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石を使った戦闘!

競技場に到着すると、まだ使用しているヒトがいなかったのですんなりと許可が下りた。

 二人は開始位置に立つと、向かい合う。二人が目を合わせて頷くと、訓練が始まる。リコは開始早々、大規模魔法を組み上げてくる。

 それを見たレンは地面が抉れる程力を込めて跳躍する。短距離走なら猫族のレンはリコの比にならないほど速い。しかし、その行動はリコには予想内の動きであり、裏で待機させていた速射魔法を放つ。


「『風の弾丸』」


 詠唱ともいえないような短い言葉で空気の弾がレンにめがけて放たれるとレンは猫族特有の眼の良さで小さな埃のわずかなブレを視認すると右へ左へ当たらぬようレンは動きまわる。そして速射魔法の攻撃には息継ぎのようなわずかな間が開く。それを見逃さずに魔道具で石を発射した。しかし、リコには当たらずさらに右後方へ飛び、地面に刺さった。リコはてっきり当ててくるものか、近くで魔法を遠隔発動してくるものだと予想していたので風の鎧を纏ったが外れた。

 

(急ごしらえのものだから命中精度は悪いはず……)


 そう思い大規模魔法は破棄して、異なる魔法の詠唱を始めた。速射魔法と連射魔法を組んでいた。そもそもリコのように二つの違う種類の魔法を同時展開するのは超難易度の技術であり、それを難なくこなすリコは異常なセンスである。


「『水の弾丸』、『岩の槍』」


 レンに放たれた魔法は圧縮して威力の高い水の塊を飛ばす魔法とリコの前方に次々と地面から鋭利な形をしている岩を生やす魔法である。

 リコの速射魔法は弾速が速く組み上げるのに時間のかからないもののを指し、今回で言うと『水の弾丸』が速射魔法に該当し、最速で魔法が組み上がるが威力は低い。それでも普通は回避するのも大変だが、レンの種族の特性でカバーする。連射魔法は速射魔法より複雑かつ魔力消費が大きいのだが、地面から次々に生やしたり、雨のように大量に降らしたりする魔法で、一つでも当たると抜け出すのが難しいくらい数が多い。

 レンは飛んでくる水の弾を避け、二発リコに打ち込む。しかし、リコの前方に着弾し外れてしまう。着地した瞬間、岩の槍が地面から生えてくるのが見え、真っ向から突っ込む。次々と生えてくる岩の槍を足場代わりにして三角跳びの要領で躱していく。そして三発打ち込むがリコの左右と左後方に着弾する。6発すべて撃ち込んだことを確認したリコは、大規模魔法の詠唱を始めた。もちろん裏から速射魔法の自援護も忘れていない。それを確認したレンは手に隠し持っていた最後の一つをリコの真上に投げ、詠唱を始めた。

 

「『業火の檻よ、焼き尽くせ!』」


「え!?上級魔法!?あの石には下級魔法しか入らなかったはず……。どうやって……!?」


 リコが周りを見渡すと石が刺さったところから光があふれていた。その光はよく見ると火の紋章であり、それらが重なると【火炎】という魔法になる。程よい火力と消費魔力がそれなり魔法ではあるが、上級魔法に位置するのでリコの水の弾丸では対抗できない。リコは今組んでいる魔法の相性が悪いと見るやそれを破棄して、相性のいい水の精霊を呼び出すため、紋章を急いで組み上げた。


「『大いなるミズチよ。大海の力を持ってすべてを消し去らん。』」


 詠唱が終わると同時にリコの周囲は火柱に包まれた。その瞬間、火柱は内側から出現した巨大な水塊によってかき消された。レンは大量の水に消された【火炎】を悔しそうに見ていると、どこからともなく飛んできた風の弾丸がレンを吹き飛ばした。


「むぎゅー……また、負けた……。」


「今の攻撃は危なかったです。ミズチを使わされるとは思いませんでした。」


「リコさん……ずるい。」


「そういわれましても……召喚魔法ですから。」


 そう話していると鎧を着た馬族が競技場に入ってきていた。よくみるとカレンであり、にこにこしながらこちらへ来た。


「やあやあ、少年。青春してるね。」


「カレンさん!?どうしてここに?」


「よく訓練で来ているんだよ。近衛師団には骨のあるやつが少なくてね、生徒ならいろんな戦法で戦いに来てくれるから、楽しいんだ♪見たところ戦闘訓練してるみたいだね。よーし、お姉さんが一肌脱ぎますか。」


 そういうと腰に下げた大剣を構えて臨戦態勢に入った。


「これはやらないといけない雰囲気ですね。」

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