始まりだからな。」
レンとリコは顔を合わせ、笑いあった。めえとポチおに引率されながら学園に着いた。
緊急時、学園の生徒は学園内に避難することが条件であるからだ。レンたちは学生なので屋内競技場に寝泊まりする必要はなく、そのまま部室に入るとサクラが出迎えてくれた。
そして、三人は事態が安定するまでは部室で寝泊まりすることになった。レンはは初めて複合魔法の紋章を組んだ事で疲れ、机に突っ伏して寝ていた。リコとサクラはソファでガールズトークをして眠りについた。
サクラのイタズラでレンは額とまぶたに謎のステッカーを貼られた。
それはきっとお祭りの景品だろう。
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