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ふたりはパートナー!

遅くなりました。あけましておめでとうございます!

今年もぼっちら頑張るのでよろしくお願いします。

 リコはレンから伝わる緊張に声が出せずにいた。周りで花火を見ていたいたギャラリーもレンとリコに集中する。レンは様々な視線にも負けず続ける。

 

「魔法技術部で出会ったときからリコさんのことが好きでした。一緒に実験や訓練をしていくうちにオレは……リコさんのことをどんどん好きになって、あなたのことを独り占めしたくなりました。」


 リコは告白を受け、固唾を飲む。レンの本心を知りうつむいていた。


「オレは、これからもリコさんと一緒に……助け合っていきたいです。」

 

 レンはポケットから小箱を取り出し、ふたを開け、中身を見せながらニコッと笑う。


「オレとパートナーになって、一緒に人生を歩んでください!大好きです!」


 リコはその言葉を聞き、レンに勢いよく抱きついた。


「私も……ずっとレン君のこと気になっていて、私……誰にもとられたくなかったです!私もレン君のこと、大好きです!」


 最後の花火の前兆を知らせる連続花火が上がる。そして、ひときわ大きな光が打ちあがる。光が消え、なかなか爆発が起こらなかった。周囲の人もざわざわしていた。

 

「……何かあったのかな?」


「不発でしょうか?」


 心配をよそに今までにない大輪の花が咲いた。それはとても大きく様々な色で構成されており、非常に美しかった。レンは我に返り、リコにネックレスを首にかけた。

 

「これは……?すごく綺麗です……。似合っていますか?」


「リコさんのこと思いながら作ったんだ、すごく似合ってるよ。」


「……レン君、パートナーの契約として儀式を結びましょう。」


 リコはレンの返事を待たず、唇を重ねた。見ていたギャラリーの拍手がレンとリコに贈られる。二人は唇を離すと、目を合わせ、照れくさそうに笑いあった。

 すると、リコのネックレスが輝いた。二人はその光を見て無意識のうちに魔力をリンクさせていた。

 レンの【重撃】がリコに、リコの【召喚】がレンに、お互いの魔法と共鳴しあい、新たな魔法になった。

「い、今のは何だったのでしょうか……?」


「リコさんの魔法がオレの魔法と共鳴したような……」


 ネックレスを見ると紋章の形が変形していた。それはレンとリコの魔法がこのネックレスを通じてさらに昇華させるものであるが、二人はこのことにも気が付かなかった。

 突如地面から揺れが伝わるほどの爆発が学園の近くで起こった。爆発音は明らかに花火ではないことがわかり、レンとリコは目を合わせ、爆発したところへ走っていった。


 

 爆発現場に行くと、魔物が四体いた。三体の魔物は異形の形をしており、理性・知性もない行動で暴れまわっていた。そして残る一体の魔物は他三体と違い、体は小さいが魔力が異常に高く、戦闘技術を持っている人型の個体で警備兵を素手で殴り、吹き飛ばしていく。

 目が合ったレンとリコの二人はじりじりと距離を詰められていると、離れた場所でも爆発音が複数聞こえた。すると目の前にひとりの男性が現れた。

 寒冷地用のコートを羽織っており恰好が全然違い一目ではわからなかったが、ポチおだった。いつもの温厚な顔つきではなく、牙をむき出しにした戦闘状態であった。


「おい!退いていろ!死ぬぞ!!」


 ポチおがレンとリコに後ろに下がるよう指示すると魔物のほうへと走っていった。ポチおの戦いを見ていると横から魚類の頭に人類の体が融合した奇妙な姿の魔物が現れた。


 「『風の弾丸』」


 空気の弾丸が魔物の顎と思われる個所にあたりよろけた。すかさずもう一発の弾丸が魔物を吹き飛ばした。リコはぽかんとしていた。


「さすが、リコさん!的確に打ち込んだね!」


「いえ……今の二発目の弾丸は想定外です。一つは意図した魔法ですが、もう一発の魔法は……。」


 リコが考えていると、魔物が起き上がりとてつもない速さで突進してきた。レンはリコをかばい吹き飛ばされた。防御の魔法がレンに間に合わず、最悪な状況を想像したリコは青筋を立てて叫ぶ。


「レン君!」


「大丈夫!」

 

 と森の方から声が聞こえ、リコは安堵し、魔物と向き合った。両手を魔物にかざして二つの魔法を短く詠唱する。


「『炎の檻』、『岩の槍』」


 魔物に炎がまとわりつき、さらに炎が檻を形成する。身動きができないところを岩でできた槍が降り注ぎ、地面からも岩の槍が生え、魔物をずたずたに突き刺していく。


「やはり、魔法が……重複して発動する……。」


「やったか!?」


「レン君!大丈夫でしたか!?あと、まだとどめは刺せてはいません。」


 リコの言う通り緑の体液をまき散らしながら魔物は立ち上がる。痛覚がないのかあらぬ方向に曲がっている足を無理やり使い、肉から折れた骨が飛び出る。そして骨が飛び出たところから緑の体液が噴き出る。おぞましく、痛々しい姿を見た二人は苦虫をかみ潰したような表情をし、覚悟を決める。

 

「リコさん、早くとどめを刺そう。あれ以上は……苦しめてはいけない気がする……。」

 

「同感です……。リンクをお願いします。」


 レンはリコの背中に手を当ててリンクをするとネックレスが輝きだした。突然のことで一瞬迷う。それでもリコは魔力を解放し、場を支配する。レンは耳の近くで何かが聞こえたが一部しか聞こえなかった。


「リコさん!よくわからないけど、火の精霊と風の精霊を出せる?」


「よ、よくわかりませんがやります!『火の精:サラマンダーよ。風の精:シルフよ。我が呼び声に応え、顕現せよ!』」

 

 リコは火と風の精霊を召喚し、大魔法の準備に入った。レンはネックレスの方から鼓動を感じ、意識を集中させた。

 火と風はとても相性が良い。お互いの利点を伸ばす関係であるため同じ部隊に入る実例がある。それをレンは感じ取り、リコの魔法が組みあがるのを待った。

 すると、レンの耳元で先ほどよりはっきりと聞こえた。リコが威力の高い二つの魔法を組み上げ終える。


「では、行きます。今回も4重でお願いしま―」


「待って!精霊がオレに協力してくれるみたいだ……!」


 レンは直感だが、先ほどの聞こえたものがサラマンダーとシルフが紋章を組み合わせろと言っているように聞こえた。

 火の紋章を中心に、その周りに風の紋章を六つに増やし円環となるよう、組み上げた。それぞれを繋ぐ紋章【結合】をレンの魔力で書き加えて変化させていく。

 レンは頭の血管が切れそうに感じ、視界がぼやけ始めたが紋章の複合を続けた。そして、それはついに出来上がり、レンは息を切らしながらリコに紋章を譲渡する。

 

「リコさん……!これを発動してください……!」


「は、はい!これは……【灼熱】ですね……。行きます!『灼熱よ、その力を解放し、すべてを焼き尽くす柱となれ!』」


 魔法が発動する瞬間、ネックレスの輝きが一層増し、超高温の熱気により空間が少しゆがんだように見えた。


いつもありがとうございます!

『良かった!』

『面白かった!』

『続きを見たい!』

と思って貰えましたら、

お話の下にあります

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正直に伝えていただけると今後の作品にしっかりと反映していきたいのでよろしくお願いします。

また、ブックマークも頂けるととても嬉しいです!

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

何卒よろしくお願いいたします。

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