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魔法技術部に入部!

 レンは学園の中央通りに設置されている簡易的な課外活動入部案内の会場にいた。同じ組の人たちは魔法競技部や魔術研究部など魔法をメインとした課外活動に多く集まっていた。そのまま歩くと人が少ないブースがあった。


 「えぇー……と、あった。魔法技術部であってるよね。」


 魔法を補助する道具、魔道具を製作する部活動であり、パフォーマンスで散々な結果を起こした部活であった。レンは一晩考え、やはり趣味である魔道具作りの個性を伸ばしていきたいと考えており、魔法技術部に入部すると決めていた。

 ブースの前に立つと、二人の部員と目が合った。片方の女の子はみるみる緊張していく。


 「い、いらっしゃいませぇ~!」


 「お、お店じゃないよ!?(小声)」


 「ほあぁぁぁぁ……。」


 どうやらこの活動は人とあまりかかわらないものが多いのだろう。その証拠に彼女たちの活動紹介が全然できていないのだ。いろいろと何かを喋っているが、話があちらこちらに飛んでいるようでメモをしていないと解読に時間がかかる。彼女たちがあたふたしていると一人の生徒が話しかけた。


「あの……ここが魔法技術部で間違いないですか?」


 野狐族の女の子だ。藤色の髪の毛を三つ編みにし、前髪は長さが揃えられている。なにより美人で賢そうな雰囲気が出ている。そして昨日の歓迎祭の入学生挨拶で発表した首席の女の子であった。彼女についてくる人たちはいたものの、一定の距離を維持したまま、彼女には近づこうとはしなかった。


「は、はい!入部希望ですか!?」


「はい。入部するといつから活動は開始できますか?」


「き、今日からでも大丈夫です!!い、一応名簿に登録してくださいね!」

 

「わかりました。では、部屋を使わせてもらいます。」


 彼女は素早く入部手続きを済ませ、部室へと消えていった。それまで追いかけていた人たちは魔法技術部のブースの前で留まり、渋滞を起こす。男子生徒だけでなく、女子生徒も少数だが彼女の追っかけをしているみたいだった。狸族の女の子とレンは目が合うが、すぐにそっぽ向かれ、彼女は追っかけの群れから離れていった。


「やっぱりリコちゃん、すげえ美人だったな!」

 

「俺も入部しようかなぁ……」

 

「やめとけって、お前じゃ相手にされねえ。何せ首席入学生のリコだぜ。しかも、魔法技術部って今後の成績にあまり評価点が加わらない部活だぜ。」


(あぁ、さっさと入部したのはこの追っかけから逃げるためだったのか……。)


 レンがそう考えていると群れが解消されて渋滞がなくなる。最後に話していた男子生徒の言葉が魔法技術部のブースにいる女子生徒の心をえぐる発言に涙目になっていた。

 レンは首席の名前が判明し、口に手を当てて考えた。


(どうしよう。美人だったなぁ。いやいや!ここで成果を出して魔法技術士になるんだろ!)


「あの……オレも入部したいです!」

 

 レンはそう言い、入部手続きを済ませ、部室に入った。

 するとそこには、魔法に関する様々な機器、道具、書物が乱雑に置いてあった。その乱雑さは歩くスペースはほとんどなく、いつも歩いているだろうと思われるところだけ獣道のようになっていた。

 

「きっっったねぇぇぇ!!まず、片付けないと何もできない!」

 

「あなたも新入部員?」

 

「うおぅ!ああ、リコ……さんもだよね?」

 

「え?どうして私の名前を知っているのですか?同じクラスではなかったと思うのですが。」


 レンとリコは他のクラスで接点がなく、リコは自分の名前を知られていることに警戒をしていた。レンは彼女の警戒を解くために、尤もな理由を考えて口を開く。

 

「あ、えぇーと……リコさんは首席で有名だから……。あ、オレはレンっていうんだ。よろしく。」

 

「そうですか。レン君ですね。こちらこそよろしくお願いします。ではわたしはこれで。わっ……ぷぎゃっ!?」

 

 リコはそのまま奥の部屋に向かおうとすると散乱した魔道具に躓き派手に転んだ。

 

「まずは片付けしないとダメですね……。」

 

「そうだね。一緒に片付けよう。」

 

 レンとリコは片づけをはじめた。そしてこの日は片づけだけで一日が終わった。非常にごちゃついていた部室はなんとか歩く道を確保し、次に片付けやすいようにある程度分別をしておいた。片付けをしていると本当に勿体無い使い方をされている端材があったり、素材を結合するための魔道具が埋まっていたりと先輩たちは一体どうやって研究発表をしていたのか気になった。

 レンは特別綺麗好きでは無いが、散らかっている部屋は苦手なのと、他人の部屋を掃除が好きな性格なのでテキパキとこなしていた。一方リコは掃除こそ丁寧ではあるが、本を見つけるとその場で読む癖があるらしく、掃除の大半はレンが片付けていた。

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